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【銭湯】何度でも言う、京都の銭湯は最高だ

■ はじめに:幻の宵山

今年の夏は京都で祇園祭を堪能しようと画策していたのですが、新型コロナウイルスの影響でメインイベントの宵山、山鉾巡行が中止になってしまいました。例年ならば四条烏丸に並ぶ山鉾も立たず、今年は静かな祭りになりそうです。

祇園祭に行きたくなる、森見登美彦の小説「宵山万華鏡」の紹介記事

山鉾巡行中止のお知らせ

日本全国見渡しても、これほど「密」な祭りもないでしょうから、伝統だから、あるいは政府の観光振興キャンペーンが控えているからと安易に開催を強行しないことは英断というべきでしょう。

しかし祇園祭は、疫病を引き起こす神様を祀り上げることで、疫病平癒を願ったという「祇園信仰」をルーツとするものなのに、感染症で中止になってしまうとは皮肉なものです。

というわけで、行けなかった京都に関する追悼記事です。

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■ 何度でも言う、京都の銭湯は最高だ

京都に名物は山ほどあれど、私が心からおススメするのは京都の銭湯だ。以下の点で、素晴らしい体験ができるからである。

①サウナが無料(のところが多い)
②水風呂が気持ちいい
③湯上りの散歩が楽しい

詳しくは過去記事をご参照いただきたい(宣伝)

上で挙げたような特徴から、施設の充実度合い、リーズナブルさでいえば、京都の銭湯は東京の平均値を上回っていると思う。逆に清潔感や温泉は東京に軍配が上がるかもしれない。銭湯に貴賎なし。

他にもいくつかの点で、京都の銭湯には興味深い特徴がある。

京都市内は、いわゆる「鰻の寝床」型の細長い建物が多いため、東京のように横広の浴槽が奥にデンと並ぶ間取りの浴室は少ない。奥に伸びる縦長の浴槽だったり、1~2人しか入れない浴槽が複数配置されていたりする。

また、東京の銭湯では洗面器が浴室に入ったところに置いてあるが、京都の銭湯では洗面器が脱衣所に置いてあることがある。

それにしても、最近銭湯の記事しか書いてないな…銭湯ライターの仕事とか来ないかな…

■ 京都駅周辺の銭湯を紹介します

数えたことはないけれど、京都市内には多数の銭湯が今も残っている。今回はそんな中から、京都駅から徒歩圏内の銭湯をご紹介。

【東湯】

京都駅から徒歩5分。京都タワーにある大浴場を除き、恐らく京都駅から最も近い銭湯。ビル型で、別フロアにはサウナオンリーの施設もある。

薄暗く埃っぽく、スタッフは愛想が良くない。脱衣所と浴室が別フロアなので、すっぽんぽんで階段を上下することになる。浴室では桶も椅子も規格がバラバラという、なんとも奇怪な空間。森見登美彦の小説に出てきそうな銭湯だ。

【大正湯】

京都駅から徒歩10分弱。駅の南側(東九条サイド)は最近店が増え始めたエリアだが、まだまだ雰囲気としては閑静。

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番台のおカミさんの柔和な雰囲気に癒されるのか、近所の人たちで賑わう。駅近なので、帰る前にひとっ風呂浴びて東京へ帰るのにも最適だ。

【日の出湯】

駅の南側、東寺(教王護国寺)近くに位置する。趣のある建物は脱衣所の格子天井が見事で、某ジブリ映画の湯治宿を彷彿とさせる。

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駅から東寺まで散歩ついでに入浴なんてした日にはもう極楽。

【崇仁第二浴場】

京都駅の東側、鴨川手前にある市立の浴場。無骨な外観が逆にクールだ。

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玄関に人懐こい猫がいた。

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崇仁地区はかつて部落差別問題を抱えた、発展から取り残されてきた地区だ。最近は市立芸術大学の移転が決まり、屋台村などのイベントで地域おこしが図られるなど、注目を集めている(ちなみに屋台村「崇仁新町」5月末で終了。こっちにも行けずじまいだった…)

某「ス〇ールウォーズ」のモデルになった京都伏見工業高校OBが営む中華料理屋もここにある。駅からは少し歩くが、人ごみから逃れるにはちょうどいいかもしれない。

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まだまだ手放しで外出を楽しめる世の中ではありませんが、一刻も早く平和な銭湯ライフが戻ることを願って止みません。

ここまでお読みくださりありがとうございました!


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