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韓国・乙支路・ノガリ横丁。

駅でいうと、乙支路3街。ここいらは、干しタラと生ビールを出すビアホールがひしめき合う、通称ノガリ横丁があり、アルカイックスマイルがキュートな熊の看板でお馴染みの老舗。OBbeerはノガリ横丁の最古参にして代表格だ。

ガレージを改造して、始められたこの店、冬以外は外に置かれた机で呑める。

味のないノガリ(干し鱈)を、軽く炙ったヤツに、コチュジャンとマヨネーズをたっぷりつけて、薄いビールを乙支路の空の下、流し込む。

何故だか万国の国旗が、このエリアには店の上部に張り巡らされていて、

その景観がまた、お祭り気分を、盛り上げ、酒場と路上は、世界に繋がっていると、そんな気分にすらさせてくれる。               

ビールを呑み干し、閉店の頃、店の前には、客が残したノガリが、打ち捨てられている。

漆黒のアスファルトの宇宙を泳ぐ深海魚のように、

夜にだけ与えられた命を謳歌したいと、地べたでのたうちまわるノガリ。

あと一息、あと一息のところで、失神する、酔っ払いの自分の最期の姿にも見えた、干からびたノガリ。

「この場所を通して、世界を見たい。」

そんな思いが込み上げてくる。

ソウル乙支路。ノガリ横丁、愛してるぜ。

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