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最初で最後の転職活動

◇NOTE◇
このマガジンを始めるきっかけ→
時系列ガン無視で綴るリアルストーリー(氏名は仮)

前半は当時の心境そのままに、
後半は当時を振り返る
そんな二部構成となっております。


2009.2

-メイルボックスに届いた1通の手紙。



手紙を開くと、待ち受けているのは天国か地獄か…
心を落ち着かせるのに何分かかっただろう。



『最終面接もうまくいったし、きっと大丈夫…』


ようやくハサミに手をのばした。


-辛かった最初の就職


今は公務員をしている。
お給料はいいけど、世間から嫌われる仕事。

精神的にキツい。



そんなこと、百も承知で就職したつもりだった。

だから、2年も経たずに転職を考えるなんて
夢にも思わなかった。

こんなにも弱い人間だったのか…



『ここから逃げ出したい…』


けれど、就職試験の荒波に揉まれていない
わたしに残された道は…


そう、公務員しかない。



そんな折にひょっこり出てきたのは、
大学職員の追加募集だった。


-世間を知らなすぎたわたし


一次の筆記試験の会場に着いたとき、
腰を抜かしそうになった。


中途半端な時期の募集。

それにもかかわらず、
受験者の数があまりにも多い。



『もしかしてリーマンショックの影響!?』


2008.9 アメリカで端を発したリーマンショック。

遠い遠い世界のことだと思っていたのに、
その影響をこんな形で目の当たりにするなんて…


-意地悪な面接官


昔から勉強はできる方だった。

なので一次の筆記はなんとかパスしたものの…
二次の面接官にやり込められた。




『どうせうちもすぐ辞めるんでしょ』


一般企業の面接を受け慣れた人であれば、
なんてことはないのだろう。

けれどわたしには免疫が圧倒的に不足していた。
聞かれること全てが意地悪。



これはもう詰んだな…


寒い寒い日。
肩をガックリ落とし家路に着く。




それから1週間。

最終面接の通知を受け取ったときは、

一体なんの奇跡が起きたのだろうと
驚きを隠せなかった。


-最終面接の結果は・・・?



これまでのことを走馬灯のように思い出しつつ
勇気を振り絞って開いた通知。


恐る恐る視線を落とすと、
そこには”合格”の文字が!



『これでもう大丈夫だ…』


最初で最後の転職活動はこれにて幕を閉じた。

ここからわたしの人生は、
うまく進んでいくに違いない!

そう確信した。


Now

-完璧なまでの他人軸、自己肯定感の低さ


今振り返ると…
突っ込みどころ満載な話だ。


自分にずっと嘘をついて生きてきたからだろう。
軸というものがポッキリ折れてしまっていた。



高校、大学進学においても、
親の喜ぶように学校を選んだわたし。

そう、筋金入りの他人軸人間なのだ。



合格通知を手にして安堵したのは、

・親を納得させられる職場だった
・無職になることに心底怯えていた

というのが主な理由。



その後、3回も無職の期間があることを、
当時のわたしが知ったらどんな反応を示すのだろうか。


それにしても…

公務員しか道がないって、
どれだけ視野が狭いのだろう。


自分で稼ごうというマインドが全くないですな。

(今も稼げてないやん!というツッコミは控えていただきたく。笑)


-大学職員の位置づけ


当時大学職員って、
なんというか勝ち組だったのです。

(わたしの周りしらべ)

仕事はそこそこ楽だし、お休みもしっかり取れる。
え?天国じゃない???



だから合格通知を受け取った時、

"わたしの未来はハイパー明るい!いやっふぅー!"

と本気で思っていた。
マジで。

ほんと働くことに対して夢がない…苦笑



けれど…

今ハイパーニートで過ごせているのは、
この時稼いだお金なんだなぁと思うと、ちょっと複雑…


-偏った仕事観


幼い頃に実家の家業が倒産。

そんなわたしの仕事に対する最優先は
とにもかくにも”安定”


法学部だったこともあり、
周りも公務員志望がすごく多かった。

なので大学3回生の頃、
その価値観がおかしいとは1mmも疑わなかった。


(それに加えて"HERO"に影響を受けまくっていたわたしは、検察事務官を目指していたっていうのはここだけの話)


-タイトルに偽りあり



仕事さえ変えればなんとかなる、
そんなうまい話はない。

自分が変わらなければ
ただ逃げるだけでは
また同じことが起きるのだ


逃げからは何も変わらない。
根本を変えないとね。

これが俗に言う、
”逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ…”案件





この数年後、わたしは仕事を辞める。


いくら楽な仕事とはいえ…
自分の好きを無視して働き続けることは、
どこかに歪みを生じさせるのだ。



なので、タイトルは、

最初で最後の転職活動のハズだった

が正しい。


-おまけ:意地悪な面接官の正体


嫌な嫌な面接官。


なんと最初の部署の課長(当時)だった。

その後もわたしの大学職員人生において、
絶大な影響力を及ぼすお方なのでした。



上川部長(仮)として、
これからもちょくちょく出てきます。


この春に会ってきました。元気にされていて何より!





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