松田祐樹@MD-Farm

イチゴの通年大量栽培を実現する植物工場システム開発を進めているスタートアップ代表です。…

松田祐樹@MD-Farm

イチゴの通年大量栽培を実現する植物工場システム開発を進めているスタートアップ代表です。 『いつでも、どこでも、だれでも』栽培が可能でSDGsな農業を目指しています。 農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業採択事業者 matsuda@md.farm

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    イチゴの植物工場の技術に関する有料記事をまとめたマガジンです。 約10年に渡る実証、研究での成果の一部を有料で公開する記事をまとめています。

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【 公開 】 植物工場で、ハチを使って受粉する方法

イチゴなど実をつける植物を植物工場で栽培すると、受粉が問題となります。 受粉には一般的に、人の手による方法か、ハチを使う方法があります。 人の手の場合、耳かきの後ろにある梵天のようなもので、手作業で行うことになりますが、手間がかかり、どの花に受粉したかを把握した上で行わないと、過受粉で奇形の原因にもなり、現実的ではありません。 ハチの場合、閉鎖型環境、特にLEDを利用した栽培環境では、ハチは屋外と同じように受粉せず、受粉は上手く行われないというが通説となっています。

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    • イチゴの植物工場による安心・安全が食中毒を激減させる可能性

      イチゴに関する食中毒は、いくつかの国々で報告されています。 この要因は、長距離の流通経路で傷んでしまった、不衛生な水を使用しての洗浄、加熱などが不十分だったなどが考えられますが、はっきりとしたことは特定されていません。 そもそも中国やエジプトなどで生産されているイチゴは、きちんと管理生産されないので、要因の特定ができません。 日本は世界的に見て、異常と言えるほど、流通体系がしっかりと整っており、日本国内であればコールドチェーンで2~3日以内にどこにでも届けられます。 この

      • 初期段階のイチゴの植物工場で陥りやすい技術課題

        初期段階のイチゴの植物工場システム開発で陥りやすい技術課題を少し話したいと思います。 現役のイチゴ農家が参加していない開発 現役でイチゴを生産し、それを一般消費者に販売して生計を立てているイチゴ農家が参加していない場合、栽培に関する本当のノウハウをシステムに活かすことができず、品質面で大きな不安を抱えることになります。 この「美味しいイチゴを安定的、かつ収量を確保する」という技術はアナログ的なノウハウの塊のようなもので、一番長けているのは、現役のイチゴ農家ということになりま

        • 日本には多くの農業の知財資源と環境が揃っている

          土壌から見る日本の立ち位置 以前にある国際的な農業ビジネスをしている知人から次のようなことを聞きました。 「日本の農業環境というのは特殊で、一般的に大陸の土地は痩せていて少しの肥料を使っても収量が大幅に上がるケースも少なくない。日本は火山帯に位置することもあって土壌が豊かでミネラルがたっぷりある。ここに肥料を投入しても大陸の土壌に比べアップ率は低い。そもそも日本は土壌の基礎ベースの高い地域であるんだよ。 それと日本は四季があり、多くは高温多湿で雨も多い、恵まれている環境と言え

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          イチゴの植物工場で必須となる技術

          イチゴの植物工場は、難易度が高く、挫折しているところも多いです。 また初期段階の栽培で成功していても、あくまで小さなスケールでのもので大規模化はできなかったり、大規模化しても問題を抱えたままというケースも見られます。 まず最初に必要となる基本的な技術をいくつかご紹介したいと思います。 1、大光量のLED 一般市販品のLEDでは光量が低く、安定的かつ「なり疲れ」をしないで連続的に収穫することは不可能と見ています。よってイチゴの栽培に適したLEDの入手とその運用ノウハウが必要と

