「食べられないから、好きな物だけ、量を少なく食べて体作り」 は あり? なし?
ジュニアアスリート子育て塾 塾長 松田幸子です。
「しっかり食べろと言うけど、何を食べたらいいの?」
食事の話を聞いて、最終的に自分たちにどうやって取り入れていけばよいのか、実践に繋がらなかったことがあると思います。
それは理解しているつもりだったから。聞いているときには耳に入ってきても、自分の言葉でアウトプットする、自分で料理にアウトプットすることが出来ない状態ということです。
それは子どもだけではなく、大人も同じです。このつもりを解消するべく、今日はあるレポートを確認しながら一緒に考えていきましょう。
最新のレポートを見てみよう
今回は栄養学雑誌 81巻(2023年)1号掲載の
小学生の1食の食事パタンにおける栄養素等摂取量の実態と適正さの評価
です。
このレポートは小学生だけではなく、中・高校生、ひいては大人も同じような結果を出すと想定されるレポートです。またスポーツをしている子どもはより、この傾向が出る(エネルギー摂取量と推定エネルギー必要量、必要な栄養素量と摂取量の差)と思われます。
ただ、17ページにわたるものなので、今回のテーマに即した内容を抜粋します。(興味深いレポートなので、本文をぜひご覧になってください)
抜粋でも内容が多いですね。
では話を進めます。
適正量食べているか
まずは適正量を食べているかどうかです。
1日の摂取エネルギー量(食べる量)と推定エネルギー必要量(使った量)が同等であり、なおかつ成長にあった量がプラスされていれば、子どもの適正な成長は限りなく望ましい物になります。
ですが、レポートでは男女とも使った量の方が多かったとなっています。つまり、スポーツをしている子どもがこの状態であれば、もっと使った量が多いわけですから
・ケガ
・病気
からは逃れにくいですし、体を大きくすることも叶わなくなります。これは「単品」だけではなく、「おかずぐい」の子どもも否めません。なぜなら日本人のエネルギー量の多くは主食から摂取しているからです。ところで
あなたは主食・主菜・副菜がどんなものか、子どもに教えられますか?
食べられるかどうかは大切ですが、その意味を知ることはもっと大切です。つまり、この意味が自分にとってどうなのかを理解して行動をしていくことが子どもにも必要です。
さて、写真ですが、なかなか、このようなご飯を盛ることは、あまりないかと思います。
1回で食べられなければ複数の食事回数に渡り、主食を食べるかどうか。つまり間食=補食は主食優先で食べられているかどうかがポイントになるわけです。
補食の意味は?
足りない物を食べる です。
高い食材・サプリメントにこだわりすぎていないか?
食材の質にこだわっているのは、とても良いことです。トップアスリートであれば、油の質や水質にまでこだわりますし、食材は高い物を選びます。
ですが、一般家庭ではそんなに高い物ばかりでは破産してしまいます。
質の良いものを食べる必要はあります。
だからといって、高いスーパーで買うのではなく、地の物を買う、上手に時間をかけるなど出来ることがあるはずです。
例えば、今は梅仕事の時期です。
今の時期に梅干しを仕込んでおけば1年を通して、食事のアクセントになる食材が手に入ります。特に選手にとって、おにぎりは魔法のお弁当になりますが、これも梅干しはベストマッチですよね。量も食べやすくなります。
また私は赤紫蘇が出るこの時期に、赤紫蘇のシロップを作って水で割って飲んだりします。
宮廷女官チャングムの誓いでは、貧しいものは時間をかけて食材を干すという描写があります。貧しいはさておき、干した食材は水分が抜ける分、生の食材と同量なら、栄養密度が高くなります。家族菜園をやっている方や、野菜を安く買える方は自分で干してみるのも1つです。
TVドラマで言う、貧しいからこその知恵は、アスリートにとってはゴールドメダルに匹敵する考え方だと思いませんか?
宮廷女官チャングムの誓い 第16話 真心
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子どもだから・・・は通用しない
今回は子ども(小学校5年生)が調査を行いました。これで、先行研究と近い結果が出ていることから
子どもだからわからないのではないか?
という大人の先入観は必要ないことになります。
そのため、早い段階から食育を行っていく必要があるのも、今回のレポートで理解いただけるでしょう。
つまり、親がすぐに出来る・・・いや、まず優先的に行うことは
・主食、主菜、副菜、この3つはせめて説明出来ること
・適正量を食べられるよう、主食量が減りすぎないように意識付けする(でも無理強いではない。ここが難しいですね。難しければプロに任せてください)
これができていれば、栄養素とエネルギー量を望ましい量までもってこれる道筋ができるからです。
結局 あり? なし?
ここまでみてくると
「食べられないから、好きな物だけ、量を少なく食べて体作りをしたい」 は
基本的には なし
と言えるのはおわかりでしょう。
ですがこれは、子どもの好きなものが今まで話してきた内容を満たすものだったり、量も少ないと思っていても、適正な量を食べていればそうではありません。
また食べられないも、大人が思っているのと、子どもの感じているのは違っていることがあります。食べられないを大人の物差しで測らないようにして、今、可能なことを見つけ出し、チャレンジする必要があります。
「もー、ごはん食べられないよー」
「そーなの。じゃー、ムリしなくていいよ」
ではなく
「どうしたら食べられる?」
「どうして食べた方がいいって言われるのかな?」
など、日々の食卓で問いかけてみてください。
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