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今日の読書 出口さんの「還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方」は、教養=知識×考える力を使って、エビデンスに基づき自身の頭で考える大切さを説いている。

こんにちは、まっつんです。

皆さん、読書してますか?

社会人もほとんど読書をしませんが、学業が主な大学生においても年間1冊も書籍を購入しないケースが多いようです。全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)が以前に発表した「第58回学生生活実態調査」では、実に48%の大学生が読書時間ゼロという結果になったそうです。一方で1日60分以上の人は26.7%となっており、全体的な読書時間の減少の中でも二極化が進んでいるようです。

今回は、そんな大学の状況からは想像もつかない「変態オタク系」のトンがった学生を輩出しているAPU学長の出口治明氏の最新刊のレビューをしてみたいと思います。

🟦還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方 

立命館アジア太平洋大学学長 出口治明著 (発行:講談社現代新書)

出口さんといえば、言わずと知れた有名人なので今更という感はありますが、一応、書きますと、還暦を迎えてから、ライフネット生命開業し、古稀を迎えてから立命館アジア太平洋大学の学長に就任し、著作も多く、角界で大活躍されている日本を代表するアクティブ・シニアです。今回、「還暦からの底力」をいうシニアへのエールを送るような本を出されたので、興味があって読んでみました。㊟まっつんはシニアじゃないよ。(笑)

🟦その前に超高齢社会の日本ってどうなっているの?

少子高齢化というフレーズがニュースにならない日がない日本ですが、少子化と高齢化は異なる問題です。しかも日本はすでに高齢化を超えて超高齢社会となっており、高齢化の進む世界における最先端の国なのです。

社会の高齢化を表す言葉には、「高齢化社会」「高齢社会」「超高齢社会」の三つあります。まず高齢者とは65歳以上の人を指します。そして人口における高齢者の割合が7%を超えると「高齢化社会」とり、14%を超えると「高齢社会」そして、21%を超えると「超高齢社会」となります。日本は1970年に高齢化社会となり、その後24年で高齢社会になりました。これは、高齢社会となるまでドイツは42年、フランスは114年の年数を経たのに対し、日本はわずか24年という点からもその凄さがわかります。そして2007年についに21%を超えて「超高齢社会」になったのです。2065年には、全人口の約25%が75歳以上の後期高齢者になり、高齢化率も38%を超えるとの推計も出ている高齢社会の最先端国家なのです。高齢化社会の定義をまっつんまとめ

🟦本書の目的・狙い

出口氏は、「還暦からの底力を発揮するには、色眼鏡をできるだけ外して、フラットに周囲の物事を見ることです。「数字・ファクト・ロジック」でエピソードではなくエビデンスで世界を見ることです。」(P6)とも「年齢フリー」で考えることが還暦からの底力を発揮する上で大切です。とも書かれています。過去の常識や仕来りを頭から信用することなく、自身の頭で考える大切さを説いています。

🟦この本の読みどころ!

本書は、はじめにから始まり、第一章から第五章に分けてかかれており、おわりにで纏まられている構造です。

第一章「社会とどう向き合うか」では、日本での常識である定年で引退という思考に対して、定年制の即時廃止を論拠をしまして展開しています。健康のためには働くことであると、4世紀の僧、法顕の事例などを書かれています。

第二章「老後の孤独と家庭とお金」では、人とのつながりは「自分」というコンテンツ次第(P84~)で書かれているように、チャンスを生かすも殺すも自分というコンテンツをどう磨くくかにかかっている。「自分の魅力や面白いところがあれば、人は向こうから集まってきてくれます。」(P86)と耳の痛いお話が続きます。

第三章「自分への投資と、学び続けるということ」では、教養は「おいしい人生」を楽しむためにあると様々な例を示して書かれています。その教養はまずは、古典の型を真似ることから始め、歴史が示す学びと多様性の重要性で締めくくられています。

第四章「世界の見方を歴史に学ぶ」では、世界商品の有無で鎖国が上手くいき、結果、ヨーロッパの産業革命とネーションステイトという2大イノベーションに取り残されたこと、以降、日本が世界の大きな流れを正しく理解できないことで判断を誤った史実を示し、指導者のスキルとして「教養=知識×考える力」であることを強調しています。

第五章「持続可能性の高い社会を子供たちに残すために」では、男女差別の問題から社会保障と税の一体化に話に展開し、重要なのは、経済成長と良い政府と平清盛や織田信長を例にキチンと市民にご飯をたべさせた人が好いリーダーと看破しています。そのために良い政府、よいリーダーを選挙に行くことでつくっていく重要性を示しています。また、自身のためには「必ずしも自分の好みでない誰かが決めたパターンにわざわざ自分からはまりに行く必要はない、人間は一生懸命自分の好きなことをするのが一番幸せだ」(P242)とまとめています。

おわりにでは、「人生は楽しくてなんぼです」(P 244)そのために勉強や学びは一生続ける必要があること、その大前提の健康は、働き続けることで得られること、定年というこれまでの常識の制限を取り外し、ヤング・サポーティング・オールドという敬老思想から、年齢フリー社会のオール・サポーティング・オールという考えで明るい将来を楽しむように「還暦からの底力」を発揮して欲しいと我々にも発破をかけて締めくくられています。

以上、「還暦からの底力 歴史・人・旅に学ぶ生き方」 立命館アジア太平洋大学学長 出口治明著 (発行:講談社現代新書)のレビューでした。

出口さんのお話をこれまで2回拝聴しまたが、お歳からは想像できないくらいの柔軟さでこちらの頭の固さが露呈してしまします。一度、お酒をご一緒させていただき厚かましくもサインをいただきました(笑)。

来月はZOOM会議でご一緒させていただけるようなので、この本の疑問点をぶつけてみたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

興味のある方は、是非、ご一読ください。

次回もよろしくお願いいたします。

🟦 華麗な加齢臭!まっつんブログ

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