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やさしく学ぶ統計学~円グラフと帯グラフ~

みなさんこんにちは。和からの数学講師の伊藤です。前回の記事では、データの可視化に関連して、棒グラフ折れ線グラフに関してお話しました。

今回は、データの内訳を表現する際に有用な、円グラフ帯グラフについて見ていきましょう。

この記事の主な内容

1. 円グラフ

データのそれぞれの項目が全体に占める割合を可視化する際に有効なグラフが、円グラフと呼ばれるものです。今回は、次のようなデータを見てみましょう。

ある学校の生徒に対して、好きな教科を聞いたアンケートの結果です。それぞれの教科の内訳を円グラフで表現すると、次のようになります。

「数学が好きな人が最も多く、割合は30%を超えている」、「国語が好きな人は少ない」といった特徴が見て取れます。内訳の大きさをみる際には、円グラフは非常に効果的です。

2. 帯グラフ

帯グラフは棒グラフと似ていますが、横軸を100%に固定して、データの内訳を表現するという使い方が一般的です。たとえば、先ほどの好きな教科のアンケートと同時に、嫌いな教科のアンケートも同時にとっていたとします。

このデータを、先ほどのデータと合わせて帯グラフで表現すると、次のようになります。

グラフから、「数学が好きな人の割合が最も高いものの、数学が嫌いな人の割合も最も多い」などの情報が読み取れます。

このように、帯グラフは複数のデータ同士の内訳を比較することが得意なグラフです。複数のデータの可視化には、円グラフよりも帯グラフの方が優れていると言えます。

一方で、1つのデータの中で内訳の大きさを比べるという点では、円グラフの方が視覚的に伝わりやすいと言えます。前回もお話したように、用途に応じて適切なグラフを選択していきましょう。

3. 円グラフ・帯グラフの注意点

円グラフや帯グラフでは、データの内訳はパーセンテージで表現されますが、その際には、グラフの中にデータの個数を記載しておくことが推奨されます。

たとえば、次のようなデータを考えましょう。

このデータをもとに描いた円グラフは、次のようになります。

内訳は表現されていますが、そもそもデータが9個しかありません。サンプルが少ないため、このグラフを読み取っただけでは全体の傾向を把握できたとは言えず、判断を保留する必要がありそうです。

全体でいくつのデータがあったのかが記載されていない場合は、円グラフの見た目だけで判断してしまいがちです。内訳に関するグラフを読み取る際や作成する際には、いくつデータがあったのかという点に注意して見ていくと、データの解釈を誤ることも減らせるかもしれません。

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