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高知県安芸市の古民家ホステル『東風ノ家』に泊まったら超素敵だったレポ!

こんにちは。
現在私はnoteで、四国歩き遍路について書いておりまだ完結していませんが、今回は全然違うことを書きます。

私は高知県東部の尖がった岬・室戸岬のある室戸市に住んでいます。

先日、室戸市から車で一時間の高知県安芸市にある古民家ホステル『東風ノ家(こちのや)』に泊まってきましたので、その様子をレポートしたいと思います。




住んでいるところから車で一時間の距離なので、普段はわざわざ泊まることもありませんが、今回は宿が募集していた宿泊モニターとして泊まることができました。ずっと泊まってみたかった宿なので、念願叶いました!

モニターツアーなので、夕食や町歩きガイド付きという通常の宿泊プランとは異なる内容ですが、今回の体験を通して知った東風ノ家の魅力をお伝えしていきます。



風情ある古民家に泊まる


東風ノ家の建物は、昭和12年に建てられた木造平屋で、土佐漆喰や伝統の瓦屋根、珍しい青色の漆喰壁などが残るお屋敷です。


間取り画像引用:東風ノ家HP

玄関を入ってすぐのラウンジでチェックインをします。

元々靴を脱いで上がる台所だったというこの場所は、店主の仙頭さんが「宿泊客と地元の人が交流できるスペースにしたい」との想いから、気軽に入れるよう土間にしたそうです。イベントの日やバー営業の夜にはたくさんの人が集います。

天井には、地元作家さんにオーダーメイドで作ってもらったというステンドグラスのランプシェードが。カフェスペースも併設されており、居心地がよい空間です。

私が泊まった部屋は、「志(こころざし)」という小さな一人部屋。

デスクは、リメイクされた古いミシン台

珍しいのは、お風呂場に行く廊下にある「群青漆喰」という壁。鮮やかな青色は、安芸市周辺で昭和初期まで壁塗りに使われていた色で、他の地域ではあまり見ないそうです。

「群青漆喰」の壁。当時の材料がもうないので、現在ではもう作れないそう。

他にもワークスペースや貸切できる広間、談話室などがあり、長期滞在でワーケーションするにもちょっとしたイベント企画で団体利用するにも良さそうです。

談話室(のようなところ)
高知県東部のパンフレットや宿主さんの本が置かれたコーナー
広間の縁側
昔「女中部屋」だったという場所をワークスペースに
廊下の窓からは中庭が見える

ただ寝るだけではもったいない宿で、店主の仙頭さんとゆっくり話したり、本を静かに読んだりと、東風ノ家で過ごすことを楽しむ旅がいいなと思いました。

素泊まり宿ですが、近隣にはたくさんの飲食店とスーパーがあるので食事には困りません。むしろ仙頭さんがおすすめしてくれるお店すべてに行きたくなるので、何日か滞在して町歩きとともにモーニング・ランチ・ディナー、そしてスナック巡りをするのも楽しいだろうなと想像します。

そして何より、写真を撮って思わず友人に紹介したくなる宿です。


この記事を読んでいるあなたが、東風ノ家に泊まってみたい!と思ってくれると嬉しいです。

物件を借りたときにあったという昔の本
簡単な調理場もあります
静かなインテリア
少し歩けば太平洋に沈む夕日が見られます(厳密には遠くの山に沈む)
山並みが美しい



宿泊客や地元の方との交流


私は今回宿泊モニターに当選して東風ノ家に泊まったのですが、自由な時間もありつつ、他の参加者たちとも交流できるタイムスケジュールとなっていました。


夕食はみんなで皿鉢(さわち)料理を囲んで団らん。土佐の「おきゃく」を体験します。

皿鉢料理とは、大皿に盛った高知のオードブルのこと。オードブルと言っても、唐揚げやエビフライなどのおかずだけでなく、田舎寿司などのごはんもの、羊羹や果物といったデザートまですべてが、皿鉢と呼ばれる大皿に乗っているのが特徴です。

皿鉢料理
鯖寿司、手巻き寿司、からあげ、エビ、カニ、団子、羊羹、果物などなど
高知の新鮮な刺身!
モニター参加者たちで宴会の始まり!

