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無人の時代、人類史を考える

2023年はAI元年として記憶されるだろう、と僕は何度かエッセイなどで書いた。ChatGPTが世を騒がし始めたのは、2023年の3月である。春に、まさしく春らしく、物事が変わり始めたというのは、コロナ禍のスタートを思い起こさせる。それは2020年の2月のことだった。緊急事態宣言が出されたのは4月に入ってすぐ。前年に元号が令和となって、その新たな時代区分が本格始動するとでも言えるだろう新年度は、街から人がいなくなる年だった。

コロナによって世の中が変わるときに何が動いたかと言えば、テクノロジーだった。と、ここではその角度から振り返ってみたい。ソーシャルディスタンスというかけ声によって、対面接触なしのサービスの提供が追求され、テレコミュニケーションが以前の制約を振り切って、一線を越えて(技術的には以前でもできないことはなかったが)さらに追求された。絞って言うなら、コロナ以前以後とは、オンライン会議以前以後だと思う。それは、世界の無人化の新たな段階だった。

それから3年。感染者数の増減を確認することは減ったわけだが(新たな世界の状態を受け入れるしかなくなったわけで)、それと同時にAIの革命が始まった。

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