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vol.32 子供たちへの思い「根っこがわかると楽になる」食の探求そして移住、パートナーと築く新しい暮らしのかたち 4回/全4回

みなさん、こんにちは。「マタニティを飛躍の機会に」。マタニティリープです。このマガジンでは毎週木曜日にメインコンテンツとして、マタニティ期、子育て期の経験とリープについて伺ったインタビュー記事を連載しています。今回は日々の暮らしを丁寧に優しく楽しくするHACHINAの木村陽子さんのインタビューの第4回(全4回)です。読んでいただいて、共感したり、元気になったり、癒されたりと、みなさんの力となる記事になれたら嬉しいです。


▪️マタニティリープインタビュー 木村陽子さん

〜木村陽子さんのマタニティリープジャーニー〜(第4回/全4回)

現在、木村陽子さんには20歳と15歳の13歳、3人の子供がいる。昨年、東京から函南に移住し、パートナーと2人の子供と共に暮らしている。「食を通して子供と家族を守る」を人生の中心に置き、栄養士として、母親として学び、実践を続けてきた陽子さん。今、長年描いてきた夢が実現しつつあります。三人の子育てを通して何を学び、今、何を思うのか。第4回目の今回は函南への移住と暮らし、子育てについて思うことを伺いました。

<第一回"子供から見てあげたいと小児栄養の道へ"はこちら>
<第二回"マクロビとの出会い、つながりを支えに"はこちら>
<第三回"いつかやりたいと思っていたことに少しづつ"はこちら>

家のリフォーム(土壁)完成!の記念撮影 
たくさんの繫がりに感謝

流れをつかみタイミングが来た函南への移住

ーー今、パートナーの方とも一緒に住んでいらっしゃると思います。そのあたりの経緯も聞いてもいいですか?
陽子 本当に流れ、偶然です。子供たちに自然遊びをさせたい、自然の中で過ごすのも大事だなと思って、イベントに行ったときに、そこに彼がいた、そういう感じで出会いました。

ーーだんだんと一緒に住もうかという感じになっていった?
陽子 そうですね。引っ越すならそうしようか、そういう場所があったらね、という感じでした。子供たちが大事だったので、引っ越しがなければ、あのままずっと子供たちが巣立つまではこの状態のままで、別に暮らして、老後を一緒にということになったかもしれません。必ず一緒に住もうと思っていたわけではありませんでした。

ーーお二人で新しい暮らしをこうしたいという方向性はあったのですか?
陽子 特にそういう話をしてないんです。ずっと新興住宅のこの家に一生いるということはないよね、という思いだけはありましたが、どのタイミングで、いつなのかというのは、決めていた訳ではなかったです。でも、子供たちの年齢的に今探してもいいかもとなって、探してみました。見つからなかったら、きっと流れじゃないから今ではないんだね、というぐらいの感覚だったのですが、たまたまここ(函南の家)が見つかりました。意気込んでこの場所探して、すごくこだわって家を建てたみたいに思われる方が多いんですけど、全体的にそういう感じではないんです(笑)

お天気のいい日はお庭でランチ

いろいろな小さな思いの集大成

ーーパートナーとお子さんたちと住んでみて、今どうですか。
陽子 一つ一つが今までの集大成のように感じています。今まで、こういうふうにやっていきたいなという、いろいろな小さい思いがあって、自分の経験値も上がってきて、こうして一つ一つを形にできるようになってきたという感じがあります。今まで手探りでいろいろなことをやってきましたが、今はそれを少しずつまとめていく時期に来てるな、折り返してきてるかなという感じがあります。

ーーパートナーとお子さんとの関係はどんな感じなんですか?
陽子 すごく仲良いですね。やはり、私だけでは心細いところも彼が頼りになるのでね。子供達がとても落ち着いてくれますね。お母さんだけだと大丈夫?みたいな不安もやはりあると思いますが、その辺がね、とても安心してきて、よかったなと思います。

