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やさしい世の中にしたい(soarイベントに寄せて)

昨日は「soar human library」というイベントで、7名のゲストのひとりとして登壇させてもらいました。

「話し手の人生を「本」に見立てて、これまでの経験や想いについて、参加者とじっくりと話し合う」

という素敵なコンセプトのイベント。今までsoarのイベントにはたくさん参加させてもらっていて、今回初めてお話する立場としての参加でした。ご一緒させてもらった6名のゲストの方々と交流をしながらソファで最初のプレゼンを待っていたのが、ついさっきのことのように思われます。あっという間の楽しい時間でした!

わたし以外のみなさんは、様々な困難を乗り越え、同じような経験で悩んでいる方に支援する活動をしている方がほとんど。一方わたしは、直接同じ困難(双極性障害Ⅱ型)を持っている方を対象に活動するということは今のところありません。

そこには色々な思いがあるのですが、今まであまりお伝えする機会がなかったので、ここで少し「自分なりの支援」について書きます。

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わたしの持っている双極性障害は、寛解(症状が少なくなりある程度安定して生活できること)はするのですが、再発率もとても高いそうで、「完治」は今の医療では難しいと聞きます。なので、わたしは一生おつきあいするものだと思っていて、ずっと障害とうまく生きていけたらと考えています。

soarでコラムを書かせていただいたり、あちこちで障害について書かせていただいているので、ご相談やご質問もたくさんいただきます。いつもひとつひとつしっかりと目を通しています。この場ですみませんが、ありがとうございます。

でも、インターネットでのご相談にお答えするのは、難しいことがたくさんあると感じています。

たとえば同じ障害であっても、これまで生きてきた背景も違えば、症状も違ったりする。治療を進めていくと別の疾患が由来だったりすることもあると聞きますし、似た疾患もたくさんあります。テキストベースのやりとりでそのあたりを読みとるのはとても難しいことがあります。「自分にはこれが合ってたよ」というお話をしたとしても、その方には合わなかったりして負担になってしまうこともあるかもしれません。

また、心身の調子の波があるという特性上、相手と自分が真逆の状態にいることもあります。障害に対する気持ちも日々変化していくものだと思うので、そのときにわたしが適切でない言葉をかけてしまう恐れもあります。

そんなことを考えて、最初はおひとりおひとりのお話にお返事をしていたのですが、今は読ませていただくに留めています。勇気を出してご連絡くださった方もたくさんいると思います。心苦しいのですが、わたし自身も同じように当事者のひとりで、日々心身の調子を整えるのに苦労している状態なので、「直接的な支援」は今は難しいと思っています。

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「あまり知られていない双極性障害Ⅱ型についてもっと知られて欲しい」「間違った診断を受けてしまっていて苦しい思いをしている人たちのヒントになれば」という思いは今も変わっていません。「カウンセラーになって同じように悩む人の助けになりたい!」と思ったこともありました。それでも、実際にカウンセリングを受けていると、わたしにはとてもできそうにないと感じるようになりました。

わたしに何ができるか、どんな支援の仕方ができるか考えたときに出した答えは、「わたしのつくるものを通してホッとしてもらえたら」ということです。

ホッとする、って小さくて何気ない感情かもしれないですが、だからこそわたしはとても大切にしています。苦しい嵐の中にいるようなときに、ふと友達からかわいいLINEスタンプが送られてきてクスッとなるだけでも、嵐は少しおさまったように感じるかもしれません。

わたしはそういう「ホッ」とか「クスッ」をつくることで、今苦しい人の気分が少しでも楽になればいいな、という思いで、いつもイラストを描いたり文章を書いています。

それが、わたしなりの、ささやかな支援のつもりです。

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わたしが精神科に通い始めた頃は、今よりもっと情報が少なくて、病名で検索すると当事者の苦しそうな声や、専門用語がいっぱいの医療情報ページ、どちらかしか見つからないような状態でした。もちろん、当事者が苦しみを吐き出せる場としてインターネットがあるのは救いになりますし、それを否定するものではありません。(このあたり、イベントの〆の挨拶で言葉足らずでした…申し訳ありません)

そんな中で、soarのような素晴らしいメディアが検索エンジンで上位になるようになり、たくさんの可能性を知ることができるようになってきています。soarは「ネガティブをポジティブに」「人の可能性が広がる瞬間をとらえる」という理念があるので、わたしも他の方の記事を見ていて眩しいなあと思う時もあります。

それでも、わたしが調べていた頃のインターネットより、ずっと希望が増えました。つらいときは無理せずに、気になった記事があったらぜひsoarの記事を読んで見て欲しいと思います。

わたしは自分のできることをしつつ、できないことはsoarのように素敵な活動を応援することで、わずかながら力になりたいと思っています。

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今回のイベントでお話させてもらったみなさまも、お話する機会がなかったみなさまも、またどこかでお会いできたら嬉しいです。

上述した通り直接ご相談に乗ることは難しいのですが、イベントのときなどはできるだけお話させてもらえればと思っています。よくsoarのイベントには一般で参加させてもらっているので、よかったら声をかけてくださいね。

誰もが心地よい生き方を見つけて過ごし、それが歓迎される世界になりますように。微力ながらわたしもできることをしていきます。見守ってくださると幸いです^^


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