ジンジャエール『ファストフード物語』

満たされたいのかい？　君と僕は手を繋ぐ。
君はジーパンを履いて、僕はスカートを履く。
そういえば、君は僕のスカート姿が好きだね。
ヒラヒラさせてあげるよ。幸せかい？

満たされたいのかい？　君と僕は裸で抱き合う。
結局、人間は性行為に辿り着くんだって。
君も僕も迷わず喘いで、快感を爆発させる。
みっともないけど、幸せだよ。

満たされたいのかい？　君と僕はキスをする。
なんだろう。チューって、どうにも苦手なんだ。
君も僕も不器用だから正解じゃないキスをする。
でも、なんだっていいや。幸せだからさ。

満たされたいのかい？　君と僕はジンジャエールを飲む。
甘さ控えめ。これが社会と言わんばかりだね。
だけど、その分救われる心地よさもあったりして、
君も僕も笑顔になっちゃって。幸せっていいね。

満たされていくよ。君も僕も、膨らんでいくよ。
そうだよ。これが生きているって感覚だよ。
思い出した。いつの日か忘れちゃった人間らしさ。
ジンジャエールが呼び起こしてくれた。ありがとう。

満たされていくよ。君も僕も、満ちていく感覚を味わう。
愛って、素晴らしい文明だよね。いや、本能かな。
どうでもいいけど、僕は君が好きだから。君も僕のこと好き？
僕はジンジャエール飲んで、スカートヒラヒラさせてる。

ジンジャエール飲んで、満たされていく。