増田有美/画家

日常の中で受け取るインスピレーションをもとに自分なりの真理を絵で表現しようと試みていま…

増田有美/画家

日常の中で受け取るインスピレーションをもとに自分なりの真理を絵で表現しようと試みています。制作を続ける中で気がついた、心がふわっと軽くなるようなことを丁寧に言葉にしていきます。 https://masudayumi.jimdofree.com/

マガジン

  • 私的アート思考

    私はこれまで何か行き詰まったときには「視点を変える」ことで現状を打破するヒントを見つけてきました。この思考法は「アート思考」なのかも。という前提を元に、美術が身近ではなかった私がどのようにアート思考を後天的に身につけていったのかという観点で、自分のこれまでを振り返ってみます。

最近の記事

「私的アート思考」が伝えたいこと。

絵.cocoroさんのインタビューnoteの相互フォローがきっかけでお知り合いになれた絵.cocoroさんに、先日アーティストインタビューをしていただきました。 「アートと心を見るブログ」というコンセプトで運営されている絵.cocoroさん。 運営者のMOTOさんはアート鑑賞を軸として、主体的に物事を思考するための様々なヒントを発信されていて、ご自身が運営されているブログとともにnoteでも発信されています。 私もMOTOさんと同じような価値観を持っていて、それを元に「私

    • 2024年の春分。

      note一周年昨日は春分でしたね。 昨年の春分からnoteを始めたのでちょうど一年経ちました。 自分が日々考えているモヤモヤを言葉にしてみる言語化への挑戦。 頭の中に散らかっていた思考が整理されることで点と点が繋がって線になり、自分に必要なものが何なのかがよりクリアになってくる。 そんな効果が言語化にはあるようです。 一年間やってみてそんな風に思いました。 そしてそれをnoteで発信することで、記事に興味を持って下さった他のnoterさんとのコミュニケーションも最近徐々に増え

      • 私的アート思考episode.4 絵画ってどう見るの?

        はじめての美術館高校二年生のとき、I先生の提案で美術部の皆で東京の美術館に行くことになりました。 このときまで私は美術館へ行ったことがなく、有名な絵画は美術の教科書や美術室にある画集でしか見たことがありませんでした。 先生が選んだ展覧会は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムの「デ・キリコ展」。 なぜこのときI先生はこの展覧会を選んだのかな?とときどき思い出すのですが、先生が描かれていた作品から推測するに、デ・キリコのような表現を好んでいたのかもしれません。 当時デ・キリコ

        • 私的アート思考episode.3 美術室という居場所

          先月開催されたグループ展が無事終了しました。 ギャラリーまで足を運んで下さった方、SNS等で応援して下さった方、関わって下さった全ての皆様に感謝です。 どうもありがとうございました! 今後も精進してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 さて、こちらのマガジンを10月末から更新していなかったので、早速続きを書いていこうと思います。 高校時代の美術部のお話です。 女子高生のエネルギー私の入学した高校は県立の女子高で、地域の進学校でした。 主に大学進学を目指す

        「私的アート思考」が伝えたいこと。

        マガジン

        • 私的アート思考
          6本

        記事

          自分の人生は自分だけのもの

          新年明けて初めてのnoteです。 展示の準備などで慌ただしい日々を過ごしていましたが、少し落ち着いてきましたので忘れないうちに今の想いを書き残しておこうと思います。 制作の話と、ちょっと星の話が出てきます。 (加筆・ちょっとではなくかなり星の話を書いていましたw) 冥王星が水瓶座に1月12日より始まったs+artsでのグループ展も会期半ばを過ぎました。 27日が最終日になりますが、この期間中、占星術に興味のある方々の界隈では1月21日に起こる「冥王星の水瓶座移動」がホットな

          自分の人生は自分だけのもの

          展示のお知らせ【 s+arts new year exhibition 】

          来月グループ展に参加します!s+arts new year exhibition 2024.1.12(金)-1.27(土) ※日、月、火曜休廊 12:00〜19:00(最終日は17時まで) https://www.splusarts.com/newyearexhibition2024 来月、東京・六本木にある現代アートギャラリー・s+artsのグループ展に参加します。 こちらのs+artsは、スタッフの皆様のアート愛とお客様へのホスピタリティに溢れたとても素敵なギャラリーで

          展示のお知らせ【 s+arts new year exhibition 】

          画家という仕事、そして生き方③

          こちらの記事の続きです。 三角から円環の社会へコロナ禍以降急速に変わっていく社会の中で、同様に人々の価値観や常識もすごい速さで変わっていっているのは誰もが感じていることだと思います。 物質的なものやお金の価値が一番高く、その利益追求のために多くのもの(自然や人の精神性)が犠牲になってきたのが近代社会であり、その歪みを修正し、自然を含めた誰もが無理なく調和した社会を未来社会とするならば、今はちょうどその間の過渡期なのではないかと感じます。 そこへ向かう為に様々な問題が噴出

          画家という仕事、そして生き方③

          画家という仕事、そして生き方②

          こちらの記事の続きです。 画家の想いが詰まったマチエールこういった話を聞いて実際に作品を鑑賞すると、やはり今までの加茂くんの絵より更に強いものを感じられる気がしました。 彼の作品は油絵具をかなり重ねて出来上がる厚みのあるマチエールが特徴的ですが、今回の作品はそのマチエール部分に使われているのが自作の油絵具の為、その意味合いが更に増しているように感じられ、非常にやるせない悲しい風景であるにも関わらず、そういった画家の意図からくるエネルギーが画面から放たれているように思えまし

