増田有美

日常の中で自然に受け取る閃きをヒントに絵に描いています。制作を続ける中で気がついた、心…

増田有美

日常の中で自然に受け取る閃きをヒントに絵に描いています。制作を続ける中で気がついた、心がふわっと軽くなるようなことを丁寧に言葉にしていきます。 https://masudayumi.jimdofree.com/

マガジン

  • 私的アート思考

    私はこれまで何か行き詰まったときには「視点を変える」ことで現状を打破するヒントを見つけてきました。この思考法は「アート思考」なのかも。という前提を元に、美術が身近ではなかった私がどのようにアート思考を後天的に身につけていったのかという観点で、自分のこれまでを振り返ってみます。

最近の記事

  • 固定された記事

「私的アート思考」が伝えたいこと。

絵.cocoroさんのインタビューnoteの相互フォローがきっかけでお知り合いになれた絵.cocoroさんに、先日アーティストインタビューをしていただきました。 「アートと心を見るブログ」というコンセプトで運営されている絵.cocoroさん。 運営者のMOTOさんはアート鑑賞を軸に、主体的に物事を思考するための様々なヒントを発信されていて、ご自身が運営されているブログとともにnoteでも発信されています。 私もMOTOさんと同じような価値観を持っていて、それを元に「私的ア

    • 新しいAIZUの美術展2024

      グループ展参加のお知らせ秋分を越えようやく空気が秋らしくなってきました。 今年の夏は本当に厳しい暑さが続いていたので、ふとしたときに体を吹き抜けていく風のさわやかさに幸せを感じます。 さて、そんな秋らしさをやっと感じ始めた10月初日。 展示のお知らせをさせていただきます。 10月4日から会津若松市文化センターで開催される「新しいAIZUの美術展2024」というグループ展に参加致します。 「新しいAIZUの美術展2024」 主催:公益財団法人会津若松文化振興財団 会期:20

      • 私的アート思考episode.5 美大受験

        美術予備校で学んだこといよいよ美大受験の話について書いていくぞ~!と書き始めてはみたものの、いざやってみると、何をどのようにまとめたらいいのか迷子になってしまいました… 私は高校二年生の夏期講習から、東京にある立川美術学院(立美)に通っていました。 高校生~予備校生~仮面浪人生の足掛け4年。 たくさんのエピソードを振り返ってみると、予備校で学んだ多くのことは絵を描く技術的なことであり、このマガジンの主軸となる「アート思考」的な観点で書けることは、それほど多くないのかもしれ

        • 言葉にできないこと

          noteを始めてから言葉に重きを置きながらずっと過ごしていたけれど、最近ふつふつと感じているのは、やっぱり言葉にできないことって存在するよなということ。 言葉はとても便利な伝達手段だけれど、想いを言葉にすることで本当に伝えたい部分の一部が欠けてしまったり、逆に大袈裟に伝わってしまったりすることがある。 そんなもどかしさをどうにか別の方法で表現するために、人は絵を描いたり、歌ったり、奏でたり、踊ったりするんだなあ~なんて、前にも増してアートの存在意義を感じている。 自分な

        • 固定された記事

        「私的アート思考」が伝えたいこと。

        マガジン

        • 私的アート思考
          7本

        記事

          誰かの想いを待つ余白④

          化石としての風/復興としての土半地下の新作群を見終わり、一階とエントランスに展示されていた過去作品を改めて見てみました。 加茂くんはこれまで「風」と「土」をテーマとして作品を制作していて、その代表作と呼べるものたちが展示されていました。 「風土」に繋がるこの「風」と「土」について、ギャラリー配布のハンドアウトではこのような説明がなされていました。 祈りとしての風土そして「風土」について、加茂くん自身はこのように語っています。 表現の変化に見られる作家の変容の軌跡福島へ足

          誰かの想いを待つ余白④

          誰かの想いを待つ余白③

          そして①と②の間にある壁面に展示されていたこちらの作品。 大きな油彩と、その隣にイーゼルに掛けられたスケッチが展示されています。 今回のメイン作品と思われるこちらの作品。 150号ととても大きな画面に、非常にラフなタッチで景色が描かれているのが印象的な作品です。 これまで見てきた他の油彩作品は作家の視点や世界観を元にかなり作りこまれた画面であるように感じたのですが、この作品にはそういった作家の支配性を良い意味であまり感じない、とてもリラックスしたようなゆるい空気を感じました

          誰かの想いを待つ余白③

          誰かの想いを待つ余白②

          私の実家をモチーフにした作品が展示されている反対側の壁面には、人物のシルエットとその中に別の風景が描かれた作品が展示されていました。 震災後、加茂くんは双葉郡に取材のために通ったり滞在制作をしているうちに、たくさんの方と知り合うことになったそうです。 こちらの連作も加茂くんが実際に会って話したことがある、福島に住む人々がモデルになっているそうで、彼らとのコミュニケーションの中で知りえたそれぞれのリアルな物語がそのシルエットの内側に描かれているという、多層構造になっている作品

