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今夜はミスチルの良すぎる歌詞にただ浸りたい


こんにちは。季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか。


考える犬です。


さて今日の記事は、もうタイトルそのまま。

Mr.Childrenの良すぎる歌詞に、ただただ浸りたいよ!!

ただそれだけです。



みなさんも経験無いでしょうか?

なんとなく内省的な気分になってしまう少し肌寒い夜。
何気なく聞いた音楽の歌詞が不意に刺さって、たまらなくなること。

自分の場合は桜井さんの歌詞が、それはもう沁みて沁みて。
さながら高野豆腐のよう。心が渇いているからかな?


で、ミスチルの場合は誰もが知ってるヒット曲はもちろんのこと、今まで聞き流していたようなアルバム曲の中にも、何かのタイミングや波長が合うとスッと心に忍び込み、致命傷を負わされたりするので、油断できない。

今日は、そんな僕が過去に刺された歌詞を思いのまま挙げ、
つらつら語ってみたい。


…あれ?


なんだろう、書き出す前なのにもう寂しくなってきたんですけど。


誰か近くに来て、一緒にコーヒーでも飲んで欲しい。
できれば手も握っていてほしい。



…あ、先に言っておきますが、完全に順不同です。
思いつくままダラダラと書いていく所存である。


それではいきましょう。


1.Surrender


Coffeeくらいで火傷したのが
動揺してる証拠なんだけど
さよならを 君が急に云うからさ

Surrender/Mr.Children

完全に歌い出しのコーヒーに引っ張られたけど、まずはこれ。

何てことない歌詞に見えるけど、見れば見るほど完璧な歌い出し。

この、たった3行+サウンドで、


・だらっとした倦怠感
・君との心の乖離
・平静を装う僕
・でも内心めっちゃ動揺してる僕
・変に大人ぶろうとして、情けない僕



といった背景を瞬時に匂わせる。
3行の情報量じゃない。

というかこの曲に限らず、アルバム「Q」は、完全に桜井さんの頭がパッカーンとなっている気がする。覚醒状態というか。ネジを緩め切って、才能と狂気がビャービャー漏れ出ている。


「Q」、深海からの脱却。



無敵感がすごいんだけど、同時に危うさも感じさせる。
このまま突っ走ったら壊れてしまうんじゃないか、みたいな。


当時、彼は30代前半のはず。ミュージシャンとしての才能も、男としての魅力も、脂が乗り切っていたのだろう。

奇しくも僕も現在30代前半だ。
なぜだろう、目から何かビャービャー漏れだしそうだ。


…そうそう、同曲のブリッジの、ここも良い。

暗闇を照らしてよ あの頃のように
君なしじゃ不安定なんだよ

Surrender/Mr.Children

彼にあの声で歌われると、切実さが凄い。
彼の声は、切迫感を持つ曲と相性が良すぎる。


…と同時に、当時の女性からしたら
こんな男、堪らないんじゃないだろうか?


才能ギラギラで色気ムンムン、どこか危うい不安定さもある。
おまけにあのルックスに声である。

そんな奴に「君なしじゃ不安定なんだよ」なんて歌われたら、もう。


なんかもう、男の自分でも抱かれても良いと思うもの。


…変な話になってきたので、次いきましょう。


2.その向こうへ行こう


ちぢみあがった魂
ひなびたベイビーサラミ
もう一度フランクフルトへ

その向こうへ行こう/Mr.Children

同じく「Q」から、こんな一曲はどうか?
「その向こうへ行こう」の一節。
いやもう、最高。


ちょっと話は飛ぶんですけど、セクシャルな話題って人を選ぶじゃないですか。でも僕には凄い弁の立つというか、話の面白い友人がいまして。


彼の話がちょっと性的な話題だとしても、その話があまりに面白くて女の子の方が爆笑してしまい、セクハラ認定を潜り抜けるという場面を何度か見たことがあるんですけど、それに似た痛快さを感じる。


なんだよこの一節。うますぎるだろ。


「魂」→「サラミ」の韻の踏み方も見事だし、
「サラミ」→「フランクフルトへ」で
シームレスに男性器の話題へ繋げていく。


み、見事すぎる…!
最高にクールだぜ、桜井さん!!


ちなみにこのフレーズだが、2番では

「下痢が続いているので、病気かもしれません」


という歌詞である。
ポップソングで下痢とか言って良いの??


完全にクリエイターズ・ハイになっている桜井さんの、狂気とユーモアが交錯する一曲。というか、「Q」は全編通してこんな具合で最高だよ。


聞けば頭のフタを開けることができます。

特に体調の悪い時に聞くと、トリップできるのでおすすめです。



3.365日


砂漠の街に住んでても
君がそこにいさえすれば
きっと渇きなど忘れて 暮らせる

365日/Mr.Children

一転、至極のラブソンング、「365日」からの一節。
あまりの高低差に耳がキーンとなりそうである。


収録アルバムは「SENSE」


いわゆるラブソングの歌詞なんてものは、いかに「君を愛している」ってことを様々な言い回しで表現するかって勝負なわけで、そうすると大体は「会いたい」とか「離したくない」とか、「ずっと思ってるよ」とか言いがちになったりする。というか実際それで良いし。名曲たくさんあるし。


そんな中で、なんだこれは。

これほどまでにロマンチックな言い回しがあるだろうか。
比喩に比喩を重ねた、愛する人への言葉。


もうこれ「月が綺麗ですね  by漱石」レベルでは??
さっきまでフランクフルトの話をしていた桜井さんはどこへ行ったの???




