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実話怪談

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2021年4月の記事一覧

声

実家で発熱して、寝るばかりの現在

左側から、女性の声がする。

飼い犬が吠えれば『うるさい!もー、○○(聞き取れず)なんだからぁ……』と不満を呟き、

横になったまま咳をすると『あー、たいへん。死んじゃう。』と縁起でもない心配の言葉を言う。

祖母ではない声が、どこから来たのか。

分からないままだが、祓いに行く体力が無いため、同居の形になっている。

この女性は名前を付けたら使役になるのかしら

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祖父と叔父

祖父と叔父

祖父は信心深い人でした。

祖父の祖母(私にとって曾曾祖母に当たる方)が、宗派のお山に席があったそうで、その影響を強く受けたのが祖父だったそうです。

曾曾祖母は、お弟子さん達と大きな数珠を回しながら降霊術をして、相談者さんの悩みに応えていたそうですが、それを間近で見て育った祖父が、信心深くなるのは自然なことだったのでしょう。

ただ、信仰が深くても、祖父は霊が見えたという話を一切家族にしませんで

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部屋の見えない住人『おじさん』

部屋の見えない住人『おじさん』

住んでいる部屋には、どうやら霊道が通っています。
この話をすると、皆さんが気にされて質問してくるのは、
「何で霊道ってわかるの?」
「何で引っ越ししないの?」
この2点が圧倒的に多いです。

霊道だと感じたのは、出る霊障のバラエティの富み方と、関わってくる幽霊の年齢層の幅の広さです。
前回書いた話(二階の部屋)で、窓に時計をかけたことで霊道を塞いだことをお話ししました。
「部屋の壁4辺に物を飾ると

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二階の部屋

二階の部屋

引っ越して来て10数年経つ家の話です。

そこは、都内の繁華街にあるマンションです。
駅近5分、南向き1K、マンション前にコンビニエンスストアがあり、繁華街で多少騒がしい割に、部屋自体の気密性が高く、エアコンの効きが良い物件です。
引越しの時に少し気になったのは、ベランダに出るとすぐ目の前に、ビルとビルの間の狭い隙間が見えることでした。
駅近の割には家賃も相場よりはほんの少し割安の良い物件でした。

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