見出し画像

東京のリヨンでボージョレを飲む~ワイン生産者来日イベントにいってきました~

週末は、東京のリヨンにお邪魔してきました。

細い路地を奥まで進むと…
あたたかな光とサッカー熱の漏れる、リヨン食堂にたどり着きます

こちらにうかがうのは、1年ぶり2回目。
昨年はボージョレ・ヌーヴォー解禁を、仲間とともにお祝いしました。

今回のイベントも前年同様、ポッドキャスト番組ワインの輪のパーソナリティであるよしきくんのお店『レ・ヴァン・リーヴル』さんと、店主たけちゃんがねじりはちまきで作るリヨン料理のお店、『プレドショウイン』さんの共同企画。

みんなでボジョレーワインを飲もうぜ!という今回の会。ご提供いただくのは、よしきくんがインポートしているボジョレーワイン。しかもなんと、生産者さんご本人がフランスから来日されるというではないですか!

「今、飲んでいる、このワイン」について、直接うかがえるまたとない機会。ということで、ドキドキワクワクしながらお店の扉をくぐったのでした。


アットホームな店内に足を踏み入れると、早速こんなお品書きが目に入ります。

え、1000円で食べ放題…?

これも?(美しすぎる自家製シャルキュトリー盛り)
これも???(見た感じの8倍は美味いリヨン風お惣菜)
これも?????(丸ごとローストポークから切り分けてくれる)

「………いや値段おかしいでしょ!!!」

到着早々、店主たけちゃんに苦言を呈するますたや。
1年ぶりに会った方に、値段が安いと苦言を呈することなど、生きていてそうあるものではありません。もっとお金を取ったほうがいい。(人生にそうない助言)

しかし当のたけちゃんはひょうひょうとした表情で、「まあまあ、お祭りやから」と笑っておりました。いくらお祭りだからって、世の中の物価は変わりませんよ?!(人生にそうない心配)


さて、そんなたけちゃんの大盤振る舞いとともにいただいたワインが、こちらでした。

じゃーん

ボジョレーの生産者である、クロテール・ミッシャルさんの造るワインです。

かんぱーい!

現在は、ガメイから造る赤ワインが2種類リリースされています。いずれも無農薬栽培、野生酵母発酵、SO2の添加を極力おさえた、いわゆる「ナチュラル」な造りのワイン。

ナチュラルワインを選ぶかどうかは、消費者それぞれの好みによりますと話すクロテールさん。
「でも、(少なくとも)ぼく自身は、健康な土と、虫の声が聞こえる畑で、ブドウを造りたい」と、静かに語られたことは印象的でした。

現在リリースされている2種類のワインは、それぞれ樹齢が違っているのだそうです。赤色のボトルが樹齢40~80年、青色のボトルが樹齢100年のブドウの樹から造られています。

「…でも、どっちにしても、ヴィエイユ・ヴィーニュ(古木)ですけどね」

ワインを注ぎながら、よしきくんが呟きました。ほんまや。

最高の故郷ペアリング!

味わいとしては、赤色ボトル(樹齢40~80年)のほうが、より果実味が豊かで綺麗な酸が感じられました。果実をぎゅうぅっと絞ったようなフレッシュさ。それでいてヴィエイユ・ヴィーニュらしい輪郭の穏やかさもあって、これはあれだ、美味いワインだ

飲んでみると奥の方にかすかなブレッド香も感じましたが、これはボトル差もあるかもしれません。野生酵母発酵だと、そのあたりどうしようもないところはありますよね。
それでも基本は綺麗でエレガント。じゅわっとした果実味が癖になって、なんならわたし、おかわりしました。(好き)


青色のボトル(樹齢100年)のほうもベースの雰囲気は似通っているのですが、さきほどのワインをさらにバランス整えて、より美味しくしたよ、っていう感じのワインでした。語彙よ。
フレッシュな印象はありながらも全体的にまとまりがよく、上品で穏やかな印象が増しています。

