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3000m峰はすべてがすごかった〜北岳〜

ついに!初めての南アルプスに挑戦!!
南アルプスは初心者向けの山があまりないのかなと思っていたが、広河原登山口から白根御池を経由するルートの難易度はそれほど高くなさそうだと北岳山行を決意した。
天気とにらめっこし「ここしかない!」という日にまたしてもスケジュールをこじ開けた。
「まあ、ソロだな」と思っていたが、先日常念岳で出逢った女性が「北岳に興味ある」とおっしゃっていたのでダメ元で声をかけてみると、なんと同じタイミングで北岳山行を考えていたというではないか!
これはご縁でしかない。
スケジュールを共有し早朝の駐車場で待ち合わせた。

北岳は山梨県南アルプス市西部に位置し、標高は3,193mと日本で富士山に次ぐ高さを誇る山だ。
間ノ岳、農鳥岳と合わせて白峰三山と呼ばれている。
すべて3000m峰の山で雪に覆われる季節も長く、白く美しく聳え立つ姿からこの名がついたのだろうか。
星降る小屋で何を感じるのか、期待に胸を膨らませいざ!

*詳しく書きたかったので長文かつ写真も多めになっています。
目次で見たいところに飛んでいただけます。


ー ルート

一般的といわれる広河原登山口からルートを考えてみると
・白根御池を経由するルート
・大樺沢を経由するルート
の2つがあるようだ。しかし、大樺沢ルートは二俣まで現在通行止めとなっているので、白根御池小屋経由の1択になる。
さらに、白根御池小屋からは
・草すべり〜小太郎尾根分岐〜肩の小屋〜北岳ルート
・大樺沢二俣〜右俣〜小太郎尾根分岐〜肩の小屋〜北岳ルート
・大樺沢二俣〜左俣ルート〜八本歯のコル〜北岳ルート
の3つがあるようだ。
草すべりのルートと八本歯のルートを周回する人も多いようだが、八本歯のルートは梯子が多く個人的には八本歯が行き、草すべりが帰りの方が良さそうに感じた。まあ、実際に八本歯は通ってないのであくまで想像だが。
また、右俣経由のルートは小太郎尾根分岐から草すべりルートと合流する。
このルートは最初ゆるやかでお花畑を通るとあったがその分山行時間も草すべりルートより30分ほど長い。
今回私が選んだのは草すべりルートのピストンだ。
八本歯のルートでは北岳東面にあるバットレスという大岩壁が見られるようなので、このルートも別の機会に行ってみたいと思った。

北岳登山ルート
(黒線が私が通ったルート)

ー アクセス

広河原登山口へのアクセスについて調べたものをまとめてみようと思う。
まず、前提としてマイカー規制のため登山口までは芦安・奈良田・戸台に車を止めバスかタクシーの利用になる。
現在戸台〜広河原は台風の影響による通行止めのためアクセス不可となっており、芦安か奈良田のみとなるが芦安の方がバスの本数も多く便利だ。
時刻表と運賃はこちらのサイトを参考にされたい。

また、芦安からはバス以外に乗合タクシーというのがある。
私は事前にタクシーについて調べていなかったのでよくわからなかったが、乗合タクシーは料金も50円バスより安く予約をしている人もいたようだった。運行時間は混雑状況で変わっているようにも思う。
WEBサイトには予約についての記載がないので利用する場合は確認されたい。

<駐車場について>
私は今回市営芦安駐車場を利用した。
芦安の駐車場は第1から第8まであるようだが、第4以降はかなり遠い。
南アルプス市役所の駐車場案内図はこちら。料金は無料。
駐車場は第2がベスト。理由は、
・トイレがある
・バス、タクシーの乗車場がある
・山岳観光案内所がある
からで、実際第2駐車場から満車になり、第3→第1の順に案内される。

ー 登山口まで

9月上旬、花の季節にはちょっと遅いし紅葉にはまだ早い。
つまりピークではないし、平日なので混雑もそれほどではないだろうと予測したが、台風に見舞われなかなか思うように山に行けない8月を悶々と過ごしていた山好きは多かった。

