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人気サービス”Zoom”創業者に学ぶ新規事業 立ち上げの心得

新展開

こんにちは。

転職編を書いた後、それ以外あまりネタを持ち合わせていないことに気づいたDoddleカントリーマネージャー(内定中)のあおけんです。

お友達に相談したところ、内向き・ネガティブになりがちなご時世なので、これまで15年以上ソフトウェアサービスビジネスに関わってきた土地勘を生かしてここは逆に未来を創りにかかっているテクノロジー企業、スタートアップをピックアップして紹介しながら、これから訪れるであろう新しい未来のカタチを考えてみること、そして、Doddleとしての具体的な活動の悪戦苦闘のアップデート、この2つを今後の更新の軸にしていくのがよいのでは、という話になったので、いったんその方向で書き連ねていくことにしたいと思います。

ということで、今回最初に取り上げたいのが今話題のZoomです。

5年前から使っているZoom

Zoom飲みの記事を最近よく見ますが、昔から知っている僕からしたら随分メジャーになったもんだという地下アイドル時代から応援していた推しメンを大晦日紅白で見るような思いがあります。

今をさかのぼること6年前の2014年に僕はシリコンバレーでの生活をスタートし、そこから2年間暮らすことになるのですが、その間、日本に紹介できるアプリケーションサービスがないか物色するのもひとつの仕事でした。

2014年当時、僕の上司がちょうどZoomにコンタクトを始めてて、ZoomのCEOであるEric Yuanと日本へのZoom導入について具体的な話をしていました。彼らがサービスを始めたのが2013年なので、そういう意味ではかなり早いタイミングで原石を発見していたことになります。

それから色々あったのですが、結局日本の本社側がZoomの可能性をあまり理解できず協業の話は流れてしまいましたが、もし、あの時JVを作るみたいな話になっていたら、かなり大きな商いを今頃していたかもしれません。

結局、Zoom協業は流れながらも、使い勝手がよいUXに引かれ、ビジネス版の契約をして活用をしながら5年間の海外事業をずっと裏方で支えてくれたのがこのオンラインビデオ会議サービスでした。

歴史にタラレバはありませんが、当時の上司はその時協業に後ろ向きだった役員に、最近、あんときいっとけば!、という恨み節をぶつけているとか、いないとか。w ♯時すでにおそしー

Zoom創業の想い

Zoomの本社はシリコンバレーの下のほう、サンノゼというところにあります。

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上の赤いマーク、そこがサンノゼのZoomの本社のあるところで、青い★が僕がその当時住んでいたサンタクララという町です。サンノゼには子供むけの科学博物館があって、車で20分くらいだったのでたまに息子と遊びにいってました。このあたりには、インテルとかアドビとかエヌビディアといったIT企業の本社が集まっています。無印良品のお店もありました。

(余談ですが、無印ってどこの国に行ってもあって、本当すごいグローバル企業だなと思います。)

Zoomは昨年店頭公開したのですが、その時価総額は初日に160億ドル(1.7兆円規模!)となりました。その後、今回のコロナでさらに認知が高まり、今をトキメクIT企業となったわけですが、その創業当時のEric社長のサービスを作ろうと思った動機が素敵なんですよ。(Wiki情報)

ここの社長は当時電話カンファレンスシステムでIBMと並び市場のリーダーであったCISCOの開発部門の責任者(VP)だったんですね。そこでの経験をもとに2011年に創業するんですが、その創業のきっかけは、中国にいた彼女に会いに行くのに中国国内で10時間電車に揺られていっていたようで、もっと彼女と一緒にいる(ような感覚になれる)時間を作れるような電話会議サービスをインターネットを使って作れないか、という感情からなんです。

愛です、愛。

このひとりの女性を想う気持ち、少しでも近くに感じたい、そう思ったたったひとりの男が起業し、10年後にコロナの世界を華麗にインターネットでつなぎ、今、億単位の人々の孤独を解消している。

ひとりの挑戦が世界を変えたわかりやすい例ですね。

Zoomは、2013年のローンチ後順調にユーザ数を伸ばして、昨年末、2019年12月には1日のアクティブユーザ数が1000万人になります。

しかし、コロナパンデミックが発生してその数字は激増、先月、2020年3月には1日のアクティブユーザが2億人になったようです。サービスのインフラ担当からしたら3か月でアクセス数20倍は痺れると思います。

つながりにくい、とか、プライバシーが、とか色々課題はあるとは思いますが、無料でとてつもない価値を提供していることを考えると少し大目に見てあげたいですね。

良い創業者(ファウンダー)の条件

田所雅之氏の「起業の科学」という本は、スタートアップの起業プロセスが体系的にまとまっている良書ですが、その中でよいファウンダーの条件ということで次のような記載があります。後付けで眺めてみるとZoomのEric社長が成功したのも納得がいきます。

=====引用ここから=====

スタートアップファウンダー(創業メンバー)にとって重要な要件をまとめると以下のようになる。                       1.「自分ごと」の課題を解決したいと思っている。(課題に強い共感を持っている)                             2.パラノイア(偏執病)的要素をもっている。

3.想定カスタマーと強い結びつきがある。

4.構想したい理想のUXの明確なイメージがある。

5.プロダクトマネジメントの経験がある。

6.発想が柔軟である。

特に重要なのが1番と2番だ。ファウンダー自身がカスタマーの痛みを代弁できないと良いサービスは作れないし、「Good」ではなく「Best」を提供するというパラノイア的なこだわりがないと市場の独占は到底できない。

=====引用ここまで=====

Ericは彼女との時間の充実という生物として最も差し迫った自分事の課題を持ち、それを解決するために偏執的な努力を行い、想定カスタマー(彼女もしくは自分)と強い結びつきがあり、Ciscoでのエンジニアリングの経験から明確なアウトプットイメージとそこに至るプロセスイメージを持っていた(と思われる)、そして、当時Ciscoが高額で販売していた電話会議システムを40分無料の破壊的イノベーションのカタチで提供することで一気に市場を独占し地図を塗り替える。

いかがですか?うまくハマりますよね。

新しい技術は、課題解決に執念を燃やすひとり(もしくは少数のチーム)によって命を宿され、それが世のニーズと合致したとたん瞬く間に世界に広がっていくのです。そして、社会をアップデートして、幸せの総量が増えていく。

Zoomはわかりやすい形で人と人のつながり方を再定義しました。背景を色々変えられるようなツール(頭に猫いるとか)・機能はバーチャルリアリティへ突入していくこれからの時代を暗示しています。

これまでインスタで写真を共有していたネット上のつながりは、これからは、リアルタイムでひととつながり、さらにバーチャルリアリティが加速するとみんながヘッドセットやVRメガネを装着し(コンタクトレンズかも)、じゃ、今日のバーチャル会議はメキシコのカンクンの夕日を見ながらをやろうよ、みたいなことが近い将来に実現していくと思います。

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(画像元ネタ

世の中を変えるスタートアップという集団・群を今までは別の世界で起こっていることと線を引いていましたが、今後はこの世界に無数に存在するスタートアップ側のひとりとして、その線をまたいで、Change for the better を実践できるよう歩みを進めたいと思います。

今日もここまでお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、よい一日を。

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