一人でやる癖が抜けてきた、一人でやらなくていい

ーーようこさんにとって、パートナーの方はどういう存在ですか?
陽子 今まで結構、感覚的に生きてきて、なかなか人から理解してもらえないことが多かったんですね。子供の頃からすごく親にかわいがられて育ってきていますが、親から見て”なんであなたはそういう行動をとるの?”みたいなことが結構ありました。私の中では順序立てて考えて、納得しながらやっているのですが、あまりそれを親に相談をしないできたので、突然こんな行動をとるこの子は、というようなことが多かったんです。それから段々と、理解してもらおうと思わなくなっていたのですが、彼は私が感覚で言っている、ということを一番理解してくれているので、楽というか安心というか、いろいろ気にしないで相談できるというのはあります。そういうのを気にせずに相談できる、話せるというのは私の中で非常に大きいです。ずっと一人でやってきてると、癖がついちゃうんですよね、一人でやる癖というのが、それが段々なくなってきた。一人でやらなくていい、肩の力が抜けてきてるというのは思いますね。

ーーそういう方に出会えたというのは大きいですね。
陽子 そうですね。ある意味波乱万丈にやってきたからこそ出会った、これがあと五年早かったりしたら出会っていても、こういうふうにはならなかったかもしれません。やはり時期というかタイミングも良かったのかなと思います。

娘が作ってくれる天然酵母パン

一番守ってもらったのはわたし

ーーお話を聞いていると、子供を守りたいっていう気持ち、家族を守りたいというのが、陽子さんの中心にあったんですね。
陽子 そうですね。そうやってきたんですけど、一番守ってもらって楽しませてもらったのは実は私だったと思います。

ーー自分が一番守ってもらって楽しませてもらったというのは?
陽子 子供が物理的に自分の手から離れていくときに、それでも守っていきたいという思いがあって、どうしたらいいのかと、食を突き詰めてきましたが、結局それで私が守ってもらったと思います。子供達が私の手から離れて、自分たちで生きていくようになっても、やっぱり戻ってくる場所はここです。子供達が何かあればここに戻ってこれると思うようになったというのは、私自身がやはり一番安心だし、嬉しいことです。特に長男は、いろいろなことを一緒に戦ってきてくれた戦友のように思います。今、一人暮らしをしている長男が実家がここ(函南)に移っても、楽しんでここに戻って来てくれるっていうのはありがたいなと思います。

家が錨(いかり)をおろす場所、羽を休める場所にしてあげたい思いがあり、そこも食という力に助けられました。また、食で心身の基礎が整い、自分を守れるようになれると、私も落ち着いて子どもたちをみていられるので、親として少し楽になりました。

バレンタインのチョコナッツタルト
乳製品不使用で全粒粉生地の負担が少ない優しいタルト

親がしてやれることっていうのは本当に少ない

ーー妊娠、出産、育児の中で他に何か印象に残っていることはありますか?
陽子 結局、お腹の中にいるときから性格って決まっている、ということを感じます。三人の子供達の生まれ方とかお腹の中にいる状態とか、本当に今の性格がそのままなので。

ーーそれをもう少し具体的にお話いただくとどういう感じなんですか?
陽子 ハハハハ。例えば長男は、すごく慎重に生まれてきてる。2番目は、どんどん大きくなって待ったなしに生まれてきた、2時間ぐらいでボーンって生まれてきて、3番目は私と相談しながら計画的に生まれた。

ーーフフフ、そうなのですか?
陽子 それが、今の性格のまんまなんです。だから、やはりお腹の中に宿って生まれるというところも、元々持ってるこの子個人なんだなとすごく思うんです。 血は繋がってても、もうお腹の中に宿ったときから個だなっていうのをすごく感じます。

ーーそれを子供達が大きくなってくるたびに確認している?
陽子 本当にね。だからある意味、親がしてやれることっていうのは本当に少ない。やっぱり個人の持っているものがあるので、それを生かすっていうことがお互いストレスにならないんだろうなって思うんですよね。こっちの方向に親が行かせるとかっていうのはお互いに良くないことだと思うので、もうそこから決まってたらしょうがないですよね。と思うことが結構ありますね。

でも、それは母親だからこそできること、とも思います。妊娠、出産、育児と日々の日常のふれあい、会話、子どもの小さな言動にふれる。その小さな積み重ねこそ、何かの出来事が起こった時に乗り越えられる力、子どもを支えてあげられる答えがみえてくる。それができるのは母親と思います。

そしてそれが子どもとの絆を深めていくのだと感じています。たとえ周りが右と言っても、そこから生まれる母親としての直感が左と思ったら、自分を、そして目の前の子どもを信じて左へ行く子どもを見守ってあげられるもの母親なのかなと。子どもも、信じ見守ってくれていると分かれば、道を大きく外れることはないと感じます。