・人気の山なので一人ぼっちはないと思った
・車中泊の方が寝る時間を確保できる
・夜中の運転の方が危ない
以上の理由から、今回も車中泊を選択。

22時少し前に市営芦安第2駐車場に到着。満車ではないけれど、平日なのにかなり埋まっていてびっくり。
中央自動車道甲府昭和ICを降りてからは明るい舗装された道でコンビニも結構あった。運転していて怖いと感じる場所はなく、40分ほどで駐車場についた。
第2駐車場はトイレもあり水洗で綺麗。電波も入る。
これまでは駐車場にトイレはあっても夜は怖くて行けなかったが、ここのトイレは明るく夜でも安心して行けた。

22時半ごろ、車内の遮光を済ませすぐに横になった。
しかし、登山口と違い標高も低いので狭く締め切った車内はまあまあ暑い。
おまけに家を出る前、仮眠したせいかなかなか寝付けない。
0時くらいに暑さも和らぎ、寝るにはちょうどよい気温になった。
車が来る音も0時を境に聞こえなくなったので満車になったのかな。

結局うだうだして2時くらいにようやく眠りについた。
睡眠を確保できるはずが1時間ちょっとくらいしか寝られなかった。
3時起床。
3時半、身支度を終えバスの様子をみつつトイレに行く。
乗合タクシーに乗る方のザックはすでに乗り場の前に置かれていたけれど、バスの方はまだ置かれてない。
ウロウロしていたら、山岳観光案内所は4時にオープンするとタクシーの運転手さんが教えてくれた。
4時前から少しバスの乗車場にザックが置かれるようになり、私もいそいそと置きに行った。ちょうどその頃、待ち合わせをした今回の相棒と会うことができた。1ヶ月以上ぶりの再会に感動!

それからどんどん人がやってきて一気にザックの列ができる。
4時半ごろかな、チケット販売が始まった。

バスのチケット購入に並ぶ人
奥のベンチにザックを置いてバス乗車の順番待ち
市営芦安第2駐車場
4時を過ぎてから案内の方が誘導してくれていた
市営芦安第2駐車場のトイレ

バスの片道は1450円で協力費300円が別途かかる。
協力費は現金のみだが、バスの運賃は乗る時に交通系のICカードも使える。
チケット代を払ってまもなく乗車開始。
私は前から10番目くらいだったので座ることができた。ザックは膝の上。
全員座ったところで立ちの乗車が始まる。
後部の人はザックを後部座席の後ろにおき、その分人が多く乗れるようにするようだった。なかなかの人数を詰め込まれたので立ちの人はちょっとしんどそうだなと思った。

バスで揺られること約1時間、広河原のバス停に到着。
エンジンの振動と揺れでちょっと気分が悪くなったが、ワクワクに心は躍る。バス停には広河原インフォメーションセンターがあり、そこでもトイレを借りた。水洗ではなかったが綺麗だった。

広河原のバス停
広河原のバス停にあるインフォメーションセンター
こちらでトイレをお借りした
期待に胸躍る真っ青な空

ー 北岳に向けのぼり開始!

6:24 まずはゲートをくぐり登山口へと向かう。
見上げれば北岳!なんだかあまり遠くないように感じた。この時は、、、

ゲートをくぐる
北岳が見える
看板には案内図があった
南アルプス北部案内図

看板を左に入ると、動画でよく見ていた大きな吊り橋がお出迎えしてくれる。歩いてみると思ったより揺れたが安定感はあるので怖くはなかった。
さあ、挑戦の旅が始まる!!

登山口へとつながる吊り橋
吊り橋を渡り終えるといよいよ登山道に入る

序盤の20分は傾斜のゆるい道をゆったりとのぼっていく。

序盤はゆるやかな傾斜の道

白根御池小屋分岐から次第にのぼりが急になっていく。

白根御池小屋分岐

傾斜はきついが道はほどよく整備されていて歩きやすい。
白根御池小屋まではハシゴや階段がちょこちょこあったが、基本は木の根っこやそれほど大きくはない石をのぼっていく。
途中、ベンチや広めのスペースがあり休憩は取りやすい。

