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プラントベースに隠れている楽しさを見つけてしまった

好きなものを好きなだけ食べたい。きっと誰でも考えたことがあるだろう。僕もその中の1人で、パスタやティラミス、大福やあんみつを毎日思いっきり食べたい。でもこの食生活の夢を叶えると、きっと病気になってしまうだろう。現実的には体のことを考えると難しい。

ところが、そんなことを気にせず人生をより楽しめる方法がある。
それはプラントベースフードだ。食べることが大好きな中で特にスイーツに目がない僕は、プラントベースフードを知ったことで日常生活が一瞬で変わった。いやいや、日常生活は最高に変わったのだ。

プラントベースフードってなに?
そもそも、実はプラントベースフードは僕たちの日常に存在している。今までは何回も食べていたけど、深く考えずに楽しんでいた。例えばあのスタバにも、プラントベースのスイーツが置いてあることは珍しくない。シュガードーナツを初めて食べた時、普通のドーナツと変わらない美味しさで、プラントベースフードだと気が付かずに食べていた。後から写真を見返して気がついたのだ。ここまで進化したのか、と改めて感心した。

スタバのティラミス

プラントベースという言葉を聞いても、すぐ理解できない時もあるだろう。簡単に言うとPlant(植物)とBased(由来)を組み合わせて作られた言葉で文字通り、植物由来を意味する。ヴィーガンに近いけど、意味が少し異なる。

プラントベース:柔軟な食の選択をする準菜食主義や、持続可能性を重視する、健康や美容を目的とした食事。
ヴィーガン:宗教的な理由、動物愛護などの観点など、様々な理由から動物由来の食品の制限を設けている人の食事。
ベジタリアン:野菜や穀物・海藻のような植物由来のものを中心に食べる人

スーパーに並んでいる一般食品にプラントベースフードを混ぜても、違いや違和感がないほどレベルが高い。美味しく低カロリーで体に優しい。今日からはプラントベースダイエットにしようと思ったら気軽にすぐできるということだ。

準菜食主義としてプラントベースフードを試してみた
調べれば調べるほどプラントベースフードを取り入れた生活をしたくなってきた。そこで僕は数ヶ月、準菜食主義(フレキシタリアン)として生活してみた。分かったのは、流石のメリットと意外な変化だった。

準菜食主義(フレキシタリアン)とは
「フレキシブル(柔軟)」と「ベジタリアン(菜食主義)」をかけ合わせた造語。 基本的に植物性食品を食べ、時には肉や魚も食べる人を指す。 セミ・ベジタリアンや準菜食主義とも呼ばれ、 日本では「ゆるベジ」と呼ばれることも増えてきた。

日常的にプラントベースフードを取り入れることは意外とハードルが低かった。スーパーに行けばとにかく野菜がなんでもある。メイン料理にも困らない。豆腐ハンバーグが売っていたり、大豆ミンチもある。
ちなみにヨーロッパではプラントベースベーコンなどまで販売されているようだ。

料理は意外に楽しくて、バリエーションにも困らなかった。炒め、煮込み、生野菜、温野菜などで季節の変化を楽しみながら食事できる。
さらに、野菜から作られた生パスタがあって、イタリア人である僕はプラントベースの生パスタが食べられるなんて夢のようだ。食べ応えのある味と食感で、小麦から作られている一般的なパスタと同じぐらい普及してもおかしくはない。バジル系のソースと合わせてみたけど、よく合って美味い。しかも、卵などの動物性素材不使用で地球に優しくて栄養豊富な国産野菜を簡単に摂れる。

「畑の贈り物」の生パスタとソース

食事だけではなく、スイーツも美味しい。東京に行った時に食べたのは、100%植物性の素材を使ったパフェだ。全く違和感がなく、むしろ食べた後のお腹の重さがなかった。控えめの甘さで食べやすかったし、今まで知らなかったのが勿体無いとさえ感じたのだ。

植物性で作られたパフェ

体にも変化があった。筋トレが趣味で思い重量を扱うことが多い中で、プラントベースフードを食べだしてからも特に筋力や体力が落ちることがなかった。今までより体が軽くなって、疲れにくくなったように思う。

イタリアでのプラントベースの存在
日本以外の国ではどのような変化があるだろうか。
イタリアでは数年前からプラントベースの食品が増えていている中で、プラントベースのレストランやスーパーで専門のコーナーなども普及しているようだ。植物性のタンパク質を生かしてどんな商品ができているかというと、ハンバーグやミートボール、トンカツだ。見た目は完全にお肉だけど、実は一切使われていない。全て大豆で作られているのだ。
イタリア国内の食肉業界の大手企業が調査したところによると、5人に1人のイタリア人がお肉をやめる、お肉を減らして植物性の食事を中心にしているという結果が出ている。

