5分で読める、ミレニアル世代のスポーツウェアブランドD2Cについて【中国リサーチメモ】
1、スポーツウェアデザイナーズブランド「MAIA ACTIVE瑪婭」 4000万元のAラウンド資金調達を完了。 紅杉資本(SequoiaChina)、華人文化が筆頭に
36krによると、スポーツウェアデザイナーズブランド「MAIA ACTIVE瑪婭」が、2018年5月末にAラウンド4000万元の資金調達を完了させた。紅杉資本、華人文化産業投資基金(CMC Inc.)が筆頭、火山石資本、元鈅資本がそれにつづいた。「MAIA ACTIVE瑪娅」ブランドは、2017年6月に動域資本と達泰資本による1000万元近くのプレAラウンドの調達をすでに完了。
ブランディングは、走りながら磨き続けるプロセスだ。よい商品は、ビジネスロジックを起点とし、続けてマーケティング戦略により、商品を際立たせ、ふさわしい人に到達させる(セグメントマーケット)ことだ。チャネルが間違っていなければ、口コミによって広がるはずである。
MAIA ACTIVのブランドコンセプト
・屋内スポーツニーズの高まり。
国際的なスポーツウェアブランドには、屋外でのスポーツに合わせたものしかない。しかし、中国の大都市では、屋内スポーツの需要のほうが大きい。MAIA ACTIVのブランドデザインは、屋内スポーツに照準を定めたものとなっている。
・スポーティカジュアル。
多くのブランド品も、カジュアルスタイルを提案し始めている。消費者は、カジュアルファッションに傾倒しつつある。MAIA ACTIVEはスポーツウェアを中心としたブランドだが、デザインを通じて、スポーツと日常の壁を取りのぞこうとしている。スポーツジムで着ることもできるし、普段の生活に着ても違和感はない。健康的な生活スタイルの多くのシーンで着用可能となっている。
商品バリューとして、MAIA ACTIVEは、以下の三点を差別化しているといえる。:ファッショナブルであること、アジア女性の体型にマッチすること、着心地がよいこと。
ブランドは、スポーツブランドを目指しているが、単にスポーツだけを強調しているのではなく、ファッション性を満たすこと、さらには、“動き出せ!”というコンセプトを日常生活に取り込むことだ。MAIA ACTIVEのスポーツウェアのデザインの中には、バレエのクロスバンド、花模様、大理石の紋様、透かし彫りの水波のようなファッション性の高いものが多く取り入れられている。
※まだまだ、ブランディングの秘訣はあるので、是非本記事を読んでみてください!
2、Outdoor Voices、2014年設立のテキサス州を拠点としたレクリエーションウェアのD2Cスタートアップです。
スポーツウェアブランドは、ナイキやアンダーアーマーが有名ですが、Outdoor Voicesはスポーツとしての成果指向ではなく、楽しく運動できるようなブランドを目指している。CEOのTyler Haney氏が「レクリエーションウェアをデザインする際に完璧になりすぎないことを意識している」と答えているように、完璧にするためにかかる労力と消費者が求めている機能とを天秤にかけて考えていることが印象的だ。
Outdoor Voicesでは立ち上げ期から店舗展開も行なっていますが、店舗はブランドの体験の場、ECサイトはメインの購入場所、と役割を分けることでD2Cの店舗コスト削減のメリットを生かしている。
3、Cotopaxi(ミレニアル世代を虜にする米アウトドアブランド)
・プロダクト:アウトドア製品
・創業者:Davis Smith,Stephan Jacob
・創業:2013年
・拠点:ソルトレイク
創業は2013年と新しく、店舗も2つしかない。それでも、「ミレニアルのためのアウトドアブランド」として存在感を高めつつある。スタートアップのデータベース、Crunchbaseによれば、2018年2月に2200万ドルの資金調達に成功した。当初の資本金が3万ドルだったことを考えれば隔世の感がある。規模の面では老舗ブランドに遠く及ばないが、今後の消費の核となるミレニアル世代(1980年以降に生まれた世代)の支持を背景に、投資家の期待を集めている。
美しすぎるストーリーにあざとさを感じる向きもあるだろうが、こういった商品の裏側にある物語や企業の社会性はミレニアル世代の大好物。機能や価格で差別化することが難しい今の時代、消費者が共感できる世界観は不可欠である。
※ミレニアル世代にInstagramを活用したアパレルD2Cがバズっているようなこともあり、スポーツウェアのジャンルでもまだまだいけるのではないかという推測がある。
(おまけ)日本のイケてるアパレル企業:PATRA
(おまけ)日本のイケてるアパレル企業:17kg
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