ハシゴのような階段
休憩場所は多い
セリバシオガマ(Google調べ)
セリバシオガマがたくさん咲いていた

前半はバスを降りて一斉にのぼりスタートするため人が多かった。
渋滞するほどではなく、むしろ安心できる人の数だった。
手でガシガシのぼるわけではないが急坂をのぼるので、ストック二本使いがマストだなと感じた。少なくとも私は。

木の根っこの急坂

容赦ない急坂に次第に足が重くなる。そんなとき、天からの恵みが訪れた。
空の青が反射するように輝く山々。どんなに疲れても、この景色をみれば元気になる。まさに天然の栄養ドリンクだ。

鳳凰三山

電波が入ったのでAR山ナビというアプリをかざしてみたら、目の前のとんがりは観音岳だった。
「あれ、観音岳っていうみたいよ」
相棒に話していたら、近くにいた男性が「観音岳の左が地蔵ガ岳、右が薬師岳で、鳳凰三山だよ」と教えてくれた。
鳳凰三山!聞いたことはある!が、よくわかっていなかったので、お経を唱えるように「観音岳、地蔵ガ岳、薬師岳、鳳凰三山、、、」ぶつぶついいながら先へと進んだ。

ご褒美の後の試練

1時間半ほど急坂をのぼり続け、息も荒々しくなったころ広い休憩場所に到着。ここで休んでいる人は多かった。

ベンチもたくさんあったが人が多かったので写真は控えめ

私と相棒はがっつり休憩は取らず、ちょこちょこ休憩を頻繁に取り水分や塩分をまめに補給していたので、この休憩場所は止まらずに進んだ。
ここからようやくゆるやかなトラバースの道になる。

ゆるやかなトラバースの道
落石のあった場所
沢を渡っていたら
ヘリコプターが通過

ヘリコプターの音が何度も聞こえた。荷揚げラッシュの時間なのかな。

トラバースの道は緑で美しい

トラバースに入ってから30分、登山口から2時間20分ほどで白根御池小屋に到着!
まさに先ほどのヘリコプターから運ばれてきたような荷物がたくさんあった。

荷揚げの物資かな?
白根御池小屋

白根小池小屋で30分ほど休憩する。
小屋の前には広いスペースにベンチもたくさんあり、休憩に来た人も仮設のトイレ(100円の協力金)が利用できる上に無料で飲料水もいただける。山の上では貴重なだけにありがたい。
仮設トイレの上の方に北岳が見えていた。小屋から見るとなんだか近く感じる。

画面右側に白の仮設トイレ
逞しい山容の北岳
白根御池小屋の前には広いスペースがある
白根御池
奥にテント場もある

白根御池小屋のテント場は広々としたスペースに平らでテントも張りやすそう。しかも、池があり、北岳が見え、きっと晴れた日の夜は満天の星空が見えるに違いない。
車中泊ではなくここで1泊するのもありだな。
テントを担げる体力作りが先だけれど。。。

さあ、ゆっくり休憩をした後はいよいよ後半戦!

ー 白根御池小屋からのぼりの後半

白根御池小屋の分岐

白根御池小屋の分岐で選んだ草すべりのルートは直登と聞いてはいたが、、、

草すべりルート

見えるだろうか。写真中央、アリンコのようにのぼっている人の姿を。
「え?あそこのぼるの?」
かなりひるんだが迂回する気はまったくなく、二人うなづきあって歩を進めた。

草すべりの道はザレ場と岩の道。
近くなった太陽が真っ向から照らしてくる。
暑さで体力の消耗も早い。
後ろから鈴の音が近くなり抜いてもらうとテント泊の人だろうか、背中にでっかいザックを背負った人がサクサクのぼっていく。
かと思えば、トレランであろう人がすごい勢いで降りてくる。
とても同じ人間とは思えない。
眺めの良さがなんとか力をくれていた。

草すべりの道
空の青が近い

草すべりの由来について調べてみると

シナノキンバイ、クルマユリ、イブキトラノオなどの高山植物が茂り、草を滑るような状態だったことから名前が付いたらしい。今は裸地が増えて見る影もない。雪崩の通り道でもあり、過去に何回か大規模なものが発生している。1999年春先の雪崩は、白根御池小屋を押しつぶし、小屋前にできたデブリが高さ数メートルになった。冬の登山はこのコースを使わない。

