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【美術展2024#10】椅子とめぐる20世紀のデザイン展@日本橋高島屋

会期:東京@日本橋高島屋
    2024年2月29日(木)〜3月18日(月)
巡回:大阪@大阪高島屋
    2024年3月27日(水)〜4月14日(日)   
   名古屋@ジェイアール名古屋タカシマヤ
    2024年4月18日(木)〜5月5日(日・祝)

本展では、アール・ヌーヴォー、バウハウス、ミッド・センチュリー、イタリアン・モダンまで、20世紀100年におけるデザインの変遷を、椅子研究家の織田憲嗣氏のコレクションから厳選した100脚の名作椅子を案内役にたどります。また食器、キッチン用品、家電製品、事務用機器などもまじえて、デザインと生活の関係性を解き明かしていきます。

優れたデザインが生まれる時、そこには時代の社会性や人々の暮らしが密接に関係しています。形状の美しさや驚きの内側には、よりよい未来を描こうとするデザイナーの情熱が詰まっています。

時代を作り、また今も変わらず光を放ち続ける、時代を超越した「名品」たち。使う人々に幸せをもたらすそれらは、人の営みから生まれた、まさに美しい生活デザインです。

高島屋HP


椅子好きには有名な「織田コレクション」からの展覧会。

Red and Blue

図録によるとC&Bイタリア(B&Bイタリアの前身)製となっていた。現在はCassinaがライセンス所有。

Wink

80年代の雰囲気を色濃く残すWinkチェア。
日本人デザイナー喜多俊之作品。


近現代の椅子史を一通り辿れる構成で、時代や地域別に分けて文脈や背景の整合性に合わせた家具や食器なども共に並べてあるブースがあったりしてその当時の生活風景が想起された。

バウハウスからの1920年代ドイツ、フランスあたり
北欧系
アメリカンミッドセンチュリー


メインビジュアルのイームズLCWは、以前私もハーマンミラーのものを持っていたが一番力がかかる部分が接着で固定されているため一度折れた。
(正確には折れたのはDCW。LCWも所有していたが構造は同じ)

修理費約35,000円也
同様にこちらも一番力がかかる肘下部分の連結が接着で固定されている


名作椅子の多くは実用性やメンテナンス性よりもデザインや素材の真正性を優先しているため構造に明らかな弱点があってもあえてそのままにされているものも少なくない。
デザイナーを尊重する姿勢は素晴らしいとも言えるが、LCWもDCWもイームズラウンジチェアも結局それがネックになり手放してしまった。

我が家の床間に鎮座するバタフライスツールとイサム・ノグチのAKARI


名作椅子は、実際に所有し日常使いをしてみると美しい謳い文句だけでなくマイナス部分も見えてくることが多々あるが、それらも含めてやはり魅力的なものが多いことは間違いない。

直接座り触れるとデザイナーの思想や世界観が細部からも伝わってくる。
今回の展示でも最後のコーナーに実際に座れる椅子が数脚置いてあり(さすが百貨店での展示だなとも思ったが)来場者は順番待ちで座っていた。

実際に座れる正規現行品


正規ライセンスの名作椅子は高額だが所有する満足度は高く、生活を豊かにしてくれる手の届く芸術作品だと考えれば実はある意味安いのかもしれない。

私は以前はアメリカンミッドセンチュリーが好きだったが、最近はフランスのミッドセンチュリーやイタリアの70年代くらいのデザインがお気に入り。
cabチェアやマラルンガソファ、シャルロット・ペリアン、LCシリーズなど(やはりCassinaは素晴らしい)を中心に蒐集、愛用している。

椅子好きの方はすでにご存知の方も多いと思われるが武蔵野美術大学の椅子コレクションも素晴らしく、さらに独自のアプリまで作成しておりこちらもお勧めだ。



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