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デジタル・ノマドの分類とワーケーション

ワーケーションについて海外でもまだ研究は始まったばかりと言えます。ただし、ワーケーション(Workation)という言葉ではなく、Digital WorkやDigital Nomad, Location Independentなどのキーワードで研究が進んでいます。

日本だと20102年前後に「ノマド・ブーム」がありましたがそれ以降はそれほど広まっているとは言えず、デジタル・ノマドもあまり耳にしたことがないかも知れません。

デジタル・ノマドってどういったものなのか?ここではReichenberger(2018)の説明・分類を紹介したいと思います。原典はこちら。
Reichenberger, I. (2018). Digital nomads–a quest for holistic freedom in work and leisure. Annals of Leisure Research, 21(3), 364–380.

この中でデジタル・ノマドについて場所や移動、住居をどう捉えられるかによってレベル0からレベル3という区分を提唱しています。それをざっと日本語にしました。

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テレワーク、リモートワークはレベル0〜レベル1という感じでしょうか。コロナ禍での自宅で仕方なくの「Stay Home型」のテレワーク、リモートワークは場所の独立がないという意味ではレベル0以下、というかそもそもノマドの範疇には入らないですね。

ワーケーションはレベル1〜2、日本にはまだあまりいませんが定額住み放題サービスなどを利用したアドレスホッパーはレベル2〜3でしょうか。もちろんレベルが高ければ良いということではありません。

ワーケーションに関して言えば、最近はやや過熱気味になっているような印象です。テレワーク、リモートワークが進んだからと言って即ワーケーションにつながるわけではありません。観光の落ち込みに対して単に宿やスペースをとりあえず埋めるため「駐車場的」発想でのコワーキングスペース、ワーケーションはあまりうまくいかないと思います。

企業や地域がワーケーションを推進していこうとする場合、実施する企業や誘致する地域がどのレベルの利用者をターゲットとして想定しているのか、逆にどのレベルの利用者を増やしていこうとしているのか、のひとつの目安にこの分類を活用するのに有効かなと思います。

こちらの記事も参考に。


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