南アルプスNET

と、あった。
途中大きな石や岩もあり険しさは上がるほどに大きくなっていく。
またしても牛歩。ちょっと進んでは立ち止まる。

大きな石の道をのぼれど
のぼれど

まだつかない。

まだまだのぼる

そして、ようやく終わりを予期する階段というかハシゴをのぼると、、、

長いハシゴをのぼり切ると
小太郎尾根分岐

ようやく小太郎尾根分岐に到着!
草すべりは本当にきつかった。白根御池小屋までも結構きついと思っていたけれど比じゃないくらいきつかった。

ここで初めて南アルプスの貴公子、甲斐駒ヶ岳が顔を出す。
他にも仙丈ヶ岳、中央アルプスまでくっきりと見えていた。

奥が甲斐駒ヶ岳
手前が小太郎山

なんと美しい山容なのか!
こんなにも近くで甲斐駒ヶ岳をみたのは初めてだったので、その美しさに息を呑んだ。
小太郎尾根分岐はとても広く、眺望も素晴らしかったので、
「もう、ここをゴールにしない?」と、おろした腰がなかなかあげられなかった。
そういいながらも甲斐駒ヶ岳から振り向くと、奥に宿泊先の肩の小屋が見えた。

赤い矢印が肩の小屋

「見えた〜!!」と感動するも右に目をやると、、

肩の小屋までののぼり

稜線の先にすんごいのぼりが待ち受けていた。
なんだろう、この光景。デジャブのように何度も出てくる。
でもあの先が北岳か!いよいよきたなあとやっと思えた瞬間だった。
もう一踏ん張り!と、またまた重い腰を上げ岩の急坂をめざして進む。
右手には仙丈ヶ岳がどんと腰をおろしていた。優美な姿は女王の名にふさわしい。

仙丈ヶ岳

そして、見えていた岩の急坂がこちら。

肩の小屋までの最後ののぼり

いや、なかなかな岩のぼりよね。
近くて遠い肩の小屋、、、
最後の岩を乗り越えついに!

肩の小屋

白根御池小屋から3時間15分、肩の小屋に到着!
背中に北岳を堂々と背負っている姿はなんと逞しいことか!

いや〜、きつかった。後半は高度も高いので呼吸も小刻みになり、久しぶりに酸素が薄いのを感じた。

記念写真スポット

まずはチェックインをし荷物をおろした。
そして、「ついたらおでん」を合言葉のごとくのぼってきたので、おなかはおでんを受け入れる体制がバッチリだった。

念願のおでん

程よい塩っけとおでんの出汁が疲れた体に沁み渡る。
肩の小屋までで広河原の登山口からおおよそ1500m標高をあげた。
これはザックを背負っての山行ではこれまででもっとも高い標高だった。
しんどいはずだ。
おでんで体力は復活!1時間ほどの休憩を経て、ついにクライマックスへ。

ー 肩の小屋からてっぺんをめざす

荷物はアタックザックで軽くし、いよいよてっぺんにアタック開始。

北岳てっぺんへ向けて

常念岳の時は常念小屋からてっぺんまで標高差が約400mあったけれど、肩の小屋から北岳のてっぺんまでの標高差は約200m。
まあ、そこまでキツくはないだろうとのぼり始める。

まず最初のピーク。流石にあれがてっぺんな訳はないから、目の前の岩山の裏あたりかな、なんて思いながらのぼると、、、

最初のピーク

心許ない標識みたいなものがあった。すると、

次のピーク

あれ?さっき見た光景と同じような。。。
またしてもデジャブの到来。
徐々に岩も険しくなり手で掴んでのぼるシーンもあった。

岩のぼり

二つ目のピークがてっぺんかと思い必死にのぼると、

3つ目のピーク

もっと先の方にピークを発見。
肩の小屋にもなかなかつかなかったが、てっぺんにもなかなかつかない。
そして3つ目のピークに辿り着いたら!

3つ目のピーク

あ、やっと見えた!!あれこそが本当のてっぺんだ!
しかし、まだちょっと距離がある。

息も絶え絶えしつつ肩の小屋からのぼること42分。
ついについに!北岳てっぺんに到着!!