          イチゴの植物工場で必須となる技術

          盆地ではイチゴ栽培が難しい

          全国的に見て、盆地でイチゴの一大産地になっているケースを見かけることは基本的にない印象です。 盆地では、周りに山がある影響で日が昇るのが遅くなったり、逆に早めに沈むことで日光を得られにくくなると考えられます。 また日が出てからの気温の上がり方も盆地特有で急速に上がると考えられます。 更に冬場の寒さも厳しいです。 よって、盆地内でイチゴを栽培するのは難しく、そのため一大産地になりにくいのではないかと考えられます。 自然環境に合わせる農業ではなく、自然環境に影響を受けず、安定的

          盆地ではイチゴ栽培が難しい

          加温には化石燃料は一切使用しない

          一般的なハウスなどでの冬場のイチゴの栽培には、加温と呼ばれる温度を高くする手段が取られています。これは重油等の化石燃料を使用して暖房としているケースがほとんどです。 特に日本海側の地域では必須となります。 MD-Farmでは、前述のような加温は一切必要なく、化石燃料を直接的に使った加温はしていません。 LEDの発熱を利用して室内の温度を上げることができます。 一年を通して、春先のイチゴにとって実がつけやすい温度帯を安定的に作り出すことで、連続的に収穫ができます。

          加温には化石燃料は一切使用しない

          いちごの驚くべき効果効能

          いちごの驚くべき効果効能

          2019年のオランダへの農業視察1

          2019年に渡辺パイプが主催したオランダ農業の視察ツアーに参加しました。 オランダは花きの卸しの世界的な中心地となっており、その卸市場は日本では見ることのないようなシステムで運用されていました。 写真にある共通の棚が生産者から小売店まで統一で使用されており、効率化されているのが印象的でした。 競り下げ方式のせりが行われており、すべてデータ化されているのも印象的です。 オランダのパプリカの植物工場 収穫物の移動に自動搬送装置が利用されています。 今後、オランダの視察旅行で

          2019年のオランダへの農業視察1

          マイナビ農業:世界中でイチゴの地産地消実現を目指す。閉鎖型植物工場に取り組むスタートアップの現状を徹底解剖

          マイナビ農業に取り上げてもらいました。

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          イチゴ:健康・美容・妊活のトリプルコンボ

          イチゴの効果効能についての記事をおすすめさせてください。 MD-Farmでは、一年中、イチゴが手軽に食べれる環境づくりを進めています。

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          培養液を3℃加温するだけでレタスの収穫量アップ!―植物工場におけるレタス栽培の革新的アプローチ―

          詳細はリンク先 https://research-er.jp/articles/view/132795

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          米国におけるいちごの生産および輸出動向

          米国におけるいちごの生産および輸出動向

          農協から見た2024年輸送問題

          農協から見た2024年輸送問題 1.現在でも東北、北海道の野菜は関西圏に来ていない。来年はさらに来なくなる。 2.九州のものも関東圏、東北北海道には来ない。強行してそれもできるが、値段がさらに上がる 3.中京圏のバイヤーの声。 長野県は関東、関西圏に近いので、ちょうど中間点になり、両方に出せる。他地域から頼りにされている。ピーマンの需要は全国的に高い。今作ってくれている生産者には、生産量の倍の量を作ってもらいたいと要望がきている。

          農協から見た2024年輸送問題

          九州大学ら、大気からCO2を回収できる「m-DAC」の施設園芸における社会実装に向け連携

          MD-Farmでは、すでにCo2の有効活用に関して5年ほど前から実運用しています。 排出されたCo2を回収し、作物を育て、その生育を加速させるということができることが確認されています。 今後、回収されたCo2を消費して、カーボンマイナスを実現するステージに入ります。

          九州大学ら、大気からCO2を回収できる「m-DAC」の施設園芸における社会実装に向け連携

          福岡県名産「あまおう」輸送に黄信号 2024年問題、イチゴにも影響

          昨年からイチゴの8分が赤くなったら出荷するようにJAなどから指導が始まっています。 輸送問題対応ですが、もちろん美味しさは犠牲になり、美味しいイチゴを小売店などで手に入れるのは難しくなっていると感じます。

          福岡県名産「あまおう」輸送に黄信号 2024年問題、イチゴにも影響