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音楽は心を結びつける。ロックダウンされていく我々をつなぐもの

世界各国で外出禁止、自粛の要請、都市封鎖(ロックダウン)が行われており、多くの人々が自宅で過ごすことを余儀なくされています。長く続く自宅での隔離、外出の抑制は孤独を感じさせ、陰鬱とした気持ちにさせることもあります。ですが、そのような中でも我々を励まし、結びつける大切な存在があります。音楽です。

この記事では、市井の人々、音楽に携わる人々、様々な方による、自らを、そして世界を音楽によって応援していく姿を紹介していきます。


イタリアです。ロックダウンされた各都市で、住民がバルコニーからそれぞれの楽器や時に音をならすための食器を携えて顔を出し、フラッシュモブとして国家をうたったり、思い思いの音楽で励まし合いました。


ドイツです。"Bella Ciao"(さらば恋人よ)というレジスタンスの賛美歌を、ドイツバンベルグの住民が歌っています。イタリア内戦のときに創作された歌であり、困難な状態にあるイタリアに心を寄せてのことでしょう。


"Betta"の愛称で知られるスペインの歌手 Beatriz Berodia さんによる、外出禁止のマドリードでの、彼女の自宅からのナイトコンサートです。マドリードはスペインの中でも特に感染の影響が強いエリアであり、人々は辛い時を過ごしています。少しでもその辛さを忘れることのできる時間をもってもらえればと彼女はこのナイトコンサートを開いたそうです。


市民がそれぞれの家から歌い、奏でることに加え、音楽に携わる人達もオンラインを用いて音楽を配信し、我々を結びつけようとしてくれています。

NYフィルでは、"We Are NY Phil @ Home" と題し、演奏家がそれぞれ自宅からの演奏をオンラインで披露しています。いくつかのVideo がありますが、この記事ではチェロのものを。


こちらは、3月20日から4月2日まで2週間毎夜開催の無観客オンラインコンサート「On Line / On Live (OLOL) 」を企画し、実現させた小池さんのインタビューです。称賛を禁じえない取り組みだと思います。


オンライン化を逆手に取った、演者を多拠点で結ぶというチャレンジも始まってます。
以下はロッテルダムオーケストラによる演者がそれぞれの自宅から演奏して第九を構成していくVideoです。


こちらは、コロラド交響楽団による第九です。素晴らしい。


リモートで合唱を行う試みも広がっています。
イギリスのミュージシャンの合唱グループ Camden Voices による、シンディ・ローパーの名曲 True Colors の合唱。


マサチューセッツ州にあるボストン音楽院の学生75名による、バーチャル・オーケストラです。バート・バカラック作曲の"What the World Needs Now is Love"(世界は愛を求めている)を演奏、歌い上げています。


カリフォルニア州の Chino Valley Unified School Dstrict (チノ・バレー統一学区)の学生たちによる合唱です。年次の合唱祭が新型コロナウイルス蔓延により中止となってしまったのですが、それならばとオンラインでの合唱を行いました。それぞれの学生が自宅から参加し、"Over the rainbow"の美しいアカペラと希望を見せてくれます。


日本も東京をはじめとして感染者の増加は止まる気配をまだ見せておりません。先行している各国の状況を踏まえると、むしろ増加は加速していき、都市封鎖が行われることもそう遠くないでしょう。首相の会見にもあったように、事態の長期化は避けられないでしょう。そのような行動を抑制されている中でも、我々は孤独ではないということを忘れずに、音楽をはじめとして文化は我々を支え、繋げてくれるのだという気持ちを内にもって、日々を生きていきましょう。


付記

新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴う外出禁止・抑制に直接的影響を受ける、イベントや実店舗のビジネスはどのように対抗していくべきなのかについて、下記で書いていこうと思います。まだアイデアの走り書きですが、今後内容を更新できればと思っています。


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