北岳てっぺん

360度の大展望。3193m、圧巻の高さだ。
2000m級の山々を見下ろすなんて北岳の偉大さを痛烈に感じた。

間ノ岳に続く稜線
下に見える小屋は北岳山荘
甲斐駒ヶ岳
鳳凰三山
イワキキョウかな
甲斐駒ヶ岳と!

てっぺんは広く長い。ゆえにいる場所で見える景色も変わる。
北岳はゴツゴツしていて逞しく、堂々とした風格で周りの山々を見守っている、そんな印象を受けた。
周りに兄貴と慕われているような気さえした。
北岳はのぼり始めから見えてはいたが、てっぺんは最後の稜線に出るまでは見えてないように思う。北岳の全貌はきっと仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳のてっぺんから愉しめるに違いない。

てっぺんで本当はカップラーメンと珈琲!と行きたかったのだが、今回は私にとってはハードな山行になると予想し、荷物は重くしたくなかったのでガスは諦めた。
なのでただただ景色を眺め写真を撮るに没頭した。
40分ほどてっぺんを満喫し小屋へ戻った。

肩の小屋

ー 肩の小屋に宿泊

肩の小屋は2022年の秋に改装されたそう。
明るい木の温もりたっぷりの綺麗な小屋だ。

まだ真新しい木の小屋
女性と男性とできる限り分けてくださっている
私の寝床
今回は2階だった
布団と毛布、シュラフ、枕が準備されている
シュラフにはインナーシーツ、枕には手ぬぐいをかけて使用
食堂

お疲れビール!といきたかったが、疲れと睡眠不足と高山が相まって少しだるく頭が重く肩こりもあったのでビールはやめておいた。
片付けを済ませて、ゴロゴロしながら夕食をまった。
17時夕食。名物と言われる豚ロースのステーキ。

豚ロースのステーキ

ステーキというと分厚い肉を想像するが分厚いわけではない。しかし、ひとつ一つ火にかけてあり熱々なのだ。
他に、ご飯、お味噌汁、お漬物をいただき満腹!
3000mの山小屋でこんな料理が食べれるのは幸せとしかいいようがない。
夕食後、部屋の片付けを済ませ日の入りを見にいった。
雲が湧き出ていて太陽が沈む光景は見れなかったが、幻想的な風景にまたもや心を奪われた。

雲海が広がっていく

寝不足だったので19時を回るとすでに眠く早々に眠りに落ちた。

足スッキリシート「休息時間」をふくらはぎと太ももに貼って寝た。
ジンジンして効いている感じがした。

ー 二日目の朝

0時前一度目が覚めたが再び眠りに落ちる。
2時半ごろから出発する人たちの動きがいくつかあった。
うとうとしながら3時半起床。
着替えだけして星を見に行った。
天気が良い予報だったのでかなり迷った。美しい星を撮るには星用の明るいレンズと三脚がマストだ。しかしそれを持っていく体力に自信がなかった。なので星は撮れなかったが、感動的な星空に出逢えたので十分!
もっと体力筋力をつけててっぺんで星を撮りたい!

明け方の北岳
手持ちの限界、、、

しかし寒い。ロングのダウンを持っていったが、それでも30分もいるとかなり冷える。
部屋に一旦戻り、身支度を済ませて再び外へ日の出を見にいった。
広がる雲海と雲海から顔をだす太陽。
徐々に色を変える空。
雲海に浮かぶ山々。
11年前にのぼった富士山てっぺん以来の感動がそこにはあった。
1時間ちょっと寒い寒いと言いながらもシャッターは止まらなかった。

雲海に浮かぶ八ヶ岳
グラデーションが美しい中央アルプス
雲海の中から現れる太陽
北岳と富士山
テント場と甲斐駒ヶ岳
奥に八ヶ岳
浮かび上がる雲海

はあ、これだから山のぼりはやめられない!
何時間でも眺めていたい光景。
どんなにしんどくても、こうして素晴らしいご褒美をくれる自然界に自分は何か恩返しができるだろうか。

日の出が5:20
朝食は5時から。朝食は食べたかったが食べているとゆっくり日の出を堪能できない。お弁当にしてよかった。
本当は外で景色を眺めながらの朝食もいいなと思ったが、寒さで余裕もなく自炊室で静かにいただいた。
豪華でとてもおいしかった。

