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実話怪談

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2021年2月の記事一覧

奪衣婆になった祖母

奪衣婆になった祖母

昨年、夏頃に夢を見ました。
そこでは、15年ほど前に亡くなった祖母が居間にいて、家族と会話をしていました。

祖母は、亡くなった当時から、私の夢にたびたび表れていて、その度にあれがない、これがない、これが食べたい、あそこを直せ……云々と、色々な注文をつけていました。

また、一人暮らしだった私に、『実家で〇〇がないと言っている』などの伝言をして、私が買って実家を訪れると「なぜそれを知ってるの?」と

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黄色いおじさん

黄色いおじさん

以前勤めていた学校の第二美術室に、『黄色いおじさん』と呼ばれるモノが居ました。
私が異動してくる以前からそこに居たそうで、中学生の子供達からは
「黄色いおじさんが○○のことを見てる。」
「黄色いおじさんは窓から出入りしてた。」
「黄色いおじさんが変な笑い方してたから、絶対に何かが起きる。怖い。」
などと、あまり良くない目撃情報がチラホラとありました。

ある年、霊が見える子が入学しました。
彼女は

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梟と天狗

梟と天狗

小学生の時に、ほぼ毎年、長期休みにはその都度2、3回、キャンプに参加させられていました。

小学生時代の私は、大人に囲まれて育って社交性にかけていたせいか、母方家族はなんとか集団生活を経験させたかったようです。

当時、幽霊らしきものが見えてしまうこともあり、かまってちゃん的な発言が多かった私でしたが、初めて会う方たちには流石に猫を被って、おとなしくしていました。

その効果と、父方の血筋なのか生

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北海道の609号室

北海道の609号室

昨年の11月に、友人と2泊3日の予定で北海道へ旅行に出かけました。

仕事の関係で、初日は札幌に着いたのが20時になっていました。

当初の予定では、初日はススキノに遊びに行くはずだったのですが、連れがあまり気乗りしない様子でしたので、初日は明日以降の予定を立てることにして、ホテルで軽く飲むことにしました。

コンビニで色々買い込んで、部屋で飲みながら明日の計画を話していたんですが、そのうちに夜も

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