うつ病になる前は「ハゲて無いから大丈夫」って思ってた。

うつ病になる前のストレス基準が、今から思い出すとかなりおかしいと気がついたので、そのお話をしようと思います。

私は33歳でうつ病と診断される時までにも、それなりにストレスを溜めてしまったり、発散したりしながら生きてきました。

学生時代は勉強、受験、試験。社会人になってからも就職、転職、引っ越しなどなど…

まあ、どんな人生の段階でも、人間関係は常に悩みの種でした。

それほどドラマチックで波乱万丈な人生ではありませんでしたが、それなりに悩み、解決したり、やり過ごしたりしながら歩んできました。


そんな人生でも30年くらい経験していると、自分がストレス時にどんな反応を起こすのかわかってきます。パターンがあるのです。

特に目に見える反応はわかりやすく、いつの頃からか、私はその身体的な反応を目安に自分が受けているストレスや疲労の度合いを判断していました。

私が設定していたストレス判定の目安は3段階です。まずはその3つの段階を紹介します。


うつ病の原因はストレスが全てではありません。発症のきっかけとなることはあるようですが、うつ病になる仕組みはまだ完全には解明されていません。過剰なストレスや過労などが引き金となり、神経伝達物質のうち、セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンの量が減少したり、はたらきが低下してくると、うつ病の症状があらわれるのではないかといわれています。



ステージ1<体重・食欲の増加>

軽いストレスやイライラを感じると、甘いものが食べたくなったり、なんだかいつも口寂しい感じがして、ついつい食べ物に手が伸びてしまいます。

満腹やおいしいものを食べた時の幸福感を感じたいからかもしれません。

普段以上に食べる量が増えるので体重ももちろん増加します。我慢はできません。

最近気が付きましたが、この状態の時はいつも以上に甘いものや油っこいもの、香ばしいものや歯応えのあるものなど、食べ物の中でも、自分の好みのものばかり食べてしまいます。

アーモンドチョコレートが主食になる勢いです。

また、その上さらに、自分の好きなものを食べている時、普段以上に美味しく感じてしまいます。美味しいものを食べているときに、言い表せないほどの多幸感を感じるのです。

なので、お腹が空いているからではなく、美味しいと感じたいから食べてしまいます。アーモンドチョコレートをあれば、あるだけ食べる勢いです。近所のスーパーとかでアーモンドチョコレートが2箱買うと安くなるキャンペーンをやっていると危険です。我慢はできません。


この段階ではストレスがあることに気が付きやすいです。

明らかに食べるものや、量、体重が変化するのですから。

ストレスにきづければ、食べる以外の方法で発散をしたり、原因をみつけ、取り除けるように行動が出来ます。疲れているなら、リラックスしたり睡眠を取ったりできます。

そうして上手くストレス解消ができれば、食事量も体重も元に戻るのです。


ステージ2<食欲減退・体重減少>

上手くストレス発散出来なかった場合。またはストレスの原因が長期化してしまった場合に、食欲がなくなります。

好きなものさえステージ1の時ほど美味しく感じません。なので食事をする事自体が面倒になります。

複雑な味や、複雑な食感のものを食べることも不快に感じます。

味覚を複雑に刺激されると、小難しいことをお説教されているような気分になります。

歯応えのあるものではなく、柔らかいものを好むようになります。いろんなものを少しづつ食べるのではなく、同じものを繰り返し食べるようになります。

食べることさえ面倒なので、もちろん料理も最小限になります。

納豆入りたまこがけご飯が主食。副菜はありません。ひどいとカップラーメンばかり食べることになります。


この段階では空腹に耐えられなくなるまで食事はしません。面倒なので。

特に私は一人暮らしなので、勝手に食事が用意されることありません。だから余計に食事をすることが面倒なのかもしれません。

そして、このステージの怖いところが体重が減少する事です。


大抵の女性にとって、体重が減少する事=嬉しい事です。

太っている私に、とってはなおさらです。

ステージ1を経て2へ到達している場合、たいていこの時期の食欲の減退を歓迎してしまします。というか、食欲減退なのか、我慢ができるようになったのかの区別がつきづらいです。

