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読書記録 230228 原浩「火喰鳥を、喰う」西加奈子「夜が明ける」

昨年書いていた読書記録も再開したいと思います。前の週に読んだ本について火曜日に記事を書くというものです。

12月にコロナになってからnote投稿と読書習慣が崩れてしまいました。コロナの症状自体は軽くて日常生活には影響なかったものの、投稿するテンポが乱れてしまいそれを立て直すのに一苦労しましたが、やっと読書モードに戻ってきました。

先週読んだ本
・原浩「火喰鳥を、喰う」
・西加奈子「夜が明ける」

原浩「火喰鳥を、喰う」
第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞の大賞作。表紙のインパクトがすごくて気になっていました。この巨大な火喰鳥は何かのメタファーなのかと思ったら…。

戦死した主人公の大伯父が遺した手帳が発見された所から次々と不可解な事件が起こります。信州の大きな家、墓の名前の部分が何者かによって削られるという事件など、なにやら横溝正史感あふれる展開かと思いきや想像と全く違う方向にいき、SFホラーのような感じになっていきます。呪いとか怨念という怖さよりも、別の何かがどんどん迫ってきて浸食されていくのが怖いです。


西加奈子「夜が明ける」
貧困に虐待、ハラスメント、労働問題、自己責任など、今の日本にある様々な苦しみがこれでもかと詰め込まれていて、実際に起こった事件なども混ぜられているので、読んでいてとても辛かったです。

でも最後にタイトルの言葉が出てきた時、いま一度この生きづらい現実をしっかりと見て、前を向いて自分ができる事をしていこう、変えていけるはずと思う事ができました。

「火喰鳥を、喰う」「夜が明ける」とも、生きる事への力をものすごく感じました。原浩さんの方は極限状態での生きる事への執着、西さんのは私たちを縛る様々な既存の価値観で苦しみながらも生きる人たちの姿を見る事が出できました。

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