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【読書感想文】『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』を読んで

最近、発達障害のひとつであるASD(自閉症スペクトラム)について調べる中で、本田秀夫さんの著書『自閉症スペクトラム 10人に1人が抱える「生きづらさ」の正体』を読みました。

今回はこちらの本の感想をお伝えしたいと思います。

ひとことで言うと、この本は特に、ASD傾向を持つお子さんがいる親御さんにおすすめできる本だと思います。

この本をざっくりまとめると

この本の内容を簡単にまとめると、次のようなことが書いてあります。

・「自閉症スペクトラム」とは何か?
・自閉症スペクトラムの特徴ごとの詳細
・併存しやすい発達障害など(ADHDやLDなど)
・発生しやすい二次的な問題(いじめなど)
・自閉症スペクトラムをもつ人への支援の仕方

発達障害全般というよりは、ASDに特化した内容になっています。

そして、ASD傾向をもつ子供の支援についてかなり多くのページが割かれており、著者の本田さんの長年の臨床経験に裏打ちされた豊富な知見が詰め込まれています。

どんな人にオススメ?

発達障害全般についてではなく、基本的に自閉症スペクトラムに絞って説明がされている本なので、「発達障害全般について広く浅く知識が欲しい」という人には向かないと思います。

また、先述のように著者の本田さんは発達障害を持つ子供の発達についての専門家です。ですので、本書の多くが子供の発達障害について割かれています。社会人のかたで、「大人の発達障害」について詳しく知りたい人は満足できないかもしれません。

一方で僕のようにASD傾向が強く、ASDについて深く知りたい人には普通にオススメです。
僕は、これまでより知識がついたので満足でした。

そして、記事の冒頭でも述べましたが、本書を一番オススメできるのは、ASDの子供をもつ親御さんです。

社会的な支援をどのように受けていけばいいか、親としてどのように接していけばいいかなど多くの実用的なことが書いてあるように思います。

僕自身は親ではなく、子育ての感覚はあまりわからないのでご了承ください…。

読んで良かったところ

まず、目から鱗だったのが、「障害」をどう定義するか、その見方によって、「障害ではない自閉症スペクトラム」があるということ。

ここでいう「障害」は行政上の意味であり、こういったいくつかの視点を組み合わせるとASDがいくつかのグループに分けられるそう。

そしてここで本のタイトル回収。
この「障害」ではない人を含めると、なんと10人に1人がASD傾向を持つというのです。

・・・

もうひとつが、どうやら「ASDのこだわりの量には限界がある」ということ。
このことを本書では「こだわり保存の法則」として紹介しています。

理系の方はピンとくると思いますが、物理の『エネルギー保存の法則』と同じ感じです。

自分でよくないな~と思うこだわりがある場合、別の「良いこだわり」を作ってしまえば、その「よくないこだわり」が追い出されて消えるかもしれないのです。

具体的な方法は個別に考えていく必要がありますが、実生活に役立ちそうな情報でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

僕は自分に傾向があるとわかってからというもの、発達障害、特にASDについての情報を集めています。

本書はASDについて知るのにとても良い本だと思いました。興味が湧いたら手に取ってみてください。


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