高知では行事ごとの後に大勢で集まって「おきゃく」と呼ばれる宴会をします。皿鉢料理は特にそういった祝い事の席などで出される盛大な料理なのです。

高知県東部の日本酒を飲み比べながら、わいわいと会話が弾みます。


東風ノ家では、毎日ではないですが夜にバー営業をしている曜日があります。地元のお客さんもやって来るので、土間のラウンジで気軽におしゃべりできます。この日も何人かの方が来られて、私たちは皿鉢料理を堪能した後、ラウンジに合流して地元客との会話を楽しみました。

私は今まで色々と旅をしてきてアットホームなゲストハウスにもたくさん泊まってきましたが、店主や他の旅人とは仲良くなれても、地元民と交流できる宿は多くありません。

一泊の旅行だけではなかなか知ることができない町の歴史や発展の話を、お酒を飲みながら聞けるのはとても貴重な機会だと感じました。

そして地元の方と話していると、今度こんなイベントや祭りがあるよと教えてくれて、またすぐに来たくなるのです。

バーに飲みに来た地元の方々と交流



歴史を感じる安芸の町歩き


翌朝、東風ノ家の店主・仙頭さんに安芸の町を案内してもらいました。

まずは喫茶店で朝食をいただきます。高知のモーニングは、和食でもパンでも、必ず味噌汁が付いてくるのが特徴。安芸の名物であるちりめんじゃこを使った、ちりめんトーストのモーニングをいただきました。

じゃこの塩気ととろけるチーズが絶妙にマッチして美味!

その後は海の方へ向かって散策します。安芸の町は、国道より山側にある野良時計や昔の武家屋敷が有名ですが、今回は国道の南側を歩きました。かつては活気があった商店街や小道をゆっくり歩くと、車で通るときには気付かなかった細部が見えてきます。

国道の北には「野良時計」「武家屋敷」、南側は昔からの商店街

日本の伝統的な壁塗り様式に「なまこ壁」というものがありますが、安芸市では壁の「目地」の部分が細いのが特徴だそうです。

また建物の外壁に「水切り瓦」がたくさんある家があり、水切り瓦の多さが裕福さの象徴だったとのこと。

「水切り瓦」と安芸市に多い「なまこ壁」の目地が細い壁
多すぎる水切り瓦!!!

私が興味を引かれたのは橋の欄干で、様々な絵が橋ごとに描かれていました。

鯉の絵
童謡モチーフかな?

また、昔は山から切り出した木材を船で川から海へ、そして大阪へ運んでいて、その仕事の様子を責任者が高台の屋敷から看視していた、という話を聞きながら実際に河口周辺を歩いたことも面白かったです。

見るからに古い家の外壁が少し剥がれていて、この壁の中には江戸時代の新聞が詰まっている、なんて話も聞きました。

これも欄干がかわいい
鯉が泳ぐ川
店主の仙頭さんに案内されながら、川沿いを歩く

路地には個性的な名前のスナックがたくさんあり、鮮やかな看板が目を引きますが、今は営業していないものもあるそう。ですが仙頭さんの「ここのママは面白い」「ここは同い年くらいのオカマの人がやってるバー」という話を聞いていると、安芸のスナック巡りをしてみたくなりました。

他にも、昔からある畳屋さんや金物屋さん、ガソリンスタンドの話を聞きながら日曜のため閉まっている店の前を通ると、今度は店が開いている日に伝統工芸見学をしてみたいなぁと思いました。

私にとって安芸市はそこそこ馴染みがある町でしたが、案内をしてもらいながら歩いてみると、全然知らなかった風景が見えてきました。こんなにディープな町だったんだ!と感動を覚えました。

レトロ好きにはたまらん。

有名な野良時計の絵が描かれたマンホール
レトロな街並み
これは不思議な趣ある建物

私が住んでいる室戸市の紹介もまた今度したいと思います!

読んでくださってありがとうございました!
ぜひ高知県東部と古民家ホステル『東風ノ家』さんに遊びに来てくださいね~。

写真はすべて私が撮影したものです。


古民家ホステル『東風ノ家』
高知県安芸市矢ノ丸一丁目9-28
Instagram: @kochi.noya.hostel

#東風ノ家 #古民家 #安芸市 #kochinoyahostel


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