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夏を前に災害対策

6月30日は「年の臍」とも呼ばれ、一年のちょうど真ん中となり半期の折り返しの日になります。各地の神社では「夏越の祓」という神事が行われる。「水無月の夏越の祓する人は千歳の命延ぶというなり」とされ神社にある「茅の輪」をくぐれば無病息災につながると言われています。この時期の無病息災を願うのは、一年の折り返しというだけの理由ではなく、これから夏を迎え様々な災害に備えるという意味もあったのではないかと言われています。今年は元旦に発生した能登地震もあり、いつもより災害に対して敏感になっている方も多いのではないでしょうか。これから台風の季節を迎えるということもあるので災害について少しだけ学んでいきたいと思います。

自然災害と日本

日本の国土の面積は全世界のたった0.29%しかないにもかかわらず、全世界の活火山の7.1%が日本にあることから、世界で起きたマグニチュード6以上の地震の18.5%が日本で起きています。また、全世界の災害で受けた被害金額の17.5%が日本となっていることから分かるように、日本は世界でも災害の割合が高い国となっています。日本はおおむね温帯に位置し、春夏秋冬のいわゆる四季が明瞭に現れることから四季の様々な気象現象として起こる台風、大雨、大雪などが時には甚大な被害をもたらすことがあります。
 春から夏への季節の変わり目に梅雨前線が日本付近に停滞することから多量の降雨をもたらしたり、夏から秋にかけて熱帯域から北上してくる台風は、日本付近の天気に大きな影響を及ぼし、毎年数個の台風が接近(年平均10.8個)し前線の活動が活発となって大雨を降らせたりします。冬は、日本海側の地域に世界でもまれに見る大量の降雪・積雪もあるなど年間を通して様々な災害も多発しています。

ハード・ソフト一体となった防災対策の推進

激甚化・頻発化する自然災害に対応するためにこれまで着実に防災・減災インフラの整備等が進められ、維持管理がなされてきました。そのために、昔なら大規模な災害が発生していたと思われる大雨や地震等であっても、防災・減災インフラの整備等によって災害発生が防止・軽減された地域も多々存在します。また、このように災害が起りやすかった地域の安全度向上に伴って、都市部では新たな住宅開発が行われ、また、周辺部においては工場のための土地開発が進められるなど、国内全体で土地利用の高度化が図られ、生産性の向上に寄与したことが、日本の経済発展につながってきたと思います。これらのハード面の整備が進むにつれ、適切な管理を行わなければ、施設の老朽化や空き家の増加といった課題が生じてきます。また、国民の大多数が防災・減災インフラ整のインフラ整備によって自然災害を直接経験することが少なくなることから、自然災害が遠い存在となった側面があります。「自分は大丈夫」「自分の住む地域で災害は起きない」など、自然災害を自らのことと捉えられず、又は災害が発生するまで適切な防災行動を取る必要性を実感できない国民が増加している面も否定できない事実です。

まとめ

近年、激甚化、頻発化する自然災害から国民の安全・安心を守るためには、今後も防災・減災インフラの整備等を着実に進め、維持管理や老朽化対策の適切な実施、デジタル技術を活用した線状降水帯や台風の予測精度の向上などがハード面の整備だけではなく、地域における総合的な防災・減災対策を確実なものとするために、ハード・ソフトを対策を組み合わせることで被害を最小化する「減災」の考え方を徹底するたの、防災教育や防災訓練といったソフト対策の取組についても、改めて強化していくことが求められています。

おまけ

年の臍を過ぎると最初にやってくるのは台風シーズン。少し前に避難所運営ゲーム「HUG」というものの説明を聞く機会があったが、近いうちに何人かで実際に体験させていただこうと思う。その前に大雨などの災害がなければいいが…。防災関連でもう一つ「防災ラジオ」の一部地域で無料の貸し出しを水戸市では行っているが、我が家は区域外のため有料になってしまう。災害時の情報伝達にラジオは優れているのは間違いないので、できれば全戸対象になるようにしていただければ安心も高まる。

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