          画家という仕事、そして生き方②

          画家という仕事、そして生き方①

          加茂昂くんという画家について友人で画家の加茂昂くんの個展が11月11日より浅草橋のギャラリー「PARCEL」で始まるそうです。 私は今年3月に川越で開催された加茂くんの個展へ行った感想や、作家本人から見聞きしたことをまとめた解説文を自分のWEBサイトのブログに書いていたのですが、より多くの方に加茂くんの制作活動について知っていただけたら嬉しいなと感じましたので、このnoteに転載したいと思います。 (とても長いので全3回に分けてUPします) ご興味ございましたら是非ご覧くださ

          画家という仕事、そして生き方①

          私的アート思考episode.2 はじめての油絵

          憧れの油絵具A先生の油彩作品を見てとても感動した私は、油絵具という画材にとても興味を持ちました。 当時中学校の授業で使う絵具は水彩のポスターカラーだったので、本格的な絵画の画材のイメージのある油絵具を使って絵を描いてみたいという憧れのような気持ちが沸々と湧き始めたのです。 そんな風に感じていた中学三年生のとき、美術、音楽、技術家庭の実技系科目の中から好きなもの一つを選択して受けられる選択授業というものがありました。 私は美術を選択したところ、なんとA先生はその授業の中で油彩画

          私的アート思考episode.2 はじめての油絵

          私的アート思考episode.1 美術との出会い

          絵を描くのが好きな子ども私は福島県沿岸部の小さな町に生まれ育ちました。 小さな子どもの頃から絵を描くのが一番好き。 可愛い女の子、素敵なドレス、自分の頭の中にある素敵な夢みたいな世界。 紙と鉛筆を渡せばひたすらずっと空想の世界を絵に描いているような子どもでした。 両親は共働きで祖母の家で過ごすことが多かったので、祖母は私のために裏面が白いチラシや、時期が過ぎたカレンダーなどをとっておいてくれていました。 ツルツルした光沢のある素材のチラシは鉛筆がすべって描きにくいから、ちょっ

          私的アート思考episode.1 美術との出会い

          私的アート思考episode.0 始めます。

          「アート思考」って何?「アート思考(Art Thinking)」 という言葉をご存知ですか? アート思考に関する本はたくさん出版されていて、その中の一冊、末永幸歩さんの「13歳からのアート思考」という本の一節では、 という説明がなされています。 アーティストが作品を生み出す過程の思考法をそのように呼ぶようなのですが、最近、その思考法が今の混沌とした世の中を生きる上で見直されてきているそうなのです。 確かに、いろいろな意味で「多様性」がどんどん広がっている今の社会。 あれもア

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          Happy birthday to me!

          前回の記事更新から三ヶ月… GWに久しぶりに美術館を訪れてとても感動し、それをヒントにまた別の記事が書けそう!と思い立っていろいろリサーチしていたら、日々の慌ただしさに飲み込まれてすっかり書くタイミングを逃し、気づけばこんなに月日が経ってしまいました。 noteは勢いで書くのも大事なんだな!と思い、今日はノリのままに書いてみます。 40歳になりました というわけで、先日お誕生日を迎え40歳になりました。産まれてから40年も経ってしまったことに驚きを感じますが、個人的には2

          Happy birthday to me!

          絵画の価値について考えてみる。

          軽井沢安東美術館先日、軽井沢へ旅行に行ってきました。 以前何度か軽井沢へ旅行したことがありましたが、ここ数年の私生活の変化や感染症の流行などもあり、GWに旅行へ行くのは久しぶりです。 新幹線を降り、ワクワクした気持ちで駅から宿泊施設までの道を歩いていたところ、道の反対側に以前まではなかった新しい建物が建っているのが見えました。 温かみを感じる赤茶色のレンガの壁面と、すっきりしたガラス張りのエントランスがとても印象的な建物で、ガラス窓には藤田嗣治の猫や少女の作品のビジュアルが貼

          絵画の価値について考えてみる。

          noteを始めた理由

          春分の日にこのnoteを初めてみたはいいものの、子どもたちの入園進級の準備や自分自身の仕事復帰など、春の慌ただしさに追われ全く書く時間が持てませんでした。そうこうしてる間に5月になってしまった!これじゃダメだ!ということで、とりあえずなぜnoteを始めたいと思ったのか思いつくままに書いてみようと思います。 意味を固定化することが怖い私は2010年から画家として作家活動をしています。主に色鉛筆やアクリル絵の具を使って絵を描き、個展やグループ展で発表してきました。作品のコンセプ

          noteを始めた理由

          note始めてみます。

          初めまして、こんにちは。 私は絵画制作をしている増田有美と申します。 日常から得たインスピレーションを頼りに、そのときの自分と自分を取り巻く世界の関係を一枚の絵で表現しようと試みています。 2023年3月21日春分。 今日は何かを始める日にとても適している一日だそうです。 自分の作品の説明やそれにまつわるお話、制作中に考えたことや気がついたこと、家族や友人などの大切な人たちとの関わりの中で学んだことなど、自分の心の中でキラリと光る出来事をこのnoteに書き残していきたいと思

          note始めてみます。