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【最12話】誕生日✖️算数🟰意外な結果

やっぱりまだ算数は好きになれない。

T先生は身近に潜んでいる算数のことをたくさん教えてくれたけど、
自分では見つけることができない。

T先生はいつもそうだ。
なんか算数の面白さを
のほほんと語ってくる。

そのオーラに負けて、好きになりかけてしまうが、
やっぱり一人ではどうしようも太刀打ちできない。

昔は算数が苦手だったなんて想像がつかないけど、ほんとなんかな?


こう「今日もなんか算数の話ないかなぁ。」

りん「そういえば、同じクラスのAちゃんとBちゃんが同じ誕生日だったよ。
すごいよね。」

T「お、それは算数の目で見るとおもしろいよ。」

ほら出た。
なんでも算数に変えてしまう。

この前、僕のお母さんがパスタを作るとき、
間違えて麺に思いっきりウスターソースをかけてしまい、
焼きそばになってしまったことがあった。

麺にウスターソースをかければ、なんでも焼きそばになる。

T先生は、なんでも算数に変えてしまう、ウスターソースみたいな人だ。

ウスターソースは引き続き話を続けた。

T「どのくらい珍しいんだろうね?」

こう「ウスター、、T先生は答え知ってるの?」

T「うん、知ってるよ。
でも、感覚でいいから想像してみて?
あ、その前にクラスは何人いるんだっけ?」

りん・こう「23人!」

T「お、めちゃめちゃいいね!」

りん「なにが??」

T「それは後でのお楽しみ。
2人とも確率は習った?」

こう「知ってるよ。
2人でじゃんけんをしたとき、勝つ確率は$${1/3}$$やね。」

確率が$${1/3}$$とは、3回に1回の割合でじゃんけんに勝てるということだ。

習ってないけど、プロ野球を観るから知ってる。

野球では、3回打席に入って、1回ヒットを打てば、
3打数1安打といい、

打率が$${1/3}$$、
つまり、0.333、
つまり3割3分3厘になる。


りん「サイコロで、1が出る確率は$${1/6}$$!」

T「2人とも6年生の内容なのによく知ってるね!
じゃあ、同じクラスに、同じ誕生日の人が2人いる確率って、だいたいどのくらいだろう?」

こう「1年間って365日やもんなぁ。
366人クラスなら絶対1人は一緒やろうけど!」

りん「23人やから、誕生日一緒になるって、やっぱりめっちゃ珍しくない?」

こう「隕石に当たるくらいレア。」

T「よし、じゃあ23人のクラスで同じ誕生日の2人がおったら成功、
いなかったら失敗としよか。」

こう「じゃあ、早速成功する確率を求めていこう。」

T「でもな、それやとうまくいかんねん。」

え、求められるの?求められないの?
どっちなの?

T「押してダメなら引いてみろって言葉あるやろ?
数学でも、足してダメなら、引いてみたらええねん。」



出た、名言みたいな迷言。


りん「何を引くの?」

T「今回は失敗する確率を求めた方が早いねん。」

こう「ということは、全員が違う誕生日になる確率を求めたらいいんやね。」

T「そういうこと!」

りん「1人目の誕生日は365日のうちどこでもいいね。」

こう「2人目は、365日のうち1人目の誕生日以外なら、どの日でもいい。」

りん「2人目まで誕生日が被らない確率は、$${364/365}$$」

こう「ほぼ100%やん。2人やったら、絶対に失敗する。」

りん「3人目まで考えると、3人目が被らない確率は、365日のうち1人目とも2人目とも被らなければいいから、$${363/365}$$。」

こう「これも、ほぼ100%やん!」

りん「この$${364/365}$$と$${363/365}$$をどうすればいいんやっけ?」

T「この場合は、✖️をしたらいいよ。」

りん「3人で失敗する確率は、$${364/365✖️ 363/365}$$、、、」

こう「こんなん計算できない!
でも、ほぼ100%とほぼ100%やから、
失敗する確率はほぼ100%じゃない?」

T「いい考えやね。」

りん「これを、23人目まで計算したらいいってこと?」

T「そうだね。」

こう「23人目は、前の22人と違う誕生日だったら失敗だから、失敗する可能性は、$${343/365}$$。」

りん「これもほぼ100%じゃない?」

こう「$${364/365✖️ 363/365✖️(省略)✖️ 343/365}$$。
T先生これを計算してみて!」

T「OK!それは任せて!
パソコンに計算させるわ。」

こう「こんなん90%(0.9)くらいにしかならんのちゃう?」

りん「そんなもんちゃう?
私は99%(0.99)くらいやと思ったけど!」

こう「どっちにせよ、同じクラスに同じ誕生日の人は、ほぼいないってことで決まりやな!」

T「ほい、お待たせ!計算できたよ。
同じクラスに、同じ誕生日の人がいない確率は、、、


0.493!」


え、どういうこと?
またT先生の魔法にかかった。
予想と全然違うやん。

りん「え、49%しかないの??」

T「ということは、23人のクラスで同じ誕生日の2人がいる確率は?」

こう「51%もあるんや!
え、半分以上もあるの?」

りん「全然珍しくないね。」

T「ちなみに、40人クラスだと、同じクラスに同じ誕生日の人がいる確率は、89%になるよ。」

りん「もうほぼ確実ににおるやん。」

こう「予想と全然違うんやね。」

T「だからこそ、この確率というのは、算数の授業を通して、
今後もしっかり考えていく必要があるってことやね。」


感覚と実際の数値が違うなら、
騙されたりしないよう、
勉強していく意味はありそうだ。

同じクラスに、
同じ誕生日の人がいる確率がこんなに高いなんて、
信じられないなぁ…

誕生日はやっぱりうれしい。
なんか特別な日の気分だ。

担任の先生は44歳になったらしいが、
もう誕生日を迎えてもうれしくないと言っていた。

しかも、30歳を超えたら、自分が31歳なのか32歳なのかわからなくなる。
そして、40歳を超えたら、自分が何歳なのかわからなくなると言っていたが、
それも全然信じられないなぁ…

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