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技術書を25冊書いた著者はどうやって「文章」を書いているのか?

他人がどうやって文章を書いているか。
そんなことはあまり気にしたことがありませんでした。
そして、自分がどうやって文章を書いているか。
それも自分でもよくわかっていません。

そんな中、以下の記事を読み、この記事を書くことにしました。

私がどんな文章を書いているか

まずは「文章」とは何か、というところから考えてみます。
コトバンクによると、「文がいくつか集まり、かつ、まとまった内容を表すもの」。

つまり、X(Twitter)のような短文の投稿を含めないとすると、多くの人が私の文章を読むのは、このnoteか書籍でしょう。
noteにはこれまで100記事ほど投稿してきました。それなりに文章を投稿してきたと言えるでしょう。

そして、書籍は商業誌だけでもこれまでに25冊ほど書いてきました。
同人誌や通信教育のテキストなどもあるので、技術者としては多い方かもしれません。

そして、書いてきた文章は主に技術系のものです。このnoteでは技術的なものは多くなく、書籍の宣伝などもありますが、書籍はほぼ技術的な内容です。

書籍をどうやって書いているのか

まずはわかりやすいところから、書籍の執筆について書いてみましょう。
どんなツールを使っているのか、といったところはIPUSIRONさんとの共著である『「技術書」の読書術』でも書いたので、そちらを読んでいただければと思います。

ツールよりも、どうやって書き進めるのかの方が興味がある人が多いでしょう。
書籍の場合、まずは出版社の企画会議を通す必要があります。

まずは「どんなテーマの本を書くのか」を考えます。
すでに世の中にある本と同じ内容を書いても意味がないので、まずは世の中にある本をリサーチします。そして、他の本が取り上げていないようなテーマを探すのです。

このとき、テーマだけでなく読者を想像することもあります。たとえば、私はセキュリティについての本を3冊書いています。
「1冊にまとめて書けよ」と思われるかもしれませんが、これは読者が異なるからです。プログラマなどITの専門家に向けて書く本、企業の情報システム担当者に向けて書く本、一般の利用者に向けて書く本では、前提となる知識も違いますし、それによって使える言葉も違います。
これによって、それぞれ違う本が必要になるのです。

そして、テーマや対象読者が決まれば、目次を作成します。
このときは、大きく2通りの方法を使います。
大項目から小項目に向けてブレイクダウンしていく方法と、小項目をとにかく挙げてそれをまとめていく方法です。

実際には、これを両方から繰り返して、抜けや漏れがないことを確認します。そして、それぞれにどのくらいのページ数を使うのかを積み上げて、書籍としてのページ数を計算します。

そして企画書を作成し、企画会議を通過すれば執筆開始です。
ただひたすら前から順に書き続け…
と言いたいところですが、そんなに単純ではありません。

自分の頭では理解しているつもりであっても、文章として書こうとするとまったく書けないことは珍しくありません。
そう。書きたいことはあるのに、自分の力が足りなくて書けないのです。

そんなときはどうするか。

ひたすら勉強するしかありません。本を読み、実際に手を動かして確認し、独自の技術を試し、ということを繰り返すことになります。
限られた時間の中で、試行錯誤しながら書いていきます。

当然、前から順番に書くというよりも、一言で言えば「思いついたところから」「書けるところから」です。
そして、それを積み重ねているうちに、書籍ができていきます。

ちなみに、タイトル(書名)の話が出てきませんでした。
それは、タイトルは考えないからです。
書籍においては、仮のタイトルは考えますが、実際のタイトルは出版社(編集者)にて決まります。
このため、タイトルはほぼお任せです。

noteの記事をどうやって書いているのか

上記のような書籍の執筆については、多くの技術書の著者が同じなのでは?と思っています(違う方はぜひ教えて欲しいです)。

そして、前置き?が長くなりましたが、今回のようなnoteの記事をどうやって書いているのかを考えてみます。
noteの記事については、書籍の執筆とはまったく異なるアプローチです。

テーマは漠然とありますが、そのテーマもよく分からずに書き始めます。
今回はぷーおんさんの記事がスタートですが、どんなことを書こうかとほぼ考えずに、頭に思いついたことを書き連ねています。

つまり、読者の対象も考えませんし、目次も考えません。
そして、上から順にただひたすら並べていきます。
ここまでの文章も上から下にただ入力しているだけです。

普段は最後に少しだけ校正(というか誤植を探す程度)をするくらいで、ほぼそれで終わりです。
このため、1時間も書かずに書いてしまいます(今回もそれくらいの予定)。

文体などはあまり気にせずに、ただ思いついたものを垂れ流している感じです。
ちなみに、タイトルも現時点では空っぽです。
なぜなら、noteで「新規記事を作成」とすると、カーソルがタイトル欄にあるのではなく、本文の欄にあるからです。

noteの新規記事作成画面

なので、タイトルは最後に決めて書きます。

雑誌の記事などで5000文字程度になると、書籍のように事前に考えてから書きますが、1000文字から3000文字だと今回の記事と同じように、ただひたすら前から書いていきます(この記事も2000文字から3000文字程度になるはず)。

まとめ

記事を読んで、自分はどうやって文章を書いているだろう、と数分考えて、ざっと文章にしてみると、このような記事ができました。
私がこの記事を書くきっかけになったのも、今回のぷーおんさんの記事の末尾にある『僕は「あなたがどう書いてるか」が知りたいですね。』という言葉です。

私も、このnoteを読んだ方がどのように普段文章を書いているのか知りたいです。
ぜひ教えてください!

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