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古文の面白さは気づきの多さ。4ページ読んで得た気づきの数々。

土佐日記にベタ惚れしているまと。です。ここ最近、土佐日記のことよく書いています…笑

まさか古文をこんなにも真剣に読むなんて夢にも思わなかったのですが、そうしてしまう最大の理由は気づきの多さにあります。

たった数ページ読んだだけで様々な気づきを得ています。特にユーモアに関すること。

ユーモア、端的さと例え

逸脱です。

原文
上中下かみなかしも酔ひ飽きていと怪しく潮海しほうみのほとりにてあざれあへり。

現代語訳
身分の高い者も中の者も低い者もすっかり酔っ払っているが、たいそう不思議なことに海のほとりでふざけあっている。

※「あざれ」には「魚が腐る」「ふざけあう」の意味があり、言葉の意味を掛け合わせた言葉遊びをしています。

「酔っていた」と文を閉じてもいいのにここで「あざれ」を使うあたり、酔い過ぎた人たちディスりすぎでしょ。笑

原文
ありとある上下童かみしもわらわまで酔ひしれて、一文字をだに知らぬ者しが、足は十文字に踏みてぞ遊ぶ。

現代語訳
あらゆる身分の高いものから低いもの子供まで酔っ払って、文字のーさえ知らないものが、足だけは文字の十を描くように踊り回っている

子供もお酒飲めたんだ!というツッコミはさておき、ここでも文字読めない人たちディスってる…

当時は文字の読み書きができたのは裕福なものだけと言われています。

紀貫之ひどいよ…もう少し優しくしてあげて…

ディスり上手な紀貫之ですが、観察眼とそれを言葉に落とし込む力はさすが小野小町や柿本人麻呂等と並ぶ三十六歌仙の一人でありますね。


それはひとえに

日常の出来事をどんな言葉を使えば面白く伝えられるか。

それを日頃から考え行動していたのではないでしょうか。

実際にその想いを聞くことはできませんが、そんなことをしていたのではと想像してしまいます。

物事を捉える視点。

それは現代でも同じことですね。


短さに宿る美しさ

もう一つ、土佐日記を読んでいて気づいたことがあります。古文って現代語よりも短く物事を伝えられるので、スラスラ読めれば早く読み終えられるんですよね。

おそらく当時文字を扱える人たち(文字の読み書きができたのは上流階級の人たち)の間では使う言葉が洗練されていたのではないかと想像してしまいます。

そう思うと、

無駄のない言葉で文章を描いていく
文章そのものの美しさ

という点にも意識が向いてしまいます。

僕自身は現代語訳を見ながら読み進めており、さらに気になったことを調べて読み進めているため読書スピードは亀より遅いのですが、ウサギみたいになれたらもっと沢山の気づきをより早く得られるようになるのは間違いありません。

これは頭の回転力も必要になってきそうです。

ユーモアだけでなく、文章の美しさにも頭使っていきたいです。

言語から気づく新しさ

古文は日本語ですが他言語と言っても過言ではないほど現代の日本語とは異なったものです。古文を読むことは他言語を読むことを意味します。

そんなことを思ううちに新しい発想を得ます。

若者言葉による創作文。

現代は移り変わりの激しい時代と言われるようになって久しいですが、言葉も同様激しく移り変わる時代になりました。

私たちが使っている言葉も1000年経てば古文と化する

これは間違いないと思います。

紀貫之は女性と偽って日記を書きました。その理由は平安時代当時、日記は男性が公的なものを漢字で書いていたことが挙げられます。私的な内容で心の感情を含めるような日記は男性が書くものではないという風潮があったようです。そのため女性に偽って書いたとされています。

しかし、それが日記文学の誕生となりました。

新しさは常にチャレンジの上に立っています。


これを現代に当てはめると、僕は若者言葉が考えられると思ったんですね。

未だかつて10代が使っている言葉を全面に押し出して書く文章というのをみたことがありません。

それは、日本語という型の中に当てはめなければ読み物として成り立たないという私たちの固定概念があるからだと思います。

「若者言葉で文章を書いても一般的には理解できない」を紀貫之に説いたら、「それなら私は若者になる」だと思ったんです。

今から1000年後に土佐日記ならぬ高知日記(土佐は今の高知県にあたる)が文学として残せるようにするならば、その可能性は若者言葉にあたるものではないかとそんな想像を膨らませてしまいました。

そういうならば

若者は高官に値する。


今手にしている土佐日記は全283ページ、残り278ページ。

先はまだまだ長い…


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