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【オススメ漫画】気づいたらポロポロと涙が…

好きなマンガのことを書くのは楽しいですね。

ということで、今回も大好きなマンガのことを書きます。
みなさんは、高橋しん、というマンガ家さんをご存知でしょうか。

かなり前ですが、ビックコミックスピリッツで
『いいひと。』という漫画を描かれていた方です。
『最終兵器彼女』の作者でもあります。

とても繊細で優しい絵柄の、僕の大好きなマンガ家さんです。

それでも最近、みないなあと思って、Amazonのkindleページを見ていたら、
あの大好きな優しい絵柄が、目に飛び込んできました。


「髪を切りに来ました。」

表紙にはメガネをかけた瘦身(そうしん)の男性、
その男性と手をつないだ可愛らしい男の子が、波打ち際のテラスに
2人で並んで立っていました。

その時は、まだ1巻しか出ていなかったので、さっそくポチりました。
つまんなかったら、やめちゃえばイイし。軽い気持ちでした。

物語は、美容師の陸(りく)と、その息子、一星(いっせい)が
東京から沖縄の離島に移り住み、生活をしていく、それだけの話です。

それだけの話ですが、
島の美しい風景、何気ない日常のできごとが、
丁寧に優しいタッチで描かれていきます。

kindleの画面から、

島を吹き抜ける風・・・

打ち寄せる波の音・・・

波頭に反射してキラキラ光る太陽の光・・・


その手触りや暖かさが伝わってくる・・・

ああ、やっぱり、この人が描く世界は好きだな…
そんなことを思いながら、読み進めました。

陸は、この離島でも、美容師として働きたいと働きたいと思っています。
そりゃそうです、
タイトルが「髪を切りにきました。」なんですから。

でも、島の住民は、よそ者二人を警戒して、近づいてもきません。
挨拶しようとしても、プイっといなくなってしまう。

そんな中、陸は頑張ります。
引っ込み思案でおとなしい息子を学校に連れていき、
慣れない手料理でお弁当を作り、
ご近所には「髪を切りにきました」と必死に声をかけます。

頑張ります。

頑張ります。

頑張ります。

頑張ります。

頑張ります。


島に移住して一週間たった時、
近所のおじさんが、オリオンビール(小瓶)を2本持って訪ねてきます。

引っ越してきて以来、道ばたで出会う度に
「髪は切らんからな!」と言い続けてきた、頑固そうなおじさんです。

ビールを飲みながら、静かに陸に語り始めます。
どうして近所の人たちが、素っ気ない態度をとるのか。

みんな最初から“よそ者”に、冷たかったわけじゃないです。
そこには、ちゃんと“理由”があったんです。

そして、頑張ってきた陸に、ひとこと言葉をかけます。

本当にシンプルな言葉です。

でも大事な言葉。

心に届く言葉。

優しい言葉。

いま、この文章を打ちながら、
もう一度、そのシーンを読んでいたら、涙が出てきました。

何度も読んだハズなのに、涙がポロポロこぼれました。


マンガの中で、陸も泣いていました。

「バカじゃないか。
 ここは笑うところだよ」

そういいながら、彼の頬をあとからあとから涙が伝います。


とてもシンプルなストーリーです。

でも人生の大事なことが詰まった、宝石のようなマンガです。

読んだら優しい気持ちになります。

一人でも多くの人に、この世界に触れて欲しい。

心から思います。





kindle版


髪じゃなくて、紙の本






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