算数障害と数の理解~数同士の関係性を学ぶ方法~
「掛け算の計算方法はわかるけど、掛け算の意味がわからない。自分は算数障害かもしれない…」
和からにもこのようなご相談をいただきます。
今回は、実際に授業でおこなった「数同士の関係性の学び方」について、まとめてみましたのでぜひご覧ください。
1.《数の理解とは》
算数障害を持つ方々にとって、数の概念は難しいものです。
例えば、「1と2の違い」について、「犬と猫の違いのように別々のものである」とだけ解釈している場合があります。数同士の関係性のお話をすると、「1は2より1小さい。2は1より1大きい」、「1は2の半分であり、2は1の2倍である」という数同士の関係性がありますが、これらを把握することが難しい場合があります。
では、このような場合どのような方法が解決策となり得るでしょうか?
実際に授業で実施した内容をご紹介します。
2.《線分図や図形を使った実践的学習》
お客様に正方形を1つ描いてもらいます。
次に、「今描いた正方形の2倍の大きさの正方形を描いてください」と口頭でお願いしたところ、
お客様は、2つ目に描く正方形の大きさをどれ位にしたら良いのか困惑してしまいました。
実際に、2倍の正方形を描こうとすると正確に描くのは難しいと思いますが、
「最初に描いた正方形2個分の大きさを正方形を描く」、「2個目に描いた正方形の中には、最初に描いた正方形が2個入る」と伝えると多少のやり直しがあっても数の関係性について「自分事」として捉えチャレンジすることに成功しました。
※最初は、正方形より線分図を使い、”長さ”を把握する方法がやり易いと思います。次に四角形など図形を使た大きさ”面積”を使って実践すると「言葉、数字、単位の概念理解」を助けてくれます。
ここで、重要なポイントを2つご紹介します。
①解説を見聞きしている時は、「大丈夫」、「理解した」と言っていても(思っていても)、実際に自分でやろうとすると難しい。
②言葉の意味理解が抜け落ちているところがあり、1回では達成が難しい。
対処方法として、最初は簡単な数同士の関係性(1と3、4と8など)を図を使って何度も繰り返し実践します。徐々に難易度を上げていきます。数を大きくしたり小数を使って小さくしたり、ピッタリ入らない数同士の関係性(3と7など)はかなり難しくなります。しかし、この時には2つの数の関係性について考え出すことが出来ます。
ゆっくりじっくり進めていきましょう。
和からでは、「掛け算がわらない」、「大人なのに割り算が理解出来ていない」等、相談する相手がいないような悩みをお持ちの方向けに、無料の個別カウンセリングも実施しております。お気軽にお申し込みください。
(文/西原)
「和からの個別指導」では、どんなに苦手な方でも自分のペースで学ぶことができます。
算数から苦手意識を克服したい方など、ご興味があれば一度無料カウンセリングでご相談ください!