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「いますぐ転職したいわけじゃないんですけど・・」

僕はエグゼクティブエージェントとしての活動の傍ら、いますぐの転職を前提としない広い意味でのキャリア相談にものる日々を過ごしています。コロナ禍以降面談がオンライン化し移動の手間が無くなったこともあり、多い月では新規で70件程の面談をさせていただくなど、本当に気軽にお声がけいただけるようになりました。嬉しい限りです。この「面談のオンライン化」はキャリアのコンサルタントという役割・サービスをより一般的で身近な存在にしていく大きな転機だったなと感じています。微力ながらもっともっと多くの方のお役に立てたらと願う毎日です。


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アポイントの決まり文句?

そんな僕の面談ですが、アポイントの際に決まり文句があります。あ、僕の決まり文句ではなく、ご相談にいらっしゃる方々の、ですね。世の中の転職エージェントが「すぐ転職しない方」に塩対応をしているから(?)なのか、、アポイントの調整段階、面談の冒頭などほぼご挨拶のタイミングで、

「すぐ転職したいってわけではないんですが良いでしょうか?」

「いま辞めたい明確な理由があるわけではないんですが・・」

「転職するかどうかは決めてはないのですけど」

といった前置きをされる方がとても多いのです。
※某サービスの定型メールの雛形でそうなっているというのは除いてますが、雛形化されるくらいそういう方が多いとも考えられますね。

そもそも冒頭で書かせていただいたとおり、僕はいますぐの転職のご支援だけをしているわけではないので、

「全然構わないですよ。むしろその状況で〇〇さんとお話できることが嬉しいです!」

とお応えするようにしています。


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「すぐ転職したいわけじゃない」に込められた想い

こうして始まるご相談ですが、内容は千差万別、当然ながらひとそれぞれに抱える不安やモヤモヤは異なりますし、そもそもモヤモヤすらしていないという方もいらっしゃいます。環境や仕事に慣れてきて刺激がなくなってきた、10年先この職場にいる感じがしない、このままの自分でいいのかわからないんですよね、「いま」不安なわけではないけどなんとなくこのままだとダメなような気もする・・・。

こうした類のモヤモヤや不安は、いま何か自分自身に大きな害を及ぼすものではないので後回しにしがち、相談する相手も職場や先輩、友人を見渡してもなかなか思い当たらないだけになんとなく気が付かないフリをしがちだったりするやっかいな問題だなと感じます。

個別の相談内容はここでは開示できませんが、面談ではこうした不安を丁寧に受け取り、そこにまつわる感情と事実を切り分けながら、心の根底に潜むモヤモヤの「タネ」の特定と言語化を行っていくのですが、この「タネ」には、結構な確率でその方の大切にしている「価値観」が含まれてきます。


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転職に踏み切るときって?

こうしてモヤモヤの「タネ」が言語化されると、大分スッキリされる方が多いのですが、そうなった後、次のような質問を受けることがあります。

「ちなみに転職するタイミングっていつ頃がいいんでしょうか?」

急にきますね。いまじゃないと言ってたのに(笑) 自分がなんで(何に)モヤモヤしていたのかが言葉に出来ると途端に前に向かって歩き出したくなる気持ちになるということなのかもしれません。モヤモヤが言語化によって一旦ニュートラルになり、次第にウズウズに変わってくる感覚でしょうか。

転職のタイミングはいつか。僕がこの問いにお答えするメッセージはいつもシンプルに概ね一つです。

「めっちゃくちゃやりたいことが出来て準備が整ったとき、もしくは現職がどうしようもないくらい嫌になったとき。オススメは前者です。」

・・・、こうして書くと自分でも驚く位当たり前のことを言ってますね。しかも結構なドヤ顔で。恥ずかしい。。

そうすると「そこまで嫌ではないんですよね」という歯切れの良い答えが返ってきます。すぐに辞める理由はないってそもそも言ってるのでそれは当然ですね。「では、『めちゃくちゃやりたいこと』『充実感に満たされること』っていまの環境にあるんでしたっけ??」と伺うと、、「・・・・・・・・いや~、、、それはあまり、、」という一転して歯切れの悪い回答になることがほとんどになります。今はそこそこ悪くない、でものめりこめることでもない。じゃあやっぱり今は転職タイミングではないのですね。「いますぐじゃない」と言っていたとおりです。


人生の正解とは

人生掛けて取り組みたいことって本気で考えたことありますか?

今期の目標とかは会社で考えさせられることも多いと思います。なんとなくそれっぽい目標を設定するものの、日常は目の前のタスクで手一杯。気が付けば今期も終了・・・何も変わらない日々。年齢”だけ”が上がっていく。成果を出している人なら役職と給与”も”あがるかもしれませんね。ドキッとした方も少なくないと思います。

そうした状態はごく一般的なのかもしれません。会社という組織が用意したルールと尺度のなかで頑張れば、会社が用意した役職というものが与えられ、以前よりよい給与が得られます。でもそれは貴方自身の人生においてどれくらいの重要度を占めているものなのでしょうか? めちゃくちゃ大事だ!と言える方は、そのまま悩まずに頑張るべきですね。ただもし、即答できない場合は、、。

大体の方は即答されません。であるからこそじっくり考えることがとても大切になります。

僕の面談後半では、「であれば先程のモヤモヤのタネの正体=大切な価値観を踏まえて、これからの人生をかけて熱く取り組みたいことについてじっくり考えてみましょう。」とお話を進めていきます。勿論、一回の面談で終わらないケースもたくさんあり、二回目三回目ととことんお話する機会を創らせていただきますが、人生かけて追及していきたいテーマが見つかってくる頃には皆さん表情や声のトーンにも変化があらわれてきます。

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ただし、テーマが見つかったからといって誰でもすぐにそのチャンスが得られるわけではありません。準備を整える必要があります。この準備、人によっては心構えだけで良い場合もありますが。人によってはスキル、知識を得る必要があったり、まずはいまのミッションで大きな成果を残しきることがその準備にあたるケースもあったりします。が、このフェーズまでくれば、あとはもうさっさと行動するのみです。モヤモヤ悩んでいるだけ人生の時間の無駄と自分自身で気が付かれています。そう、取り組みたいことに向かって人が走り出す瞬間ですね。

高画質子供外人麦

大人が輝けば子供たちの目が輝く、きっと

キャリアの支援を仕事にして早いもので18年が経ちます(2023年現在)。思い返せばこの仕事についた当初は、転職したい方が転職を成功させるためのお手伝いをしていただけでした。

でも、自分自身の人生を本当は何に費やしたいのか、自分の譲れない想いはなんなのか、ここを考え抜いて出た一つの答え。それは、「なんとなくちょっと違うかもと思いながらも、人生掛けて燃えるものが見つけられずモヤモヤとしている大人。そんな大人が自分の人生を力強く踏み出す。その一歩目の力になること」、そしてその大人たちの姿をみた「未来の時代を創っていく人=子供たちの目を輝かせること」、ここにあるのだといま感じています。

いま転職するかしないかはどうでも良いのです。大事なのは燃える何かを見つけること。そしてそれを実現するために必要なことに少しでも早く取り組むこと。

僕はここを見つけるご支援が出来たらと思っています。


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