親だけで子育てはできないし、親がしてあげられることは少ない。でも母親にしかできないことがある。そこをなにより大切にしてきた。母親としての覚悟、ですね

荒れに荒れていた自宅の裏の竹林も
気持ちのいい空間になり
 立派な筍がおめみえ

自分の持っているものを全部恩返ししたい

ーー三人を育てていく中で思うようになった感じですね、それもあって食というところにいったのですね。
陽子 そこしか子供にしてあげられることはないと感じます。そういう意味では、食には公私共に助けられてきているので、食に対してもやはり恩返ししていかないと、というのは思いますね。どれだけ子供を守ってもらったか、数知れずです。

ーー陽子さん、ここからの夢は何でしょうか?
陽子 もう、自分の持ってるものを全部お返しできればいいな、というだけですね。今までは何かを成し遂げるというか、一見関係ないことでも、もしかしたら何か関係あるかもしれないという思いで、いろいろなことをしてきましたが、それらをまとめて一つ一つ恩返しできたらいいなと思っています。そうでないとたぶんバチが当たると思うんですよ。散々助けられながらここまで来ているので、残りの人生、そうやって生きていかないと申し訳ないなと思っています。

ーーこれまでいろいろな応援を受けてきて、これからはお返しという段階になっていく。
陽子 そうですね。今は、私の上の年代の、80代の方たちから色々なことを教えてもらっていますが、そういう方から教えてもらいつつ、今度は自分が伝えていく立場になる、そういう時期に来ているなというのはすごく思います。

自宅の近くから見える富士山。
毎日姿を変える富士山だが、どんな姿も美しく心が洗われる。

ただただ思ってみていてあげる

ーー一旦ここまでにさせていただこうと思います。話してみてのご感想を聞かせてください。
陽子 子育てにおいて、色々なことをイメージしてどんなに120%準備をしてても、とんでもないこと、想定外のことが、子育てでは起こりまくるわけで、そういう時ってどうしたらいいのかと思うことが、多々あります。そういう時は、もう、ただただ思ってあげる、損得とかそういうことは関係なしに。ただただ思ってあげるということが一番なのかなと思いました。

「親」という漢字は木の上に立って見ると言われますよね。手を貸し口を出す前に、一歩引いて、子どもの次の言動を待つ。そうすると、親が思っていた以上に子どもは考えていたり、親とは違う意見をちゃんと持っていたりすることがわかります。大人になると先入観や固定概念を持ってしまうので、私たち親はつい、先に手や口を出してしまうのですよね。本当に心配で、心臓がいくつあっても足りないと思いますが、そこはグッと堪えて、ただただ、思ってあげる。必ずそれって伝わると思うんです。

私が一番子育てを通して感じたことはそこです。とんでもないことがいろいろ起こりましたけど、大抵のことはそれでどうにかなったような気がします。なにかが起こったりした時、母親が落ち着いていると、子どもはそんなにおおごとではないのだな、と感じて落ち着いているので、事がそんなに荒立たなく進んでいくような気がします。そういう時、一番不安なのは子どもなので。もう親の心の中は雨嵐みたいな感じにはなってるんですけど、見せずみたいな。でも、それが一番落ち着いて進める、早く進める道のような気がしますね。

ーー貴重なお話をありがとうございました。

<完>


▪️編集後記

マタニティリープのコンパスになるのは

4回にわたる木村陽子さんのインタビューが終わりました。

私たちはインタビューをするとき三つの方向性でお話をお聞きしています。
それは、「本音」「つながり」「夢」です。なぜかというと、多くの方のお話や自分たちの体験から、マタニティリープという、変化を起こしていくときには、共通する方向性、要素があるからです。

陽子さんのお話の中には、ママの「本音」が話せる場を作ったり、友人や叔母さんの「つながり」から力をもらったり、できるかできないかではなく、流れを見ながら「夢」に少しづつ進んでいく。三つの方向性、全ての要素がありました。

この三つの方向性はコンパスのようなもので、今どんなところにいても、このコンパスがあれば、一歩づつでも歩んでいける。そう感じます。

今、作成中の「ママの人生が変わるマジックワード#マタニティリープ(仮)」の本の中でも、この方向性をどのように歩んでいくのか、読み物やワークを通してお伝えしています。

出版に向けて、多くの方に手にとっていただくため、クラウドファンディングを行うことにしました。次回のマタニティリープマガジンは、クラウドファンディング特集号です。

今回もお読みいただきありがとうございました。



<編集>
マタニティリープ合同会社
https://www.maternityleap.com/


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