          誰かの想いを待つ余白②

          誰かの想いを待つ余白①

          『化石としての風/復興としての土/祈りとしての風土』昨年の11月のことになりますが、浅草橋のギャラリー「PARCEL」で開催中の加茂昂くんの個展へ行って来ました。 年を越えて季節は初夏… だいぶ間が空いてしまいましたが、自分の記録として展示を見て感じたことや考えたことをまとめてみます。 2023年3月の個展では「土」をテーマとして、「堆肥化」という概念を用いて自らの排泄物から油絵具を作り、それで絵を描くという新しい展開を見せていた加茂くん。今回は、 『化石としての風/復興と

          誰かの想いを待つ余白①

          2024年の春分。

          note一周年昨日は春分でしたね。 昨年の春分からnoteを始めたのでちょうど一年経ちました。 自分が日々考えているモヤモヤを言葉にしてみる言語化への挑戦。 頭の中に散らかっていた思考が整理されることで点と点が繋がって線になり、自分に必要なものが何なのかがよりクリアになってくる。 そんな効果が言語化にはあるようです。 一年間やってみてそんな風に思いました。 そしてそれをnoteで発信することで、記事に興味を持って下さった他のnoterさんとのコミュニケーションも最近徐々に増え

          2024年の春分。

          私的アート思考episode.4 絵画ってどう見るの?

          はじめての美術館高校二年生のとき、I先生の提案で美術部の皆で東京の美術館に行くことになりました。 このときまで私は美術館へ行ったことがなく、有名な絵画は美術の教科書や美術室にある画集でしか見たことがありませんでした。 先生が選んだ展覧会は渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムの「デ・キリコ展」。 なぜこのときI先生はこの展覧会を選んだのかな?とときどき思い出すのですが、先生が描かれていた作品から推測するに、デ・キリコのような表現を好んでいたのかもしれません。 当時デ・キリコ

          私的アート思考episode.4 絵画ってどう見るの?

          私的アート思考episode.3 美術室という居場所

          先月開催されたグループ展が無事終了しました。 ギャラリーまで足を運んで下さった方、SNS等で応援して下さった方、関わって下さった全ての皆様に感謝です。 どうもありがとうございました! 今後も精進してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。 さて、こちらのマガジンを10月末から更新していなかったので、早速続きを書いていこうと思います。 高校時代の美術部のお話です。 女子高生のエネルギー私の入学した高校は県立の女子高で、地域の進学校でした。 主に大学進学を目指す

          私的アート思考episode.3 美術室という居場所

          自分の人生は自分だけのもの

          新年明けて初めてのnoteです。 展示の準備などで慌ただしい日々を過ごしていましたが、少し落ち着いてきましたので忘れないうちに今の想いを書き残しておこうと思います。 制作の話と、ちょっと星の話が出てきます。 (加筆・ちょっとではなくかなり星の話を書いていましたw) 冥王星が水瓶座に1月12日より始まったs+artsでのグループ展も会期半ばを過ぎました。 27日が最終日になりますが、この期間中、占星術に興味のある方々の界隈では1月21日に起こる「冥王星の水瓶座移動」がホットな

          自分の人生は自分だけのもの

          展示のお知らせ【 s+arts new year exhibition 】

          来月グループ展に参加します!s+arts new year exhibition 2024.1.12(金)-1.27(土) ※日、月、火曜休廊 12:00〜19:00(最終日は17時まで) https://www.splusarts.com/newyearexhibition2024 来月、東京・六本木にある現代アートギャラリー・s+artsのグループ展に参加します。 こちらのs+artsは、スタッフの皆様のアート愛とお客様へのホスピタリティに溢れたとても素敵なギャラリーで

          展示のお知らせ【 s+arts new year exhibition 】

          画家という仕事、そして生き方③

          こちらの記事の続きです。 三角から円環の社会へコロナ禍以降急速に変わっていく社会の中で、同様に人々の価値観や常識もすごい速さで変わっていっているのは誰もが感じていることだと思います。 物質的なものやお金の価値が一番高く、その利益追求のために多くのもの(自然や人の精神性)が犠牲になってきたのが近代社会であり、その歪みを修正し、自然を含めた誰もが無理なく調和した社会を未来社会とするならば、今はちょうどその間の過渡期なのではないかと感じます。 そこへ向かう為に様々な問題が噴出

          画家という仕事、そして生き方③

          画家という仕事、そして生き方②

          こちらの記事の続きです。 画家の想いが詰まったマチエールこういった話を聞いて実際に作品を鑑賞すると、やはり今までの加茂くんの絵より更に強いものを感じられる気がしました。 彼の作品は油絵具をかなり重ねて出来上がる厚みのあるマチエールが特徴的ですが、今回の作品はそのマチエール部分に使われているのが自作の油絵具の為、その意味合いが更に増しているように感じられ、非常にやるせない悲しい風景であるにも関わらず、そういった画家の意図からくるエネルギーが画面から放たれているように思えまし

          画家という仕事、そして生き方②

          画家という仕事、そして生き方①

          加茂昂くんという画家について友人で画家の加茂昂くんの個展が11月11日より浅草橋のギャラリー「PARCEL」で始まるそうです。 私は今年3月に川越で開催された加茂くんの個展へ行った感想や、作家本人から見聞きしたことをまとめた解説文を自分のWEBサイトのブログに書いていたのですが、より多くの方に加茂くんの制作活動について知っていただけたら嬉しいなと感じましたので、このnoteに転載したいと思います。 (とても長いので全3回に分けてUPします) ご興味ございましたら是非ご覧くださ

          画家という仕事、そして生き方①