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未来の必須スキルは何か。その教育は。そして日本のプレゼンスについて

元々プログラミング言語の Ruby 周りで、小中高生向け、大学生向けのプログラミングコンテストやハッカソン等、教育系の取り組みに関わることは多かったのですが、


お声がけいただき、APEC (アジア太平洋経済協力) における、無理やり訳すと データ分析技術者 雇用促進プロジェクトに、2017年からアドバイザリーとして参加しております。今まで、シンガポールや香港などで実務会議をしております。(幸か不幸か、Face To Face の 集中会議は毎年GWの休日にかぶり、本業に影響を与えることがないという。)


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本プロジェクトですが、リクルート・カレッジマネジメントでのインタビューで一部内容をご紹介していますが、技術革新を中心とした世界の劇的な変化に伴い、大量の失業者が生まれる可能性に備えて(数年以内には教育内容の不十分さの問題で失業者が10億人近くに達するという推計もある)、今後のコアたる職能となるであろうデータ分析に必要となるスキル・コンピテンシーとは何かを定め、それを高等教育に実装していくことの提言を目標としています。様々な統計調査を引きつつ、大学や企業での先進取組事例も紹介して会議を開始し、ディスカッションベースで必須スキル等を定めていきます。ファシリテーターが準備に相当なエネルギーを使われているであろうことがわかり、最初から脱帽ものです。参加するのも覚悟がいります。が、自分の息子も現在2歳。将来どんなスキルが必要になるのか。この問題を考える機会が得られたことに感謝があります。

議論の基礎も、今のICTの技術レベルをベースにするのではなく、将来到達されるであろうレベルやビジネスの変容を想定して、今の教育を考えるべきだという視点に一致を見ており、実践的な見解が様々出ていて勉強になります。例えば、第四次産業革命の進展はどこまで織り込むのか。

Deep Learning やReinforcement Learning が本質的にかかえるのブラックボックスアプローチをどう評価するのか。データを駆使した各種検証によってどこまでAIの信頼性を高めていけるのか。

Domain Skill・業界知識というものの Maturity をどう産業によらずに定義するのか。そもそも前提となる人の働き方についてどこまで今の革新的なトレンドを意識し、反映させていくか。

僕自身としては、将来、AI、 Deep Learning 、またData AugmentationやTransfer Learning 等の各種トピックがデータ分析プロセスやサイクルにもたらす影響をどう考慮していくかが重要と考えるのと、


Cloud ベースでの集合的なデータアナリシスも含めるべき(Cloud&Crowdですね)、業界の慣例や標準化された業務プロセスという Domain Knowledge からは時として自由でないと本質的な発見ができないこともある、というところの視点から意見を述べております。
(細かいところでは、プライバシーは常についてまわるのだから、ポリシーの問題とだけで捉えるのではなくて、効果的なアノニマイズとかマスキングも教育すべきデータエンジニアリングスキルとしてきちんと認識すべきでは、等も。あとは、バイオや医療や農業におけるデータアナリティクスは今後大きな飛躍がありそうだから、スキルセットも BI を前提にしすぎるべきではないのではないか。)

昔、ジュネーブで行われた発展途上国でのIT活用促進に関する国連の会議に参加したことがあるのですが、参加して常に思うのは、日本のプレゼンスをどう向上するかです。昨年、国連のSDGsの会議に日本のIT企業を代表して参加し、スピーチをしましたが、その際、日本からは参加してくる産業の代表者が少ないと、大変感謝されました。

本プロジェクトも日本からの参加者を見つけるのが大変だったそうです。参加しててAPEC側のコーディネーターからも同じくとても感謝されました。日本は重要なはずなのに人が参加をしてこないと。本プロジェクトも様々な国から積極的に産学の識者が参加しており、日本から(特に産業界から)いかにこのような国際的枠組みに参加していき、日本の知見を国際的なアクションに反映させていくのかというのは、根が深い課題なのだと感じるとともに、できることを頑張っていかねばと思っています。

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