「須磨の水族館へ行こう」と祖母にわかりにくく誘われたときの話
11月の祝日。そろそろ風が冷たくなる曇り空の日。自宅から自転車で15分のマンションに住む祖母のところへ向かった。
幼いころから母方の祖父母の家で過ごす時間が長かった私は、祖父母の家が私にとってもうひとつの家だった。祖父が亡くなり、祖母が駅前のマンションに引っ越してからも、それは変わらなかった。
私は母と折り合いが悪く、母は祖母(母の母)と仲がいいのか悪いのかよくわからない。そして私は幼いころから祖母が好きで、小学校に上がるまで昼間のほとんどを祖父母たちと過ごしていたせいも