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【マエボン2/制作の裏側第6回】岸田奈美さんの人気の秘密

オンラインサロン「前田デザイン室」で制作されたマエボン2。
このnoteはその制作に関わったサロンメンバーたちの活動の記録を前田デザイン室公式noteのマガジンに集約していく形で公開しています。

ビッグサン(おおやまゆういち)です。「マエボン2」という前田デザイン室発行の雑誌で、岸田奈美さん企画のリーダー、編集、テキストを担当しました。

今回のnoteでは振り返り編集後記として、岸田奈美さんの人気の秘密という視点で書きます。

まずはマエボン2の企画にご協力いただいた、岸田奈美さん、「杓子の家」の宮郷厚樹さん、川添美由貴さん、コルクさん、嚴島神社さん、前田室長はじめ前田デザイン室のみなさん、本当にありがとうございました。

素晴らしい岸田奈美さん企画ができあがったと胸を張っております。

岸田さん写真表紙


マエボン2はCAMPFIREというクラウドファンディングで支援を募り、作成した本です。リンク先からマエボン2の概要がご覧になれます。


温泉の源泉のような引き出しの多さ

マエボン2の岸田さん企画は、いわゆる旅ロケ。広島・宮島への日帰り旅に同行させてもらい、インタビューする企画でした。記事の内容は、宮島に行く新幹線の中でインタビューをした内容が大半を占めています。

岸田さんはおもしろエピソードの星のもとに生まれたのか?と思うくらいにおもしろい話が温泉の源泉のようにあふれでてきます。

岸田さん写真P2

なぜそれだけのおもしろエピソードが生まれるのか?と、ぼくなりに分析してみました。

要素は2つ。岸田さんが持つ「視野の広さ」と「気遣い」です。この旅での印象的なエピソードが2つあります。

1つ目の「視野の広さ」のエピソードは、宮島に行くフェリー乗り場近くにあった宮島口駐車場の看板に気がついた岸田さん。そこには「3ナンバー・外車・泊まりの車は不可」の文字が書かれていました。

「条件が珍しいですね」と岸田さん。おー…!たしかに。ぼくも目には入っていたかもしれませんが、言われてはじめて気がつきました。ふつうは気がつかないか、流してしまうことにも岸田さんは視野の広さで気がつくできる。それがおもしろエピソードを生み出していると感じました。

さらにもう少し深掘り。なぜ岸田さんは視野の広さを持ってるのか?それは岸田さんがメモ魔ということ。

新幹線の中でインタビューをしているときに岸田さんが「え~どんなことがあったかなー…」とスマホにメモしている内容を何度も見ていました。なるほど、これかと。先日、岸田さんご自身が以下をツイートしていました。

ツイートでは、メモを取る → 日常の些細なことに気づく回数が圧倒的に増える → エッセイになる。との内容ですが、このメモが日常の些細なことに気づき、おもしろエピソードが生まれことにも活きていると思います。


2つ目の「気遣い」を感じたエピソードは、旅でのお昼ご飯のことです。マエボン2の誌面では岸田さんがかつ丼を食べている写真を掲載しています。
かつ丼は岸田さんが選ばれたのですが、これには理由があります。

というのも、お昼ご飯を食べるために入ったお店は、広島名物の牡蠣から定食まで幅広いメニューがあるお店でした。選ぼうと思えば思えば他にもあったはず。しかし岸田さんはかつ丼を選びました。

この真相は、新幹線でのインタビューで前田室長が「マエボン2を進める中で『得勝(えるかつ)』という言葉を生んでくれた人がいたんです。『失敗』の漢字をひとつずつ反対にして『得勝』。カツの写真と『得勝』の文字をあわせてマエボン2に載せようと思ってて」と話していました。

こんな何気ない会話を覚えていた岸田さん。粋な計らいでかつ丼を頼んでくれました(その場でご本人に確認しました)。岸田さんが自然におこなっている気遣いが、たくさんの人を魅了しているのだと思います。

ディズニーランドの隠れミッキーのように、マエボン2の岸田さん企画と得勝企画が、密かにつながっているという裏話でした。


事前準備の大切さ

ここからは、取材当日までの準備についてのお話です。

宮島ロケに行く前に、ぼくはできる限りの準備をしようと意気込んでいました。なんせ雑誌の編集が初めて、インタビューするのも初めてだから、内心なまらやばい。

不安を解消すべく、さまざまな本や記事を読みました。 岸田さんの記事やインタビューのWeb記事はもちろん、岸田ひろ実さん(岸田さんの母)著「ママ、死にたいなら死んでもいいよ」、そのなかのエピソードで出てきた障害者を理解する本「わたしたちのトビアス」、さらに、垣内俊哉さん(岸田さんが前職在籍されていたミライロの代表)著「バリアバリュー」を読みました。

また、宮島杓子(みやじましゃくし)の歴史を知るために、はじめて国会図書館に行きました。理由は杓子の歴史、宮島の歴史、宮島ではなぜしゃもじを杓子と呼ぶのか?の疑問を事前に解決するため。

色々な文献を見ていく中で、今回取材した「杓子の家」を開店した宮本彰通さんの「杓子の本 ー宮島には杓子がいっぱいー」本があることも知れました。

この本を見つけたときに、 不思議とぼくは「岸田さんの企画、うまくいくかも」と自信がつきました。

ぼくが国会図書館に行こうと思ったのは、田中泰延さんの本「読みたいことを、書けばいい。」に書かれている「調べるときは一次情報に当たる」を見たことから。

一次情報に当たることがいかに大切なのか、身をもって知れたのは大きかったです。国会図書館って本を借りて家に持ち帰られないんですね。そんなことも今回の企画で知ることができました。


最後に

記事をつくり上げるのは、想像の20倍大変でした。しかし、マエボン2に関わったことで、記事をつくり上げるノウハウ、みんなと一緒につくり上げるおもしろさ、たのしさを体感することができました。

特にぼくを企画に推薦してくださった前田さん。不安な旅ロケをともにしたちーちゃん。記事の編集に最後まで付き合ってくれたマエボン2副編集長の綾さん。何度も記事の壁打ちをしてくれた浅生さん。デザイン素人のぼくの意見に真摯に向き合ってくれた、はっちゃん、菅野さん、𠮷田さん。

精神的な支柱になってくれた、コンシェルジュのぶんぶん、ゆきこ、おりちゃん。校正をしてくれた編集長のもんさん、まきさん。書き起こしをしてくれた、ふうこさん、かもゆうさん、いとえりさん、池田さん。

本当に本当にありがとうございました。

旅ロケ、有休を2日間取って、2日目は密かに広島市内観光しようかなーと、ひとり画策してあきらめたのはここだけの話…

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6月1日からいよいよWeb販売と青山ブックセンターで書店販売がスタート予定です。クラウドファンディングで手に入れらなかった方はぜひ!

【Web】前田デザイン室 オンラインショップ(限定特典アリ)

【東京】青山ブックセンター本店(限定特典アリ)

【東京】代官山 蔦屋書店

【大阪】TSUTAYA BOOKSTORE 梅田MeRISE


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