ダイエットができているのか、食欲がなくなるほど疲れているのか、すぐには判別できません。ただ、甘いものを食べても、幸せを感じなくなっているとレベル2は確実です。

この段階では、最低限の食事を取りつつ、できるだけ休むしかありません。

ストレス発散に一人カラオケや買い物などを嗜むのはアリです。

ですが、友人との外出など、途中で帰ったり休んだり自由にできないような遊びは、疲弊するだけなのでやめておいた方が無難です。


ステージ3<円形脱毛>

この段階になったことは、人生で二度しかありません。ストレスMAXの最終段階です。

この二度の経験は、当時はそんなにストレスが大きのかな?と自覚の薄いものでした。

ですが、後から振り返ってみると、仕事面でも、プライベートでもうまくいっていない時期でした。その上、どうしたら良いのか、解決策が全く見当たらず、ただただ耐えていた時期でかなり辛い時期だったなと思います。

2回ともその時、髪を切ってくれた人が気がついてくれて教えてくれました。自分でもびっくりしたので、無自覚だったことをよく覚えています。

結局、時間が解決してくれるのを待つしか方法がない問題がストレスになっていたようなので、この段階になると解決方法は「待つ」ことしかありません。ハゲが治る頃には、問題も解決するのです。


この時の経験から、どうしようもなくストレスが溜まると私はハゲるんだなと学習したのです。



以上の3つがうつ病になる前の私が考えていたストレス基準の3段階です。

この3段階のストレスの基準は、今でもあながち間違っていないなと思います。ストレスで何かしら身体に変化があることは確かですし、レベルが上がるごとに、ストレスや疲労、体の負担は大きくなります。



ただうつ病を発症する前、私はこのストレス基準の使い方を大きく間違えていました。

タイトルでも書いたように、レベル3の円形脱毛になっていないから大丈夫だと思っていたのです。

日常生活でも「ストレスで白髪になった」とか、「ストレスでハゲた」という話を聞くことは少なくないく、自身に円形脱の経験があることから、自分は「ハゲるまでは頑張れる」ものと思っていました。

そしてその結果、どんなに疲れやストレスを感じていても、まだ円形脱毛に至っていない状態の自分は「頑張っていない」と評価するようになっていました。



うつ病を発症する1年ほど前から自分のストレス状態がレベル1と2の間を行ったり来たりしている自覚はありました。

ストレスや疲労がゼロになる瞬間がほとんどなかったのです。

常に何かのストレスがあり、いつも疲れている。

だけど、レベル3までは到達していない。

つまり、もっと頑張れるはずだ!

という思考回路でした。


うつ病について興味関心のある方ならわかっていただけると思いますが、

この思考はかなり危険です。

疲れている自覚が足りない。疲れているのにもかかわらず、さらに頑張ろうとする。そりゃ、病気にもなりますよね。

そもそも、目に見えないはずのストレスや、疲労の度合いを、「どれだけ身体に影響が出ているか」という事だけで判断しているなんて、どうかしています。

かといって、目に見えないものを評価するなんて、難しい問題ではありますよね。

だから私は目に見える「身体的な影響」をよりどころにしてしまったのだと思います。

自分だけでなく、誰から見ても明らかな変化。それがある時だけは休んでいいのだと思っていました。

逆に言えば、「身体的な影響」のない段階での疲労やストレスは、無いものとして扱っていたのです。

「ちょっと頭がぼーっとする」とか、「疲れやすいな」という小さなサインを無視していたのです。

もしかしたら、そんな細やかなサインまで気にしていたら、仕事や私生活が成り立たなかったという現実もあったのかもしれません。

小さなサインを無視するために、「身体的な影響」だけにフォーカスしていたような気もします。


ただ、うつ病になってしまったことを考えると、その考え方は間違っていたとしか言いようがありません。少なくとも私にとっては。

目に見えないはずのストレスや疲労が、体に影響を与えて具現化するまで我慢するなんてまったく健康的ではありません。


これからは、「ストレスや疲労は目に見えない段階で対処する」という予防的な考え方にシフトした方がいいなと考えています。

つまりレベル1でも十分危険だということ。

そうなる前の段階で上手く調子を整えていくことが大切だと考えるようになりました。


冒頭でも書きましたが、うつ病発症のメカニズムはまだまだわかっていないことが多く、ストレスが引き金なるとも言い切れない病気です。

ただ、ストレスを溜めないことは、自分の体調を上手く整えることであり、健康的な精神を維持することでもあることに間違いはないでしょう。

これからは、うつ病発症する前の自分が、気がつけなかった目に見えないサインにも耳を傾けていきたいです。


追記

ここまで読んでくださった方ありがとうございます。思いもかけず長文になってしまいました。

この文章は私の経験や感じたことを文章として具現化するために書いています。

私は目に見えないことは具現化しないと認識しづらいタイプの人間のようですので今後も、たびたび具現化して認識していきたいと思います。


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