豪華なお弁当とありがたい野菜ジュース

ー 下山開始

6:30 北岳に別れを告げ小屋を出発。
白根小池小屋までは岩とザレ場が多くすべりやすいので注意が必要。
天気に恵まれ、日が当たるので先ほどまで寒かったのが嘘のように一気に暑くなった。
日焼け対策万全で下山した。
二日目は土曜日かつ天気もよかったので、のぼりの人が多いだろうと予測したがその通り。
かなりのすれ違いがあった。
それにしても随分早い。白根小池小屋に宿泊してのぼってきているのか?
いや、健脚な人なら私たちの半分くらいの時間でのぼってくるのか。
そんなことを考えながら降りていく。
のぼりは3時間14分かけてのぼってきた道をくだりは1時間44分で降りた。
激しい段差はてっぺん近くだけであとはそこまで段差もないので降りるのも早い。
でも暑かったので水をグビグビ飲み、それでも足らず白根小池小屋で水の補給とリンゴジュースを飲んだ。
隣にいた人がアイスを食べていてアイスも美味しそうだった。

天然のクーラーボックス!
疲れた体に沁みるリンゴジュース

白根小池小屋で30分ほど休憩し最後のくだりへと向かった。
ピストンだったので写真は撮らずにくだりに専念。
白根小池小屋からしばらくはゆるい道をくだり、そこからまた急坂をくだる。
前半で太ももを酷使していたので、徐々に太ももに疲れを感じる。
それでも白根小池小屋から2時間かからずに登山口まで下山。

当初は12時のバスに乗る予定だったが、土曜日だったので11時のバスもあった。
11時のバスに間に合いそう!
10時半下山!休憩を挟んで肩の小屋から4時間で降りてこられた。
すると乗合タクシーの運転手さんに声をかけられた。
「人が集まったらすぐ出るから」と言われタクシーで帰ることにした。
料金は1400円と協力金が300円でバスより50円安い。
次々と下山してくる人がいたのであっという間に満車になった。
行きのバスでちょっと具合が悪くなったので、サポートタイツを脱ぎおなか周りをゆるくして乗車。
荷物はトランクだし立ちの人はいないし、とても快適だった。
まあまあ勢いよく運転されるのでやはりちょっと具合悪くはなったが、45分で到着し想像よりずっと早く駐車場に到着できた。
身支度を済ませ12時ちょっと前に出発。
駐車場は第5駐車場まで満車だった。

ー 北岳にのぼってみて

北岳はさすが日本で2番目に高い山とあって、てっぺんからの景色が圧巻だった。雲海に浮かぶ山々の神々しさは、これまでにみたてっぺんからの景色とは違って見えた。
しんどかったけれど、難しい箇所はなく体力があれば初心者でものぼれると思った。
しかし、翌日の朝は見事に筋肉痛だった。

常念岳と山行の印象が似ているように思ったのでちょっと比較をしてみた。

<常念岳との比較>
どちらも序盤ゆるやかにスタート。20〜30分で急坂が始まり、のぼるほどに険しくなった。
常念岳は胸突八丁からがキツいと聞くがそれより前からキツかったように、北岳も草すべりからがキツいと聞くがそれまでも十分キツかった。しかし、白根小池小屋手前はゆるやかなのでそこは常念岳にはなかったかな。
また、常念岳は休むところがあまりなかったけれど、北岳は休める箇所がたくさんあった。
どちらもてっぺん手前に小屋があり荷物をデポしてのぼれるが、そこそこ距離も標高差もありキツかったのも似ている。
それでも常念岳より北岳の方が私にはキツく感じたのは、
・標高が3000mを超える
・全体の標高差も多い
・小屋までが北岳の方が長いので、その分重いザックを背負っている時間が長い
なので似ているなと思ったけれど、やはり北岳の方がしんどさは大きかったかな。
あくまで私の感想ですが。

なかなかアルプスに行けなかったので、本当に嬉しかった。
今度北岳に来るときは白峰三山を縦走したい!


<二日間>
距離:10.9km
累積標高(のぼり/くだり):1791m/1792m
タイム:初日9時間3分(休憩1時間45分含む)
    二日目4時間3分(休憩22分含む)






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