カメラマンさんにとって、仕事をしやすいライターとは?
インタビューライターのパートナーとも言える存在、それがカメラマンさんです。
一緒に仕事をしていてわかったのが、腕のある人がいいカメラを使えば、どんな被写体でも上手く撮れるというわけではないということです。
撮れ高に影響を与える大きな要素として、インタビューライターがインタビューを通じて、被写体であるインタビュイーの良さを、どれだけ引き出せるかということが挙げられます。
インタビューライター、責任重大だね!
カメラマンさんに「こいつやりづらいわ~」と思われるインタビューライターになりたくない!
ということで、知り合いのカメラマンさん4名に「撮影時に、どういったことにストレスを感じるか」という聞き込みを行い、得た回答の中から、インタビューライターの努力で改善できそうなものをまとめてみました。
ちなみに、なぜこのような聞き方をしたかというと、「どのようなインタビューライターだと、一緒に仕事をしづらいか」という問いの場合、インタビュライターの私を目の前にしてネガティブな回答はしづらいと思ったためです。
カメラマンさんはこういったときにストレスを感じる!(ライターの努力で改善できる編)
①被写体が動かないし、身振り手振りを一切行わない
まぁネットで探して、なんか適当なインタビュー記事を読んでみてください。
その記事に掲載されているインタビューカット(インタビューを受けている最中のインタビュイーの写真)の多くは、動きがあるものが多いはずです。
少なくとも、手を膝の上にそろえているということは、まずないかと思われます。
静止画だからこそ、動いているように見える動作が求められるという事情があるのでしょう。
でも、撮影慣れをしていない人だと、自然な身振り手振りができないケースが多いのですよ。
あまりにも少ないと、カメラマンさんからインタビュイーに「身振り手振りをつけてもらえますか(にっこり)」というリクエストが入ることもしばしば。
でも、やっぱり慣れてないから、ちょっと表情が硬くて不自然になることもあるんですよね。
インタビューライターとしてできることは、インタビュイーにリラックスしてもらったり、自ら大きな身振り手振りを行うことで、同じことをうながすといったことがあります。
私の場合ですが、マスクを着けていて、表情を見せづらいため、ちょっと大げさに笑ったり驚いたり、または身振り手振りを大きくしたりしています。
これにつられて、インタビュイーの動きが大きくなると感じることもあります。
ちなみに以前、有名な元・アスリートの女性にインタビューした際、カメラマンさんが「映りがいいから、3回くらいシャッターを切って、満足のいく撮れ高を得られた」と言っていました。
撮られることに慣れている人を撮影する場合、わりとあっさり終わるようです。
ということで、カメラマンやインタビューライターが(撮影に関して)さほど努力をしなくても成果を得られる場合があるし、おそらくその反対もあるはずです。
②ライターの手元に目線が行き、伏し目がちになる
私はインタビュー時に、質問事項を書いたポケットサイズのノートをテーブルに広げています(インタビューノートについては、またいずれ書きたいと思います)
やっぱり、インタビュイーからすると、「これからどのような質問が来るのか」「今、何をメモっているのか」などは気になるようです。
以前、幅が狭いテーブルをはさんで、インタビュイーと向かい合ったときがありました。
インタビュイーの目線がノートに向いたとき、距離がないことから目線が大きく下がってしまうということがありました。
「これはいかん」と思って、私は自分の膝の上にノートを置きなおしました。
インタビュイーからすると、ノートはテーブルの下に隠れ、完全に視界から消えたことになります。
すると、インタビュイーの目線が上がり、目と目を合わせながら、話をすることができました(あとはカメラマンさん次第だぜ!)
こういったこともあるので、インタビュイーの目線の先も少し意識しているといいと思います。
③ 画角がない
これは、その現場の状況次第でもあるので、ライターがどうにもできないことがあります。
が! できることもある!
例えば、インタビューライターの右側に椅子が1脚あり、その椅子の右側が壁だったとします。
もし、この椅子をどかせば、カメラマンさんが立つスペースが生まれ、右から撮影することも可能になります。
ところが、その椅子をどかさず、インタビューライターが自分の荷物をその椅子の上に置いたら、カメラマンさんは撮れない、もしくは撮りづらくなってしまいます。
ということで、カメラマンさんの動線も少しだけ意識すると、スムースかと思います。
まぁ、たいていのカメラマンさんは、自分でちゃんと動線を確保しますが、中にはシャイで自分からは言いだしづらいという人もいるかもしれないので。
④インタビュー中に、同行している編集者や営業が口をはさむ
どうしても必要な場合を除き、同席している編集者や営業が口をはさむのは、カメラマンさんにとって好ましくないようで、これはインタビューライターとしても、感じるところではあります。
カメラマンさんとしては、インタビューライターと、インタビュイーの言葉のキャッチボールの中で生まれる目線の動きや、身振り手振りを意識し、次の動きを予想しながら撮っているそうです。
しかし、編集者さんや営業さんが発言をすることによって、その流れが変わってしまうことが多々あります(そして、そういった編集者さんや営業さんの発言は、往々にして中身がないのであった……)
もし、同行する編集者さんや営業さんのそういった癖を知っている場合、あらかじめ「何か質問があったら、最後にまとめてお願いします(にっこり)」と、言っておくことができるかもしれない……?
まぁでも、そういった編集者さんや営業さんはそんなにいないし、なぜかその後顔を合わせることがなくなるのだが……。
カメラマンさんはこういったときにストレスを感じる!(ライターはどうにもできない編)
実際は、ライターがなーんにもできないことの方が多いです。
だから、ここから先のことは、インタビューライターが知っていても役には立ちません。
しかし、とても興味深いので、参考までに載せておきます。
・媒体から逆算して撮る(例えば、お堅い内容の雑誌&記事だとすると、求められるのは真剣な表情。もちろん記事の流れにもよるけど、大爆笑している写真は撮っても、あまり意味がない)
・女性で、界隈では有名だけど、テレビに出るほどでもないくらいの知名度の人は修正が多い(メイクさんがついていないから)
・芸能人を撮影する際は、あらかじめ宣材写真を確認しておく(被写体が一番よく見える角度を確認しておく)
・ソファだと格好よく撮れない(前傾姿勢になるし、来ているジャケットの形が崩れるから)
などがありました。
まとめ
正直なところ、インタビューライターは自分の仕事に集中すべきだし、こっちが気を使わなくても、カメラマンさんはプロとしてベストを尽くします。
でも、できることなら互いに気持ちよく仕事ができ、いい相互作用が働く方がいいですよね。
それに私としても、シャッター音が少ないと「私が話や表情を引き出せてないからか……?」と不安にもなるので。
なお、取材後にカメラマンさんから「インタビューイーをどの角度から撮っても、進撃の巨人の巨人みたいになってしまう(苦戦した)」といったようなことを聞くこともある(私は最中にどうすることもできなかったし、終わった後も何もコメントできないのであった)
この記事が駆け出しの(私もだけど)インタビューライターさんや、ひいてはカメラマンさんの役に立てれば幸いです。
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