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地方におけるワーケーション施策・支援の勘所

2022年に向けて柔軟な働き方の展開とオフィス回帰が同時に起こっています。ヤフーやメルカリなどをはじめ社員のウェルビーイングのために居住地を問わず交通費などそのための支援も充実させてくるところも増えてきました。もちろんすべての業種や企業がそうなるわけ/べきではありませんが一定割合は定着するのではないでしょうか。

それとワーケーションという文脈をあわせて考えてみると、ワーケーションのスタイルによっていくつかに分類できそうです。

ワーケーターの分類

ひとつは都市型ワーケーターで、基本的には都市部に住み、リフレッシュを兼ねた2-3日程度のワーケーションを行う層です。一方で、地域型ワーケーターは基本的に地域に在住し、対面の予定があるときに都市部(のオフィス)に行くというものです。多拠点生活で都市と地域と半分づつあるいはさまざまな都市・地域を移動する移動型ワーケーターもスタイルとしてありえます。

このように今後は「住んでいるところ以外にどういった拠点や関係する地域を持っている?」という会話が当たり前になるかもしれません。

そのなかで地域の自治体のワーケーション政策・支援も再考する必要があるのかなと思います。

自治体などのワーケーション政策・支援はどうしても(最終的には)移住をしてもらうという方向にいきがちです。もちろん、移住促進は大命題なのでそれも当然なのですが、そこが目的だと押し出しすぎると引いちゃう人も少なくありません。

なるべく多くの人を地域型ワーケーターに転向させるよりもむしろ、都市型・移動型・地域型ワーケーターのそれぞれのスタイルを尊重した支援のあり方が重要なのではないでしょうか。

滞在日数は多くないけど定期的にやってくる人が気軽に滞在・宿泊できる拠点やモビリティの整備やその支援、たまに都市部に行く人が行きやすい支援など都市型ワーケーターに対しては観光という側面、地位型ワーケーターに対しては移住という側面でさまざまな施策が進められています。

ただ移動型ワーケーターに対しては手薄な印象です。例えばゴミ出しや郵便・宅配など二拠点の人のかゆいところに手が届くサービスなどいろいろあるかと思います。過度な前例主義・事例主義に陥らずそれぞれの地域の関係人口を含めた市民に有用なものが展開されることを期待します。

2022年もワーケーションの企画・事業を展開する地域も多いかと思いますがその勘所はスタイルの尊重にあると思います。拙著となり恐縮ですがこちらそろそろ発売になります。ぜひ手にとっていただければと思います。


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