イタリア人の食文化は変化している記事(イタリア語のみ)。

こだわりが強くて慣れている味をなかなか変えないイタリア人が、ここまでプラントベース生活へと変化しているというのは驚きだ。いかにプラントベースフードのクオリティが高いかがよく分かる。そして、地球温暖化問題などの環境問題を意識し、少しずつ社会が動いている結果だろう。

プラントベースやヴィーガンのスイーツ

実はイタリアのスイーツ業界も進化している。ミラノとローマの都会だけではなく、地方にまでプラントベースやヴィーガンのスイーツ専門店が人気で、増えている。一般的なスイーツとどこが違うのか違和感がないほど、見た目も香りも味も、いつものように、いや、いつも以上に楽しめる。

イタリア版美食ガイド「Gambero Rosso」によるローマ市内の人気スイーツ専門店の記事(イタリア語のみ)。

この変化が5、6年前から起こっていた理由は、見た目は変わらず味もそこまで強い変化がなかったため、イタリア人の日常生活に馴染むのに時間がかからなかったから。さらに、プラントベースの健康的な魅力と環境への配慮の重要性が周知された。多くの人が思うより、プラントベースの食事は難しくないと言うことが分かったのだ。

プラントベースフードを取り入れることのメリット
プラントベースフードを選ぶメリットと魅力は山ほどあって、これを知ってからは食事が楽しくなって罪悪感もほぼない。自分の選択によって周りの環境にまで良い影響を与えるから、

・健康に良い
・高たんぱく低カロリー
・脂質の吸収を抑えられる
・食物繊維を多く摂取できる
・良質な植物性タンパク質を摂取できる
・ヘルシーで、ある程度の満足感が得られる

というメリットがあることがわかった。

プラントベースフードが注目されているわけ
プラントベースがなぜ注目されているのか。理由としては、
「生活習慣病のリスク低下など、健康上のメリット」
「 地球環境の保護・食糧問題の解決にも役立つ」
ことがあげられる。食べるのが大好きな人は特に、新しい世界広がったように感じるだろう。今まで野菜が苦手だった人でも、プラントベースフードを選ぶことで、いい意味で野菜感を感じずに取り入れることができて、新発見になること間違いなしだ。

究極の言葉「ホールフード」
ここで、多くの方がまだ気がついていない言葉と活動があるのは、食材を丸ごと食べる「ホールフード」だ。野菜などでも実だけを食べるのではなく、葉や根や皮なども含めて丸ごと食べよう、という考え方。
このような考え方は、食べる幅と楽しさが一気に広がる。「捨てられがち」な部分には、想像が付かないほど栄養が含まれていて、全部活かせば、健康と美容に効果的だ。

例えば、人参は皮に近いほどβカロテンが多くなるし、小魚は骨まで食べられてカルシウムがたっぷり摂れる。とうもろこしやキャベツの芯はうまみや甘み成分が多いから、炊き込みご飯や出汁を取っても美味い。ブロッコリーの芯はきのこ類と炒めたら量のかさ増しになる。

ダイエット中、筋トレで体づくり中の人にとっても、ホールフードは最高の仲間になる。体に優しくてヘルシーで、食べても罪悪感がない。タンパク質も意外に簡単に摂れる。植物性を中心にした食生活は、数週間で体が軽くて自分の目でも変化がすぐわかる。食に対する知識ももっと高まる。

さらに環境省によると、日本のフードロス発生推定値は令和2年度で522万トン、うち家庭ゴミは247万トンとされている。家庭から出る生ごみは可燃ごみの約3割を占めているのだそう。
食材を丸ごと食べて生ごみを減らすことは、ゴミを減らし、フードロスを削減できるというメリットがある。

プラントベースの楽しさ
野菜が苦手な人でも、この記事を読んで食べる楽しさや選択肢の多さに目が覚めたら嬉しい。好きなものを食べていて体にも地球にも優しい行動になったら、最高だ。週に1日だけプラントベースフードの日を作るのも良い。新たな食の選択肢としてプラントベースフードを取り入れてみるのも良い。

少し視野を広げて周りを見渡すと、意外にあなたのすぐそばに、プラントベースフードが隠れているかも知れない。ぜひ見つけてあげて、新発見の楽しさをマッシと一緒に感じてみよう。

では、そろそろお腹が空いてきたから、プラントベースフードを探しに行ってくる。

Massi

みなさんからいただいたサポートを、次の出版に向けてより役に立つエッセイを書くために活かしたいと思います。読んでいただくだけで大きな力になるので、いつも感謝しています。