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今、企業のHRの方の中には社内で「組織開発」に取り組んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。私もその内の一人なのですが、この概念を正しく伝えることが、それはそれは難しいのです。言葉自体は、それほど新しいものではないのですが、昨今の仕事の複雑化や専門分化の進展、色々な意味での働く人たちの多様化、働く人たちのコミュニケーションが希薄になってきているといった流れを受け、GEやヤフー等が取り組んでいることが取り上げられたこともあり、昨今、HR業界では改めて注目を浴びている(と私は思っている)言葉です。
Wikipediaでは、
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組織開発とは、組織の効果性と健全性を高めることを目指した計画的で長期的な変革の実践であり、組織文化や、やる気・満足度・コミュニケーション・人間関係・協働性・リーダーシップ・規範などのヒューマンプロセスに働きかけるための理論や手法の一群である。1950年代にアメリカで生まれ、日本には1960年代に導入されたが、なかなか全体像が理解されなかったため広く浸透せず、個々のテクニックがバラバラに紹介・導入されていた。組織開発は近年注目を集めている(2015年時点)。
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と定義されています。(「2015年時点」というのがかなり気になりますが)

んー、わかったようでイマイチリアルには想像しにくい書きっぷりですが(でもこれ以上は確かに書けないのも事実かも)、私自身の理解では、要は、メンバー間の関係性に注目し、その部分をより良い方向にしていくことで、組織としての成果を上げていこうとする理論/手法です。

個人的には、「人材開発」と「組織開発」の両輪をうまく回していくことが、これからのHRの重要な役割だと感じています。ただ、HRに関わる人ですら、「組織開発」とは何かを正しく説明できる人はそれほど多くないと思いますし、そもそも「組織改革(=機構改革)」と勘違いされてるケースもまだまだ多いと思います。
確かに、日経新聞を読んでいてもなかなかこの言葉は出てこないので、経営の方々にこの考え方を理解してもらうのはかなり至難の業です。「人材開発」の成果を見える化することですら難しいのに(なので、研修の効果測定はHRのカンファレンスでは未だに取り上げられている普遍のテーマです)、それよりも更に難解な言葉を持ち出されても、それゃあ、普通の人は消化できないのも十分理解できます。
また、完全な個人的な感覚ではありますが、日本企業の多くは、何もしなくても、働く人たちの大半は組織への高いロイヤリティがあり、お互いの良質な関係性(チームワークと呼ばれことが多い)が自然にできている、という前提で組織運営をしているのが実態だと思いますので、そんな中で、わざわざそんな小難しい考え方を日常のプロセスに埋め込むことの価値を見出しづらいのも事実だと思います。
でもその「前提」が変わってきていることもこの仕事に携わる中で、日に日に感じていて、こうした一見当たり前のことに、新たに意味づけをする必要が出てきた時代なのだなとも感じている毎日です。
「組織開発」の上手な伝え方、組織への落とし込み方ができた暁には、改めてこちらでもシェアできればと思います。(こういうことを一緒に考えてくれる方大歓迎です)

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