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7月13日(木)「醗酵食品・鰹節」

今日の豊田は小雨だったり曇ったり。一日中不安定なお天気。
最低気温は24℃、最高気温も28℃迄しか(?)上がらず。
人間の馴れとは恐ろしいモノで、30℃超えてなかったら、「今日は然程暑くなかったかな?」なんて思ってしまったりして。ソレでも湿度は相変わらず高く、ほぼ80%前後と梅雨らしいお天気でしたかな。さて、

昨日は「未利用魚・ギンアナゴ」についてお伝え致しましたが、今日は誰もが「え?コレも醗酵食品だったの!?」と思ってしまうであろう「醗酵食品・鰹節」について書いて行くコトとします(冒頭画像はコチラから拝借しました)。

鰹節。
昆布と共に日本に於けるの出汁文化を支える二大巨頭の一つですね。
勿論、皆さんご存知だと思いますが、その原料はカツオ
冒頭に書いたように、獲ったカツオを①「生切り」(水洗いし、四つ割り)→②「煮立て/籠立て」(金属製煮籠にキレイに並べる)→③「煮熟(しゃじゅく)」(大釜に入れ煮出す)→④「骨抜き」(小骨取り)→⑤「焙乾」(燻蒸、そして乾燥)→⑥「削り/整形」(焙乾した節の形を整える)→⑦「あん蒸」(焙乾・整形した節を冷ます。コレを10~15回繰り返す)→⑧「カビ付け」(裸節に特別なカビを付ける)→⑨「日乾」(カビ蔵で⑧を寝かせた後、天日干し)→完成!(生切り状態の節から水分量は15%程度迄減少)、と言う工程を経て完成する、相当に手の込んだ醗酵食品なのです。カツオを獲った時から数えると、立派な鰹節になる迄には約半年間もの時間を要するのだとか。長期保存も効くこの醗酵食品には、相当な手間暇が掛けられていると言うコトが良くお分かり戴けるのではないかと思います。

古く歴史を遡れば、そもそも鰹節のご先祖様はモルディブからやって来た説もあるようですし、アイヌ起源説もあるようですが、昔の北海道でカツオは獲れていないハズなので、コチラは少々怪しいかな。モルディブ起源説は、現状モルディブにその原型が残っているコトからしても、またアリなのかも知れません。琉球貿易を介してモルディブ→琉球→日本へと伝わった可能性はあるのでしょう。

翻って日本では、古代からカツオは食べられていたようですが、現在のような形になって行ったのは室町時代辺りからのようです。ですが、この頃はまだ焙乾技術が十分ではなかった為(その焙乾技術がモリディブから伝わった?)、今の鰹節のようなモノでは無かったようです。
焙乾技術が発達したのは江戸時代に入ってからのようで、紀州で燻乾法で作られた「熊野節」、その後各地に伝播されて「薩摩節」・「土佐節」・「伊豆(田子)節」・「房州節」等が出来、更に全国に広まって行ったとのことです。

また、作られる部位によって「背節(雄節)」・「腹節(雌節)」や「亀節」だったり、製造段階の違いによって焙乾を終えただけの「荒節」、黒い部分を削り落とした「裸節」、ソレにカビ付けをして作られた「枯れ節」等に分けられます。夫々、用途が違うのは日本人ならではのマニアックさと繊細さなのでしょう。

更には、その削り方如何によっても名称・用途は様々です。
削り節は総称となるワケですが、花かつお・血合い抜き花かつお・粉末・厚削り・中厚削り・粉砕品・糸削り等。

何れにせよ、鰹節は日本が誇る偉大なる醗酵食品であり、日本料理の旨味を支える巨頭の一つで、無くてはならない存在なのであります。
自分が料理を作る際に、鰹節を自ら削り、自ら出汁を取って、自らが味を決めるようになるのか否かは分かりませんが(結局コレも手間暇・コストとのバランスで決める必要のあるコトのようなので)、極力マジメに、出来るだけ手間暇を掛けて美味いモノを皆さまにご提供するべく、努力して行きたいと(今は?)考えています。

明日は、最近話題の若潮酒造さんが造る「醗酵飲料(焼酎)・GLOW」についてお届けする予定です。


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