【小説】タイム・ペンフレンド④
「おばあちゃん!ヤギの郵便屋なんて信用できないし、ましてタイムポストなんて…」
「でも、ミレイちゃん。ここに現にいるんだから信用してあげなさい」
そうミチコが言うとミレイはうなずく他なかった。
「最近の子にはついていけないと思ったら、案外固いところもあるのね。そうだそうだ!早速、早速!」
と、まるで乙女の年頃に戻ったかのようなミチコであった。
それからおもむろに便せんや封筒と使い込んだのであろう万年筆を取り出してきた。
「そうねえ…」
そう言いながらそのままスラスラとペンを走らせた。
「まあ久しぶりだから手短に…ということでいいかなあ…これで良し!切手は値上がり前だけど…タイムポストっておいくらするの?」
「あ…それは…最初のサービスってことで84円です!」
「ねえ!おばあちゃん!手紙を出したい人って?」
「そうねえ…さっき言っていたこの友達、お互いに社会人になってからも、しばらくはやりとりしていたんだけど…ある時プッツリ途絶えちゃって…それからおじいちゃんと結婚もしたから忙しい毎日だったけど頭のどこかで気になっていたのよ」
「お任せください!タイムポストのサービスでは音信不通になっている相手でも相手の場所やその途絶えた年代も特定して絶対にお届けしますので!」
「ありがとう…メルギーさん、それじゃあお願いね!」
続く。
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