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matan eh
2020年6月25日 06:27
5 父親の存在とその価値 「やまなし」の「五月」の暗さと、クラムボンやお魚、カニの兄弟などの謎について考えてきましたが、私はこの作品で最も重要な人物は、お父さんのカニであると思います。お父さんのカニに着目して「やまなし」全体を捉えれば、比較的容易に主題に迫ることもできるでしょう。そして、この父親像には、宮沢賢治の人柄と理想がにじみ出ているようで、私自身とても好感をもっています。ここでは、そんなお
2020年6月23日 07:06
4 「お魚」の謎 「五月」において、「クラムボン」「カワセミ」と同じくらいに存在感をもつ「お魚」。これについて宮沢賢治は一体何を表そうとしたのでしょうか。やまなしを読解する際に、比較的さらっと解釈されてしまいがちな「お魚」ですが、ただカワセミに食べられるためだけに登場させるのだとしたら、こんなに何度もその行動に言及することもないでしょう。そこにはきっと、「クラムボン」のような深い事情が隠されている