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iPhoneの電話の着信はヴァイブレーションも音も切ってるから
ほぼ気づかない。

でも、偶然iPhoneを見ている時に着信があると
気がつくことができる。
けど、取らない。

稀に、偶然着信が目に入って、とってしまう時がある。

「野村○券の○○と申します。この度は・・」

投資信託の勧誘かと思ったら、
何か新しいサービスを始めたようで
その説明がたとたどしく始まった。

本当にたどたどしくて、
新卒社員がリスト片手に新規営業させられて、
そんな様子が手にとるように分かる。

そのあまりのたどたどしさに、
とりあえず説明は聞いてあげようと思ってしまうほど。

「すみません。今のところは必要がないので」
と、できるだけ柔らかな口調で断りを伝えた。

「あ、あの、そうですか。では、またお願いします」
ーなにをお願いされるの?と思いつつ

失礼します、と電話を切った。


面白いことに、滅多に電話なんてかかってこないのに
その日にまた着信がきた。

しかも、偶然やっぱり目に入って
なんとなくとってしまった。

「はい」
「あの、○○様でしょうか。私はセールスフォー○の○○と申します」

今度は、立て板に水さながらの
何度もトークスクリプトを練習しているような
流暢な喋り方。

「御社は○○のビジネスをされているということで、よろしいでしょうか?」

質問されると、答えてしまうので
会話が少し続いてしまう。

あぁ、こりゃ、ロールプレイングも随分こなしている
営業マンだなぁ・・・

私「はい、そうですが」

営業マン「30分で結構ですので、ぜひお時間を改めていただけないでしょうか。必ずお役に立てる情報です!」

さっきの新卒社員とはえらい違いで
自信と確信に満ち溢れている話し方をされる。

私「すみません、今検討段階にもないので。」
営業マン「では、webの説明だけでも。本当にお役に立てる情報をー」

めちゃめちゃ食いついてくる。
ほほー、さすがだ。

私「すみません。。(口調はやさしいがキッパリ)」
営業マン「・・・。では、メールでまたご紹介させて頂きます」

勉強になるなぁ・・・と思いながら電話を切った。
あの新人のたどたどしい喋り方と
立て板に水の自信と満ちた営業マン。


web系の同じ様なサービスなのに
営業成績が違うことは、電話越しでも明らかだ。


営業する、ってこういうことだよなぁ・・・
自信と確信を売る。

二人の対象的な営業マンを比較しながら
そんなことを考えていた。

ちなみに、
「では、メールでご紹介させて頂きます」と言っていた
メールは送られて来なかった。


しばらくして、

3人目の営業マンとやりとりをすることになる。


宝石商の営業マン。

DMが宛先不明で返って来ちゃったと、連絡があった。
Messagerのアカウントを交換しているので
メッセージが来たのだ。

「引っ越しました。すみません」

そう、メッセージを返す。

どう返事が来るだろうか。


店側としては、DMが送りたい。
新しい住所を教えろと来るだろうか。
そのつもりは、なかった。


返事は予想外の言葉が並んでいた。


「すみませんなことありません(笑)」
ずーっと繋がっているのでご安心ください(ハートマーク)


これは、恐れ入った
と思った。


そして、宝石の浄化の仕方を載せた
URLが続いていた。

なるほど。。


顧客との関係性をどう捉えているかで
対応も、距離感も、スタンスも
こうも全く違うものになるのかと。


セールスフォー○の新規営業は
とにかく30分のアポが取れることがまずはゴールで
その後に、サービスの契約ってことで
成績が上がるのだろう。
それ以降、サブスクリプションモデルだから
営業マンとの関係が続くことはあまりない。

だが、宝石の営業マンは
ずっと顧客と寄り添うことになる。


さて、ビジネスモデルが違う業種ではあるが
営業マンとしてのロールモデルは
どちらが良いのであろうか、
などと考えてみた。


顧客は商品やサービスがいいだけで
人を紹介したり
SNSに投稿したりすることは
もはやないんじゃないだろうか。

誰かや何かとの関係性の中での
ストーリーが印象に残って
誰かに話したくなったり
伝えたくなったりするのだと思う。

で、あるならば
接点が新規セールス以外になくなる営業マンも
目の前の電話の相手との約束は守っても
悪いことはないんじゃないのか?

そう、自分で言ってた
「メール送ります」
は、不履行だった。

目の前の利益が取れなかったから
関心がなくなってしまったのだろう。

これでは、顧客とのストーリーなんて
生まれようがない。


方や、常に顧客と寄り添うスタイルの営業マンは
顧客との関係性を考える。

何か役に立てること、今プレゼントできるもの
それを考えて、実行する。

宝石の浄化方法を今更教えてもらっても
何も変わらないが、
心象は全く違う。

私のために、わざわざURLを打って
時間を使ってくれたのだ
私は解釈する。

もし、宝石を探している人を見つけたら
とりあえず紹介してあげても良い人物
リストには入った。

現に、こうしてストーリーをNoteに書いてしまった(笑)

私が営業マンになることは、この先あるのかないのか
分からない。

でも、学ばせていただいた。

何か接点があった人に対して
「売り切り」的な接し方は損をするんだと。

売ったら、終わり
ではないんだと。

たとえ、一回きりのやり取りであっても
一期一会と思って
どこかで繋がっているかも知れない、と思って
ご縁を大切に扱おう。

そのほうが、商売人としても気持ちが良い人だ。

って思った。


たとえ、契約が取れなくても
今売ることが出来なかったとしても

気持ちが良いやり取りだった。
そう思ってもらえるような、営業マンになれたら
きっと伸びるよね。

あ、その宝石商の営業マンは
数千万円の宝石をじゃんじゃん売ってます。
銀座のラグジュアリー激戦区で
今でも活躍されています。

これから、たくさんの誰かとの
何かのストーリーを持つことが
私にもできるだろうか。

なんてことを考えながら
やっぱり珈琲が飲みたくなる。

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