うちの夫は、こちらをおかわりしていました。人が飲んでるとこれがまた、格段に美味しそうに見えるんだなぁ…(横取り)(そして怒られる)

エレガントで綺麗なワイン造りを目指しているというクロテールさん。奇抜さを狙った味わいではなく、シンプルで、綺麗で、優しくて穏やか。どちらのワインも日常のなかにすっと染み入るような、かわいくて透明感のある味わいが印象的でした。
肩のちからが抜けて、リラックスできるようなワインだったな~

ちなみにエチケットに描かれているのは、「かつてソムリエだった」自分自身を投影した人物だということ。目隠しをしているのは、「まずは、前提の情報をなにもなく楽しんでもらいたい」という思いからなんですって。


イベントの途中ではこんな風に、クロテールさんがワインについてお話くださいました。

通訳は奥様の友香さん。暖かくて柔らかな雰囲気が、とっても素敵なご夫婦!

なんとクロテールさん、12歳からワインのことが好きだったんですって。そんなエピソードがまた、フランスらしい…!
学校卒業後にソムリエとして働かれていたのですが、朝9時から夜の12時までの激務が続く毎日に「自分はこのまま働き続けるのか」と自問自答したのだそう。

最終的に「家族との時間を大事にしたい」と考えたクロテールさんは、ワインの造り手への転身を決意。
ローヌのコルナスでの研鑽、サンジョセフでのワイン造りを経て、2013年、現在のボジョレー南部に5ヘクタールの畑を見つけたのだそうです。
畑探しのときには、フランス各地をキャンピングカーでまわったんだそうですよ…!

「毎日、畑に出て、幸せです」

そう語るクロテールさんの、穏やかな笑顔が忘れられません。幸せな人が造るワイン、そんなの美味しいに決まってる…!

わいわい賑やかなカウンターの向こう側

イベントにはワインの輪リスナーの方々もお越しになっており、近況報告やワインの話などでひとしきり盛り上がりました。

なんと1年前のヌーヴォーイベントでお会いした方々にも再会して、「1年ぶりですね!」とご挨拶するなんていう奇跡も起こりました。1年越しに、同じ場所で、同じようにワインを飲みながら再会するなんて、ロマンがあります。1年後にもきっとまた同じ場所で、乾杯できるといいですね…!🍷


楽しい時間はあっというまに過ぎゆき、帰路につく時間となりました。ワインの時間って、ほんとすぐ過ぎるんだよな~。

もう、クロテールさんのワインはわたしにとって、「ともに時間を過ごしたひとが造ったワイン」です。

「アリガトウ」の穏やかなトーン、はにかんだ笑顔、隣にたたずむ奥様の明るい優しさと小さな気遣い。小さな娘ちゃんの、恥ずかしがり屋のかわいい視線。そんなことを思いながら飲むワインって、きっと、絶対、最高だろうな~!


ちなみにワインのご購入は、今のところレヴァンリーブルさんでしかお取り扱いがないと思われます。どちらも美味しいワインでしたので、なにかの折に、みなさまもぜひ!

▶赤色ボトル(樹齢40~80年)

▶青色ボトル(樹齢100年)

それでは、ここまでお読みいただいてありがとうございました♪いやはや週末も、よき #ワ活 でした^^
全国的に急に寒くなりましたので、みなさまワインでご自愛くださいませ!

それではまた次の #3000円ワイン か、ワ活でお会いしましょう。3000円台のワインをこよなく愛する3000円ワインの民、ますたやがお送りしました🍷

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパート&WSETLevel2(英語)を取得し、現在はWSETLevel3(英語)に挑戦中。ワイン大好き夫婦です!

▶ 詳しいプロフィールはこちら!TwitterやInstagramもフォローお気軽にどうぞ♪

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

サポートでいただいたお駄賃は、バッカスへの課金に溶かしていきます!