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800文字ショートショート

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1つの短編は「800字以内」に収まっている時もあるし、いない時もありますが、大体の目安はそれくらいです。読むのに時間はかからないと思うのですが、読むには時間がかかるかもしれません。
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#ショートショート

【ショートショート】#1 地球最後のあなたへ

【ショートショート】#1 地球最後のあなたへ

 街を歩く、人がいて、物があふれる交差点。めっきりと寒くなって、それでいて人は暖かいって勘違いし始める時期。よくわからない言葉が電光掲示板に表示されて、それを眺めている。

「そうか、カウントダウンか」

私は交差点で男の人と手を繋いで数字が減っていくのを眺めていた。
今年も終わりだと何となく心の中を探るのだけれど、心の中には何一つ残っていない。忙しい日常が、忙しい恋愛が私を攻め立てた一年だった。

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【ショートショート】#2 アンケートアイドルの結末

【ショートショート】#2 アンケートアイドルの結末

アンケートアイドル。

 このアイドルは文字どおり「アンケート」によって自分の活動内容を決めるというもの。ファンとの距離が近づいた今らしいアイドルである。この企画が来た時、言われた条件は2つアンケートで選ばれたものは絶対に遂行しなければならないこと、そして、アンケートの内容に関して事務所は口出しをしない。つまり自分で内容を考えること」だった。

 香花は「アイドル戦国時代」に何も取柄のない自分が飛

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【ショートショート】#3 天使アンリさんの日常

【ショートショート】#3 天使アンリさんの日常

 「天使」という存在をご存じだろうか?きっとどこかにいるそんな素敵な「天使のアンリさん」そのアンリさんは少しドジで、落とし物をよくする。この間はカバンを落としてしまい、一日中探し回っていた。そんなある日のこと、アンリさんは「あるもの」が無いことに気が付く

それは「日記」

アンリさんは毎日日記をつけているのだけれど、それがどこにも見当たらない。

「あれ?おかしいな確かここに・・」

部屋を探し

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【ショートショート】#4 着ぐるみ出社

【ショートショート】#4 着ぐるみ出社

 うちの会社では変な決まりがある。それが他人の目を気にする人たちが多い為、化粧も身だしなみも気にしないように着ぐるみを着て会社に行く事。最初のうちはなじめなかったがそのうちに慣れてくるとパンダとか猫とかそいう可愛いのを着たくなって気が付くと休日には着ぐるみ屋さんに来ていた。

 その着ぐるみ屋さんは遊園地やデパートのヒーローショーとかにも出している有名な場所で気が付くと会社の人も来ていた。

 そ

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【ショートショート】#5 お気持ち表明書

【ショートショート】#5 お気持ち表明書

 僕の通っている学校には「お気持ち箱」という箱が置かれている。この箱を設置したのは生徒会の提案。主旨は全校生徒からの学校、個人を問わず困っていること・解決して欲しい問題を募集すると言う物であるらしい。理由はわからないが先生はその提案に難色を示していた。

「ご意見お願いしまーす!」

 毎週水曜日と金曜日には生徒会の人たちが校門の前に立ち、お気持ち箱を抱えて生徒から意見を貰おうと催促していた。しか

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【ショートショート】#6 隙間三行

【ショートショート】#6 隙間三行

 世界の隙間を覗きたい。そんな気持ちで山とか海とかに出掛ける。でもそんな隙間はどこにも無い。グランドキャニオンにならあるのだろうか?それとも日本海溝?マリアナ海溝?切れ目ならば世界の隙間がのぞけるのかもしれないと僕は毎日そんなことを考えていた。

 ある日、僕は手を切ってしまった。するとその隙間からは赤い血液が流れだしてくる。そうか、切れ目は作ることが出来るんだと僕はそこで感じた。

 次の日から

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【ショートショート】#7 夢の続きを売りましょう

【ショートショート】#7 夢の続きを売りましょう

「成りたいものに成れなかったあなたが続きをするのは?」

 RPGのゲームをクリアした後、世界に平和が訪れる。でも僕は既に救った世界のダンジョンの片隅で未だ「何か無いのか」と隠し要素を探すことがある。多分、経験がある人も居るだろう。続きが見てみたい。終わって欲しくないと。

