EV化と自動運転がもたらす未来
年末にトヨタもEVシフトへの姿勢を鮮明したことで、クルマのEV化はいよいよ現実的なものとなってきた。また、自動運転も各社が本気で取り組みだしたことで実現する日はもうそう遠くない未来ではないかと思われる。
この2つの変化は今まで僕らが体験してきた様々なIT化の中で最もインパクトが大きいものではないかと思うのだが、なぜかあんまり議論が活性化していないように思う。この記事ではEV化と自動運転の普及が、世の中にどのようなインパクトをもたらすのか具体的に考えてみようと思う。
失われる雇用
まず最初に考えなくてはならないのは、現在人々が運転していることで存在してる様々な雇用がどうなるかだ。自動運転が普及すれば運転手がいらなくなってしまうのはもちろんのこと、その周辺にある雇用も当然なくなってしまうだろう。
アメリカの田舎のハイウェイを運転していると、数十マイルおきにガソリンスタンドとファーストフードとモーテルだけがある小さな町が忽然と現れる。もしもトラックドライバーが不要になったら、これらのビジネスの大半は廃業に追い込まれてしまうだろう。町ごと消滅してしまうところもあるに違いない。アメリカ国内のトラックのドライバーは350万人ともいわれるが、ファーストフードやコンビニやモーテルなどの雇用を含めたら、おそらく500〜600万人もの人が職を失うのではないだろうか。
日本でも自動運転やEVが普及すれば当然同じことが起きる。それは避けられない未来だろう。
EV化で何が変わるか?
では車のEV化は何をもたらすだろうか? まず、ガソリンスタンドを町から無くすだろう。ガソリンと違って充電は一般家庭でもできる。だから、ガソリン/充電スタンドの存在意義は大幅に薄れてしまうはずだ。代わりに駐車場や職場などで充電するのが一般的になるに違いない。レストランやモールなども集客効果を期待して充電サービスを始めるようになるだろう。現にカリフォルニアでは現在タダで充電できる駐車場がそこぞかしこにある。こうしたところに充電設備のリースをするような会社が儲かるようになるかもしれない。
クルマはどう変わるか?
クルマの形状も変わってしまうに違いない。現在の前の座席に2人がけ、後ろに3人がけという一般的なレイアウトも変わってしまうかもしれない。車が勝手に運転してくれるのなら、前を見ている必要性がないからだ。
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