Japan As No.1 ⇒ バブルの入り口
日本の高度経済成長の要因を海外の研究者が分析し、「日本型経営」への関心が高まっていた時代。そこはまさに後世「バブル」と呼ばれる高景気の入り口で、世の中は、饗宴前の慌ただしい高揚感に満ちていた。かように盛り上がる世間の一隅で、私は、四畳半一間の下宿で暮らす貧乏学生で、毎月末をいかに乗り越えるかという喫緊の課題と向き合い、それでいてなぜか呑気で賑やかな日々を、似たような境遇の仲間たちと過ごしていた。大学ではESS(英語会)に所属し、ケネディ大統領やリンカーン大統領の演説を諳んじ