 でも、ゲームのシナリオはとっくの昔にクリアして、目的は達成されている。

 ふと顔を上げると深夜の電車の窓ガラスにスーツ姿

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【ショートショート】#8 最後のお立ち台

【ショートショート】#8 最後のお立ち台

 君のお仕事は簡単なんだよね。ほら、目の前にステージが見えるでしょ?あそこに立って、来る者全てにナイフを突きつけて、気に入らなければ刺し殺せばいいんだよ。それだけで君は何もこの先も困ることも無いし、恨まれることもない。まっさらなまま生きていける。

 君は立ち向かってくるもの全てにそうやってナイフを突きつけて殺せばいい。歯向かう物が居たら君の周りの人達が全員。余すことなく君の味方だよ。

僕は渡さ

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【ショートショート】#9 メディア・ブラックアウト

【ショートショート】#9 メディア・ブラックアウト

 自己都合の世界に行きたい。入り浸りたい。自分だけに都合よい世界を作りたい。そう考えた俺は毎日、毎日、毎日。俺に寄せられるコメントを自分の都合の良い物だけを選別してより分けていくことになる。

「これはアンチ、はい、これは荒らし、これは誹謗中傷」

 どんどん。どんどんと来るコメントに対して俺は飽きることなく飽きることなく、俺はブロックしていく。言論統制は気持ちいい。まるでこの世界の支配者になった

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【ショートショート】#10 職業「正論師」

【ショートショート】#10 職業「正論師」

 今の時代だからこそ必要な職業が最近誕生した。それが「正論師」

 何をやるのか?と言われれば今のネット社会にこの仕事がゴロゴロ転がっている。俗にいう「マウントを取る」とか「論破する」と言うことを頼まれて生業にしている。

 君は次にこう聞いてくるだろう。そんなに仕事が有るのか?とね。それがあるんです。ネットの世界は性別、年齢。そして生き方。生まれた理由。色んな人達が色んな事を思ってい色んな事を書

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【ショートショート】#11 街角宝石

【ショートショート】#11 街角宝石

傘をさして街を歩く。私が落ち込んだ時、元気のない時は決まっていく場所がある。それはこの街に初めて来たときに道が分からなかった私はこの宝石店に足を踏み入れた。何のことは無い。ただ道を聞こうと思っていたから。それでこの宝石店には品の良い店主と若々しいおばあさんが切り盛りしている。

 そのお店に飾ってあるダイヤとか貴金属は見る者を魅了し、虜にしてしまう。人の好い店主。落ちつける空間。全てがそこには揃っ

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【ショートショート】#12 裸の街

【ショートショート】#12 裸の街

 せっかくいい街を作ったのにね。

 魔王に占拠されていた土地を取り戻し、勇者達はその後隠居していた。隠居した後も彼らは破壊された街を作り直すために奮闘していた。

 城壁を作り、市場を作り、議会も作った。

 今までの絶対王政は崩れ去り、これからは民主的な国を一緒に作っていこうと努力した。その結果、素晴らしい都市が完成したのだ。子供には厳しいかもしれないが、この街は若者や年寄りにとってまさに万能

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【ショートショート】#13 馬鹿試合の果てに

【ショートショート】#13 馬鹿試合の果てに

 ある街に銀行強盗が入ったらしい。小さな田舎町。小さな集落がより集うその街では朝からその話題で持ちきりだった。

僕はそんな時にたまたまこの街に来てしまった。もしかしたらよそ者の僕がその強盗と思われるかもしれない。でも、お腹が空いたから近くの定食屋に入った。そこの店主はやや顔を曇らせている。きっと銀行強盗のことで心を痛めているのだろう。何か出来ないか?そう思ってその定食屋で一番高い物を注文した。・

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【ショートショート】#14 幸せケーキ

【ショートショート】#14 幸せケーキ

 深夜12時。轟音が止み、静かな時間が流れ始める。それまで外は工事でもしているかの如くうるさかったのだけれど「ポーン」という音と共に静かに止んだ。

俺は恐る恐るカーテンを開けて外を見た。

するとさっきまでの狂気は嘘のように静まり返っていて、また、待ちゆく人たちも徐々に増え始めて来た。

「狂気は終わったのか?」

 狂気の嵐にさいなまれ、明日の自分に困り果て、夢はどこかに置いてきて、希望は遥か

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