5分で読める、VCの独り言。「起業家がスタートアップで失敗しないために」
「起業しろ」なんて言葉が流行って一年ほど経ちました。
この間に沢山のスタートアップや起業家が生まれたと思いますが、同時にスタートアップを辞めてしまった方も多くいると思います。
普段シードの起業家さんに投資や相談させて頂いている経験から、スタートアップが諦めてしまう原因、そして、どうすれば失敗を防げるのかを今回は書いていきます!
01.
スタートアップの失敗には傾向がある
一年の間に、起業をする人はどれくらいいるか知っていますか?
およそ「年間に5万人」と言われています。
(http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H26/PDF/07Hakusyo_part3_chap2_web.pdf)
つまり、かなりの人数います。でも、一年後には半分以下の数字になると言われています。(出典:中小企業庁HP 中小企業白書2011年版全文 第3-1-11図)
もちろん戦略的に撤退している方も多いかと思うので、一概には言えないかもしれませんが、スタートアップの大きな失敗理由には、いくつかのパターンと傾向があります。
例えば、資金調達がショートしてしまい、燃え尽きてしまった黒字倒産のようなパターンや、
アイディアを実行できるエンジニアが見つからずに諦めてしまったパターン、そしてそもそもプロダクト自体が世の中に評価されないものだったパターンなどです。
このような、よくある失敗を防ぐためのやり方をいくつかまとめてみますので、参考にしてください!
02.
資金繰りが上手くいかなくなる
実は、スタートアップ・シードの起業家では、「資金調達」が上手くできずに、失敗してしまうことがあります。いわゆるバーンレートを見過ごしてしまうなどもコレです。
これは意外と単純な話で、原因は以下になります。
〇いつ・どれくらい・何に、資金を使うのか。
〇いつ・どれくらい・どこから、資金を集めるのか。
上記を決め忘れている方が多いからです。
シードの時期においては、正直そこまで詳しい事業計画書を立てることは出来ないし、ピボットする可能性もあるので、曖昧になることが多いです。
ですが、最低限やるべきこととして、
〇いつ・どれくらい・何に、資金を使うのか。
〇いつ・どれくらい・どこから、資金を集めるのか。
を決めることが大切です。
言い方を変えると。「どれくらいのことまでやっても死なないのか」を把握しておくということですね!
03.
作ったプロダクトがマーケットフィットしていない
「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)」なんて言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。これは、そのスタートアップの商品やサービスが、市場に評価されているのかを話しています。
つまり、マーケットフィットしていない商品やサービスは、「世の中から評価されない=価値提供が出来ず対価としてのお金ももらえない。」というわけです。
この問題に陥りがちな場合、多くは起業家やCEOの「やりたいこと・好きなこと優位」にサービスを開発していることが多いです。
自分が好きだからこのサービスも、市場に評価されるというのは必ずしもイコールにはならないということですね。
より、見るべきなのは市場のペインや課題です。
このサービスを「心の底から欲しがってくれる誰か」がいるのかをきちんと見極めることが必要なのです。
私も前にゴルフが好きだからゴルフのメディアをやろうとして、何も考えずにメディア運営をしてしまった失敗がありました。
もちろん好きなことをやるべきですが、それだけではなくて「市場に価値を提供して評価される」ことが起業家のやるべきことだと覚えておきましょう。
04.
アプリやサービスの開発に時間をかけすぎる
シードの起業家でありがちなのが、アプリやサービスの開発をいきなりしてしまって、気が付いたら何カ月も経ってしまったというパターンです。
決して、アプリやサービスを作ることが悪いわけではないですが、最初に完成形のサービスを目指すのは悪手だと言わざるを得ません。
いわゆる、「MVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト)=必要最低限の機能・商品」を目指して、プロトタイプでの検証や改善を先にやるべきです。
前章で触れた、「心の底から欲しがってくれる誰か」がいるのかというテストマーケティングや、きちんと何を検証するのかを決めたうえでのプロトタイプ作りなど、他の起業ではできない価値提供を出来るサービスなのか起業家なのかをきちんと位置付けすることが必要です!
例えば、「アプリがないと出来ない」と思われるサービスでも、既にあるプラットフォームを掛け合わせることで近いものが作れたり、マネタイズのタイミングをずらすことで別の方法が見つかったりすることが多いです。
自分が満足するような完成されたアプリやサービスを提供することよりも、ユーザーのイメージを想像し、価値をきちんと提供出来る最低限のサービスを、最短で出し、検証や改善を積み上げていくことが大切なのです!
05.
失敗を避けることは出来る
上記に書いたのは、ほんの一例ですが、「失敗のパターン」が分かるようになれば、意図的に避けていくことは出来ると思います。
出来るだけスタートアップや起業家は失敗しない為にも、研究家や先人たちの話を聞いてから起業するのもいいかもしれませんね。
VCとしても出来るだけ、起業家の失敗が少ない世の中にするために動きたいです。
【相談したい方は】
いつもありがとうございます。少しでも皆様の為になることを願っております