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分析レポート「アスルクラロ沼津VSFC岐阜」 ポゼッションスタイルに必要な原則哲学

 今回もギリギリの更新になってしまい申し訳ありません。いきなりですが今回の目次です。

1 両チームのスタメン

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2 両チームのシステム

 まずは沼津の攻撃時、岐阜の守備時のシステムについて分析していきます。この場合、下図のようになりました。

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 沼津は両サイドハーフが中に入り、両サイドバックが幅と高い位置を取る形です。この際菅井選手が下がってきて、最終ラインが3枚になるダウンスリーを使用するシーンも見られました。

 続いては岐阜の攻撃時、沼津の守備時の形です。この場合は下図のようになりました。

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 沼津は守備時菅井選手をアンカーに置く4141。岐阜は攻撃時左サイドバックが上がり、それに合わせて中盤を除いた前線が右にずれる、左肩上がりのような形を採用しました。

3 あと一歩の完成形

 まず分析するのはキーパーからのビルドアップです。今回沼津はキーパーからのビルドアップの際、このような形を採用していました。

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 この形を作ることによって、相手の2トップに対してセンターバックと菅井選手で数的優位を作れ、この3人のうち1人は必ずフリーの選手ができます。ここまでは素晴らしいのですが、ここで菅井選手が受けた後に

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 このように、上がってくるセンターバックに落とす形が意図的に作られていないように見えました。なぜこの形が必要かというと、ここで菅井選手がボールを受けた後

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 このように、当然菅井選手へプレスをかけられます。この時前を向けるのならばいいのですが、とても難しいと思います。またここでセンターバックがボールを受けられれば、視野を前に確保できます。なので、先ほど述べたように上がってくるセンターバックに落とす形が必要です。

 続いては、このビルドアップの際に前からプレスをはめられた時の形について分析していきます。こちらの図をご覧ください。

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 こちらは25分4秒のシーンです。この時、下りてくる菅井選手にマークが付いていました。サイドバックには両サイドハーフが付き、岐阜の左サイドハーフは安在選手と佐藤選手どちらも見られるポジショニングでした。ですので、前からしっかりとプレスがはめられています。この時に空いてくるのが

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 こちらのスペースです。ですがこの時、前澤選手は中に入ってしまい、円で表したスペースを使えませんでした。この時このスペースが使えると

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 このように、前線で競り合いをすることなくボールをつなげます。

4 ポゼッションスタイルに必要な原則

 次はアスルが目指しているスタイル、ポゼッションスタイルに必要な原則について。まずはこちらの図をご覧ください。

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 これは19分47秒のシーンです。この時菅井選手は普光院選手にパスを渡し、その後藤嵜選手にパスを出したのですが、ここでの普光院選手へのパス交換は意味がないと思います。理由は大きく分けて2つあり、1つは

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 このように、とてもリスクが高いですなので、この時は

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 このように、直接藤嵜選手にパスを出した方がいいと思います。こうすることにより

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 このように、相手のサイドバックに対して数的優位を作ることができます。せっかくサイドを変えることにより相手のスライドが遅れているので、この状況を生かさないのはもったいないと思います。

 またこの時サイドバック、ハーフの選手が中盤とディフェンスラインの間にいることが重要になります。なぜかというと、

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 サイドに張る選手にマークがつけば中が空き、

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 中にいる選手にマークが付けば外が空きます。またこの時にサイドバックが前に出てきて対応しようとすれば裏が空くので、このポジションにいるのがとても重要です。

 2つめは、少し状況が違うのですがこのように中盤の選手がよっていってボールを受けに来るので

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 このように、ライン間にいる選手へのパスコースが消されてしまいます。なので、ここでは寄っていかずに、秋山選手は中に入るなどして、パスコースを空けることが必要になります。

 ここまで書いてきた通り、ポゼッションスタイルには技術、ボールを持っていないときの動きがとても要求されます。後者は監督の落とし込み方次第ですぐに改善がみられるので、今後アスルの試合を見るときは、選手の技術面はもちろんですがボールを持っていないときの動きに注目するといいと思います。

最後に

 ここまで読んでくださりありがとうございました。いつも更新が遅れてしまい本当に申し訳ありません。質問等はTwitterのリプ欄、質問箱におきがるにお書きこみください。リプ欄に質問箱のURLを張っておきます。もしいいなと思っていただけたらいいねやRTよろしくお願いします。

 

 


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