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なぜ、イチゴの苗は病気に罹りやすいのか?

品種改良の影響でそもそも病気に罹りやすい
野生種や在来種に比べ、品種改良を進めた品種は病気に弱いというポイントがあります。
犬に例えてみると、雑種の方が、血統書付きの犬種に比べ、体や病気に強いと言われているのをご存知の方も多いと思います。
雑草が農薬等に強く、なかなか枯れないのも同じ理屈で、長年の生存競争に耐えてきたので、いろいろな耐性を持っていることになります。
つまり品種改良を進めることで病気に弱くなる基本的な事実があります。
このため、病気のウィルス耐性を持っている傾向のある品種をかけあわせたりしていますが、根本的な解決策にはなっていません。

栄養繁殖(ランナー取りによる繁殖)は、ウィルスが必ず移る
イチゴの栽培においては、親苗を購入して、そこからランナーを言われるものを出させて子苗を作り出す、栄養繁殖という方法が、日本では99%ぐらい採用されています。
この場合、親苗は必ずと言っていいほど、病気のウィルスを持っており、ランナーを通じで100%、子苗に移ることになります。
つまり最初の段階から、病気のウィルスを苗が持っていることになり、時間の問題で発症することになります。
よって露地のイチゴ栽培は、病気を予防するために農薬等でコントロールしなければならないのが実情です。

露地栽培で完全無農薬栽培は、事実上不可能
前述の理由で、露地では時期は別としていずれかの時点で病気が発生する可能性が高く、完全無農薬というのは不可能です。
最初の一定期間は、完全無農薬ができますが、永続的にそれを維持することは理論上、不可能です。

種子繁殖は、ウィルスフリー
前述の栄養繁殖と違い、種から繁殖させる“種子繁殖”はウィルスフリーなので、適切な環境下なら病気の発生が理論上ないという特性を持っています。
しかし種子からの繁殖は、高い農業スキルが必要で、一般的ないちご農家は持っていないのが実情です(栄養繁殖が主体となっているので、必要な方ノウハウではないため)。

いちごの植物工場で栄養繁殖の苗を使う
これは、かなりのリスクがあります。
というのも、いずれかの時点で高い確率で病気が発生するためです。
発生したら最後、あっという間に広がりを見せ、収量や品質の低下だけでなく、全滅の恐れがあります。
また一旦、発生するとそのウィルスは室内のどこかに存在し、永遠にその呪縛から解き放たれないという悪循環に入ります。

MD-Farmは、ウィルスフリーの種子繁殖を活用した完全無農薬を実証済み
MD-Farmでは、3年以上に渡って、完全無農薬でも、病気を一切出さない栽培環境を実証済みです。
植物工場の環境下だからできる栽培方法で、これにより農薬に対して厳しいEU圏の国々でも、安定的な栽培を構築できることになります。


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