まぁ実際に砂漠に住んだら飢えも渇きもあると思うんだけれど、なんかもう「それも君となら全部なんとかなるや」っていう愚かな感じとか、盲目になる感じも含めて胸にくる。


そうだよなぁ。人を愛するってそういうことだよな。
理屈や理由のない愛情。


その純真性から、我が子に向ける歌詞にも思えてくる。
そう、ミスチルの多くのラブソングは、相手との関係性を特定しない。



しかも、どちらかというと婉曲な言い回しなのになぜかスッと入ってくる。
メロディーとマッチしすぎているのだ


よくよく注意して1番の歌詞と比較すると、語尾の母音が全て統一されているのに気付く。なるほど…それでか。いや化物か??



ああ、そうだ。
少し話は変わるんだけど、ミスチルの2番のサビ歌詞は軒並みやばい。


1番のサビでは、やっぱりその曲のテーマみたいなものを打ち出しておく必要があるんだけど、2番ではノルマを終えてノってきた桜井氏が練りに練ったキラーフレーズをのせてくることが多い。



↓こんな曲とかね。

あるがままの心で生きられぬ弱さを 誰かのせいにして過ごしてる

愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気がつけばそこにあるもの

名もなき詩/Mr.Children

いやぁ……良い。


別の曲出てきちゃいましたね。


次行きましょう。



4.one two three


ビデオに撮った「ショーシャンクの空に」見てからは
もっともっと確信に近いな
暗闇で振り回す両手もやがて上昇気流を生むんだ

one two three/Mr.Children


「Q」の次作、「IT'S WONDERFUL WORLD」からの一曲。


個人的には一番好きかもしれない。



この頃は「Q」より更に少し落ち着きを得て、いくらか大人の余裕も見て取れるけれど、でもまだ頭のフタはパッカリ開き続けてる感じ。


引用の部分はそう、またもや2番のサビである。原作スティーブンキングの名作映画、「ショーシャンクの空に」をそのまま持ち出す豪胆さ。怖いものなしか??


冒頭から底抜けに明るいサウンドに乗るのは、どこか閉塞感を感じるような歌詞。別に切迫してはいないし、悪くはないけど、どこか煮え切らない日々。言葉にすると「なんだかなぁ」って感じの現状。


それでも曲が進むにつれて、上昇の予感を感じさせる描写が続く。現状はなにも変わってないけれど、僕の中で革命の予感はしている。「1、2、3」のカウントが始まっている。



「ショーシャンクの空に」は、一言で言えば「無実の罪で囚われた主人公の脱獄の話」だ。収監されてはいないけれど、とらわれているのは僕も同じ。でもそんな日々、ふと見た名作映画が、僕の内部に静かな改革をもたらしたりする。それが現状に風穴を空けるきっかけになったりする。

なんかすげーわかる。そういうの。


余談だがこの曲、アウトロでは、今は亡き燃える闘魂、アントニオ猪木氏による「『道』の朗読 → 1、2、3ダー!」の録音がサンプリングされている。


マジで何でもありか???  
すげーぞ桜井和寿。


どこか冴えないマイナスの現状、でもふとしたきっかけでプラスに上昇するきっかけを虎視眈々と掴もうとする、そんな内省とカウントの歌。


5.僕らの音


だけど君の事となると途端に分からなくなる
恋するだけの阿呆になる
ただ ただ ただ
胸が苦しくなる

僕らの音/Mr.Children

静かな名曲、「僕らの音」からの一節。

収録アルバムは「I ❤️ YOU」。


潰れたトマトが❤️になってる


…そうだよな。人を愛するってそういうことだよなぁ。(2回目)


「恋するだけの阿呆」という言い回しが秀逸。


どんなに理屈っぽく考えても、名作と言われる映画を見たり、難しい小説を読み漁ってみても、君のことを思うとき、僕はただの阿呆になる。役立たずになる。恋することしかできない。


このあたり、Radioheadの名曲「creep」にも通づる哲学がある。
別バンドで恐縮だが、良ければ聞いて欲しい。
できれば訳詞を見ながら。


「君」のことを思う時、「僕」はどこまでも矮小な存在になる。


君は素晴らしい。
でも僕はだめだ。ゴミ野郎なんだ。


そう、感じられてしまう。


でもそれ故に、君を思うこの感情は純粋で、美しい。




…というわけで見てきましたが、いかがだったでしょうか。

僕はなぜだろう、すごい寂しい気持ちになりました。


あと書いてて、ある一定以降はもうコーヒーじゃなくてアルコールを入れたくなりました。週末の夜にミスチルの曲は最高の肴である。


…というか、ダメだなこれ。
もう永遠に語れてしまうもの。
終わりなき旅だもの。


各アルバムから殆ど1曲ずつしか出してないし、
なんなら中期のアルバムしか扱ってないのに…


アルバムも、自分が多感な時期に聞き込んだアルバムに偏りますね。
…あ、でもシフクノオトから一曲も出てないじゃん。


でもこれってきっと、ファンはみんなそうなんだよな。
誰もが心の大事な場所にしまっているフレーズがあって、それもそれぞれのファンの中に一つではなく、数えきれないほどあるのだろう。


…ミスチルはすげーな。
というか、全てのミュージシャンは凄いな。
こうやって僕らの心に栄養をくれるんだな。


皆さんの個人的な一枚はどれですか?

また、皆さんの中に残る大切な歌詞はなんですか?


よければコメントで教えてくださいね。


サブスクも良いけど、やっぱりCDって良い。


僕もまだまだ好きな歌詞は死ぬほどたくさんあるので、気が向いたらまた語らせてください。


そしてその時は、誰か隣で手を握っててもらって良いですか。
これからどんどん夜は冷え込むらしいので…



現場からは以上となります。

それでは!



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